<イベントレポート>
2025年6月20日 東北インデペンデンツ
@ 東北大学 災害科学国際研究所
+ Zoom ウェビナー配信
■ イベント詳細 https://www.independents.jp/event/765
<ご挨拶>東北大学 産学連携機構 森嶋 誠治 氏 |
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<特別セッション> |
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(パネリスト) 東北大学 産学連携機構 スタートアップ事業化センター 企画推進部長 高橋 秀志 氏 |
東北経済産業局 地域経済部 産業技術革新課 新規事業係長 伊藤 蓮 氏 |
仙台市経済局 イノベーション推進部 スタートアップ支援課 拠点形成係長 白川 裕也 氏 |
(モデレーター) インデペンデンツクラブ 代表理事 松本 直人 氏 |
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■ 東北大学が主導する「MASP」による広域支援体制
高橋氏:
東北大学が事務局を務める「みちのくアカデミア発スタートアップ共創プラットフォーム(MASP)」は、国公私24の大学・高専が連携し、「Deep-tech & Diverse」をテーマに世界を変えるエコシステムの構築を目指しています。
中核施策である「みちのくGAPファンド」は、VCなど事業化支援機関との連携を前提に、研究シーズの事業化を資金面から支援。採択はこれまでに131件、実際に起業したスタートアップは9社に上ります。
支援は資金だけにとどまらず、知財相談、ビジネスマッチング、メンタリング、海外展開支援、さらにはDEMODAY開催など幅広く展開。起業後は、大学との連携や還元による好循環サイクル構築も視野に入れています。
■ 国の戦略と東北経産局の取組
伊藤氏:
政府は2022年を「スタートアップ創出元年」と位置づけ、スタートアップ育成5か年計画の中間地点を迎える2025年には、成長の「高さ」と「継続」に重点を移しています。
東北経済産業局が推し進める「J-Startup TOHOKU」プログラムにおいては、東北地域の有望なスタートアップを選定し、官民一体となった伴走支援を実施。支援のニーズとして最も高いのは「販路開拓・営業戦略」、次いで「人材確保」「資金調達」であることが浮き彫りとなっています。また、東北の大学発スタートアップは全国平均と比べても伸び率が高く、エレクトロニクス・航空宇宙・素材分野などの集積が注目されています。
■ 仙台市のグローバル戦略と支援インフラ
白川氏:
仙台市は2013年から「日本一起業しやすいまち」を目指して起業支援を開始し、2023年には郡和子市長が「スタートアップを経済成長のエンジン」に位置付け、ディープテックやインパクトスタートアップ支援に加え、「仙台スタートアップスタジオ」(2024年開設)をハブに、支援ネットワークを拡大中です。
また、学生・若者向けに起業家支援プログラム「SENDAI Global Startup Campus」などを通じて人材育成を強化しています。2025年8月には国際イベント「DATERISE!」開催を予定し、海外VC・大学との共創、スタートアップビザ支援なども本格化しています。世界標準の人材育成プログラムで107名の起業家を育成し、卒業生の事業立ち上げも支援しています。
■ 広域エコシステムの形成と課題
― 地域内外との連携創出
松本氏:東京進出の傾向がある中で、地域内での連携をどう強化されていくのでしょうか?
高橋氏:「ナノテラス」など最先端設備の活用を通じて、大企業を東北に呼び込み、共創環境を構築していきます。仙台市とも連携し、時間貸し制度等でスタートアップの利用促進が進んでいます。
伊藤氏:首都圏に近いという地理的メリットを活かし、東京でのピッチイベント等による“逆流”も積極的に行っています。
― 広域7県の強みの見える化
白川氏:東北全体の連携には、「この県はこの産業に強い」といった“見える化”が鍵です。仙台はそのハブとして、海外のニーズと地域の強みを繋げる役割を担います。
※「THE INDEPENDENTS」2025年8月号 P.4-5 より
※ イベント開催時点での情報です