■ 農家のためのCTO事業と営業代行スタートアップ
2024年設立の当社は、代表取締役・池元航が、鹿児島県立農業大学校で柑橘を専攻後、青果卸会社で流通を経験し、地元で起業した農業系スタートアップです。現在は温州みかんや不知火などの柑橘類を主軸に、桃やぶどうといった高単価果実にも展開しています。農家に代わり品質向上を担う「CTO」として、無料で栽培支援を行い、青果を自社ブランドで集荷・販売するファブレス型モデルを採用しています。加えて、規格外品はジュース等の加工原料として活用し、収益最大化とロス低減を両立しています。
■ Brixを軸に品質を価格へ転換する競争優位
当社は果実の品質指標である糖度「Brix」に着目し、この数値を高める技術を肥料として標準化しています。Brixは果汁中の可溶性固形分量を示す国際指標であり、高糖度果実は高単価での販売が可能です。光センサーにより糖度を定量的に選別し、数値ごとに価格を分けることで、「品質向上=単価上昇」を実現しています。収益は自社肥料(約5,000円/袋)の販売と、青果販売における㎏あたり100〜200円のマージンで構成されており、品質改善がそのまま利益拡大に直結する設計です。
■ PMFを踏まえた拡大戦略と資金需要
これまでに約4,000万円(株式20%)の資金調達を実施しており、既に地元VCの出資を受けています。自社園地においては栽培技術の再現性が確立されており、特に春先(3〜6月)の施肥管理を軸とした生産モデルにより、PMFは確認済みの段階です。今後はOEM型での契約農家の拡大と販路拡張を加速させるフェーズにあり、営業人材の採用、肥料製造能力の増強、選果・物流機能の強化に向けた追加資金の調達を進めていきます。
■ 鹿児島を起点に国内外へ拡張する成長戦略
鹿児島は開花が早く、品質検証と市場投入を先行できる優位な産地です。国内の果物市場は約1兆円、うち柑橘は約2,500億円規模と大きく、まずは国内で高付加価値流通の確立を目指します。ブランド力を高めるとともに、加工品を活用することで輸出ハードルを下げ、海外展開を推進し、日本産果実の価値をグローバル市場へ広げていきます。
コメンテーターより![]() |
新しい形態の農業コンサルタント。収率の改善を肥料で行う、肥料の設計ノウハウと、販路コンサルまで提供し、農業の課題に挑む。従来のコンサルに科学の光を当てたようなビジネスモデルであり、今後の発展が大いに期待できる。 弁護士法人内田・鮫島法律事務所 代表弁護士 鮫島 正洋 氏 |
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