■ 航空モビリティスタートアップ
当社は、垂直離着陸航空機(VTOL)や空飛ぶクルマの開発を進める航空モビリティスタートアップです。川崎重工業で電動車両の研究開発などに携わったエンジニア出身の森本高広氏が、2019年に兵庫県神戸市で創業しました。物流やインフラ点検、防災などの分野で空の移動を社会インフラとして活用することを目指しています。
■ 技術の強みと特徴
当社が開発するのは、主翼とプロペラを同時に傾ける「チルトウイング型VTOL機」です。ヘリコプターのような垂直離着陸と、飛行機のような高速巡航を両立できることが特徴で、滑走路を必要とせず山間部や離島などでも柔軟な運用が可能です。
また当社の機体はエンジン方式を採用することで、一般的な電動ドローンの課題である航続距離の短さを克服しています。航続距離は約1,000km、最高速度は約230km/hとされ、広域インフラ点検や警備・監視など長距離ミッションにも対応可能です。さらに運航コストはヘリコプターの約10分の1と見込まれており、既存の航空インフラを代替する新たな手段として期待されています。
■ 特許と技術基盤
チルトウイングVTOL機に関する独自の機体構造や動力システムの開発を進めています。可変ピッチプロペラやトランスミッションを組み合わせた構造設計により、エンジンのみで垂直離着陸を可能にする技術を強みとしています。これらの技術については特許出願を進めるなど、技術的優位性の確保にも取り組んでいます。
■ 今後の展開と資金調達
現在、試作機の開発と技術実証を進めており、今後数年でプロトタイプを完成させ、実証試験を経て量産化を目指しています。機体販売に加え、メンテナンスやライセンス供給など複数の収益モデルを構築する計画で、研究開発や生産体制の整備に向けた資金調達を進めています。産業用ドローン市場で競争力を確立し、その技術を基盤に次世代の航空モビリティ市場へ展開することで、航空機メーカーとしての成長を目指しています。

コメンテーターより![]() |
エンジン駆動のVTOL型ドローンの開発に取り組まれている会社です。垂直離着陸・ホバリングと長距離巡航を両立できる点に大きな可能性を感じます。実用化されれば、屋外施設の点検を遠隔地(例えば自社オフィス)から効率的に行うことが可能となり、現場負担の軽減や人手不足への対応にもつながります。社会課題の解決に資する有望な取組みとして、実用化に向けて着実に前進していただきたいと思います。VTOLによる空飛ぶクルマにも期待します。 弁護士法人内田・鮫島法律事務所 弁護士 高玉 峻介 氏 |
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