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「ディープテックへの社会的支援」

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【國本 行彦】
1960年8月21日生。
東京都立志村高校卒業。
1984年早稲田大学法学部卒業後、日本合同ファイナンス(現・JAFCO)入社。
2006年1月5日(株)インディペンデンツ(現(株)Kips)設立、代表取締役就任。
2015年11月9日 特定非営利活動法人インデペンデンツクラブ 代表理事就任(現理事)
2020年6月 (株)ラクス社外取締役就任

 K-NIC(Kawaki-NEDO Innovation Center)は、国内有数のディープテックスタートアップ支援拠点です。2019年3月にNEDO、川崎市、川崎市産業振興財団の3社連携でオープンし、研究開発施設が集積する川崎市で新技術開発のエコシステムを構築しています。
 全国の有望な技術シーズを持つベンチャーを支援対象とし、ベンチャー新規設立数は52社になります。新川崎には、KBIC本館・NANOBIC・AIRBICという3つのインキュベーションラボ施設があり、スタートアップ入居企業を中心に外部資金調達額210億円に成功しています。
 経済産業省のスタートアップ支援政策においても高度な機器・設備を持つインキュベーション施設の整備支援が主要施策の一つになっています。
ディープテックに対してはイノベーション促進の役割が期待されますが、同時に社会実装という大きな課題があります。
 内閣府ではSBIR(Small Business Innovation Research)制度によるファーストカスタマーの確保(政府調達・民生利用までの支援)を支援しています。
ディープテックは技術の確立と事業化に長い期間が必要なります。
 最近、昆虫食への拒絶反応が話題となりました。打ち上げに失敗しましたが国産ロケット「H3」には種子島へ多くの人が行きました。
公共セクターによる資金や人材等の支援と同時に、研究成果の定期的発信と一般社会の理解、つまり市場性を確認する事も重要だと思います。

※「THE INDEPENDENTS」2023年4月号 - p14より