■ 「勉強のやり方」を教える新しい教育モデル
当社は2024年に創業された教育スタートアップであり、「勉強はやり方がすべて」という思想のもと、勉強法指導に特化した個別指導塾を展開しています。従来の学習塾が科目内容の解説を中心としてきたのに対し、同社は勉強の進め方や覚え方、計画の立て方といった学習プロセスを体系化し、サービスの中核に据えている点が特徴です。
創業の背景には、代表・吉村健吾氏の問題意識があります。企業で働く中で、自ら考え行動できる人材とそうでない人材の差は学生時代の学び方にあると感じ、教育の在り方そのものを変える必要性を認識しました。自身も試行錯誤によって成績を伸ばした経験から、「やり方」を習得することが学習成果を左右するという考えに至っています。
当社のサービスでは、勉強法を動画コンテンツとして提供し、生徒はそれをもとに自ら学習を進めていきます。講師は解説を行うのではなく、進捗確認や声掛けを通じて学習を支援するコーチとして機能します。この仕組みにより、講師の能力に依存しない教育の標準化が実現され、短期間の研修でも一定水準のサービス提供が可能となります。
■ 成績向上と学習習慣を両立するサービス設計
成績向上と学習習慣の定着を一体で設計している点が強みです。授業では「1ページずつ100点を取る」ことを重視し、小さな成功体験を積み重ねることで自己効力感を高めていきます。このプロセスにより、生徒は受動的に教えられる状態から、自ら学習に取り組む状態へと変化します。その結果、成績アップ率は87.9%、約3割の生徒が学年1位を達成しています。特に入塾時に成績が中位以下の生徒が多い中で成果を出している点は特徴的であり、「勉強ができない理由はやり方にある」という仮説を裏付ける実績となりました。
■ FCモデルと成長戦略
事業は和歌山市内で複数教室を展開し、開校初期の教室では満席状態が続くなど、順調に拡大しています。講師1人あたり月商約70万円、営業利益約30万円という収益モデルを確立しており、低価格でありながら利益を確保できる構造です。この背景には、教室長を置かず、講師に高度な専門性を求めない運営による固定費の抑制があります。さらに、教育内容を動画化することで再現性を担保し、短期間での人材育成と教室展開が可能です。今後は教室展開を成長の軸とし、フランチャイズ化や副業人材の活用による拡大を視野に入れています。また、勉強法のノウハウを「検定」として外部提供する構想もあり、塾事業にとどまらない収益機会の創出を進める方針です。
資金面ではエンジェルラウンドを経てシードラウンドでの調達を進めており、将来的には全国展開と事業の多角化を進めた上で、2031年の東証グロース市場への上場を目指しています。

コメンテーターより![]() |
例えば教育方法といったものを法的に保護する場合、不正競争防止法上の「営業秘密」として保護することが考えられます。この場合に特に意識していただきたいことは、①保護する対象を特定すること、②その対象には㊙︎などと一見して秘密に管理されていることが分かるようにすること、及び、③その対象が持ち出された場合に把握できるようログ管理などを行うこと、となります。 弁護士法人内田・鮫島法律事務所 弁護士 永島 太郎 氏 |
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