<イベントレポート>

2026年3月18日 南大阪・和歌山インデペンデンツ
@ 堺市産業振興センター コンベンションホール
+ Zoom ウェビナー配信

 

セッション概要

 3月18日、堺市産業振興センター(堺市北区)において「南大阪・和歌山インデペンデンツ」を開催し、第一部特別セッションとして「南大阪・和歌山のスタートアップ動向について」を実施しました。主催は特定非営利活動法人インデペンデンツクラブ、共催は堺市と紀陽銀行です。

堺市 産業振興局 産業戦略部 中百舌鳥イノベーション創出拠点 担当課長 西浦 伸雄 氏堺市
産業振興局 産業戦略部
中百舌鳥イノベーション創出拠点
担当課長
西浦 伸雄 氏
  株式会社紀陽銀行 ソリューション戦略部 スタートアップ支援室 調査役 上畑 健太 氏紀陽銀行
ソリューション戦略部
スタートアップ支援室
調査役
上畑 健太 氏
  インデペンデンツクラブ 代表理事 松本 直人 氏インデペンデンツクラブ
代表理事
松本 直人 氏


 松本氏は、最初に「地域発スタートアップの成長が、日本経済の多極化に不可欠」と述べ、南大阪・和歌山エリアの潜在力に言及しました。

 西浦氏は、中百舌鳥エリアを核とした取り組みについて説明しました。大阪公立大学などの研究機関、支援機関、金融機関が連携し、起業前教育から実証・事業化・成長支援までを一体で担うエコシステムが形成されていると述べました。特に、インキュベーション施設「S-Cube」を拠点に、スタートアップ創出から実装までを支援している点を強調しました。
 また、堺市・和歌山市はいずれも人口約80万人規模であり、都市機能と地域性を兼ね備える点が特徴です。堺市では大阪公立大学、和歌山では和歌山大学や近畿大学生物理工学部が、人材供給の中核を担っています。

 上畑氏は、地域スタートアップの強みとして「既存産業との距離の近さ」を挙げるとともに、資金調達や外部連携を含む広域ネットワークの構築に努めていると説明しました。

南大阪エリア:産業集積×スタートアップ創出

 堺市を中心とする南大阪エリアでは、製造業・サービス業の集積を背景に、新規上場企業も生まれており、スタートアップのロールモデルとなっています。

主な上場企業(南大阪) ※上場新しい順(本社または主要拠点ベース)

社名
 
上場市場
上場年月
事業内容
クオルテック
堺市
東証グロース
2023年7月
半導体・電子部品の信頼性評価
中村超硬
堺市
東証グロース
2016年6月
ダイヤモンドワイヤ等
くらコーポレーション
堺市
東証プライム
2006年2月
回転寿司チェーン
ラウンドワン
堺市
東証プライム
2005年4月
複合レジャー施設
大研医器
和泉市
東証スタンダード
2009年3月
医療機器


 S-Cube(堺市)を拠点として、ディープテックや地域資源活用型のスタートアップも育成されています。

注目スタートアップ(南大阪)

社名
地域
事業内容
エム・ティ・スリー
堺市
放射線治療関連の創薬
オーガイホールディングス
堺市
移動型歯科スキャン車両の展開
S-Cube発スタートアップ群
堺市
インキュベーション発

 

和歌山エリア:拠点整備でエコシステム形成へ

 和歌山では、2025年3月にスタートアップ支援拠点「Key Site」が和歌山市内に開設されました。同拠点は、起業家・学生・企業をつなぐハブとして機能しています。金融機関や投資機関が関与し、資金・人材・ネットワークを一体的に提供する点が特徴です。

主な上場企業(和歌山)

社名
地域
上場市場
上場年月
事業内容
サイバーリンクス
和歌山市
東証スタンダード
2014年3月
流通クラウド
タカショー
海南市
東証スタンダード
1998年10月
ガーデニング製品
島精機製作所
和歌山市
東証プライム
1988年
ニット機械


主なスタートアップ(和歌山)

社名
地域
事業内容
glafit
和歌山市
電動モビリティ
Key Site発スタートアップ群
和歌山市
拠点発ベンチャー


 セッションでは、「地域には産業・大学・支援拠点が揃い始めている」との認識が共有されました。南大阪ではS-Cube、和歌山ではKey Siteといった拠点を軸に、スタートアップ創出の循環が形成されつつあります。

 松本氏は「地域内でエコシステムが回ることが重要です」と総括しました。南大阪・和歌山エリアは、既存産業とスタートアップが交差する新たな成長局面に入りつつある。地域密着の強みを生かしながら、どこまで新産業を創出できるのか、今後の展開が注目されます。


※「THE INDEPENDENTS」2026年4月号 P.4 より
※ イベント開催時点での情報です