スポーツ団体口コミサイトを収益化
スポーツ現場のアナログ業務をDX
スポーツチームが抱える月謝徴収や会員管理、出欠確認などアナログな業務を解消しようと、2021年に尾濱徹氏と岩田慎平氏によって、スポーツチーム・スクールDXのスポスル社が設立されました。尾濱氏はフルキャストで最年少支店長を経験し、その後複数社の経営に携わってきました。現在は、スポーツ団体向け管理アプリ「スポスルアプリ」を軸に、口コミサイト、スポーツメディア、スポーツ補償を組み合わせたサービスを展開しています。先行投資が続き赤字が続いていましたが、今年、単月黒字を達成し、収益化のステージに入りました。

口コミサイトが顧客獲得の入口
同社の特徴は、管理アプリを開発してから顧客を集めたのではなく、先にスポーツチーム・スクールの口コミサイトとスポーツメディアを立ち上げたことです。口コミサイトには約5,560チームが掲載され、スポーツメディアは月間100万PVを超えています。そこで接点を持ったスポーツ団体をアプリへ誘導できることが、新規顧客獲得の強みです。会員管理SaaSや決済サービスには競合がありますが、「集客」から「管理・決済・補償」までを一体で提供できる点に競争優位性があります。
決済と補償が収益を積み上げる
スポスルアプリは、会員管理、出欠、連絡、売上管理に加え、月謝や年会費、合宿費などの決済まで一元化できます。収益は1アカウント月額110円の利用料に加え、決済額の約3%を手数料として受け取る仕組みです。さらにスポーツ補償をセットで提供し、1アカウント月額60円の収益機会もあります。導入団体と会員数が増え、毎月の月謝などの取扱高が拡大するほど、継続収益が積み上がります。

単月黒字からIPOへ
有料団体数は第4期149団体から第5期272団体へ増え、年間決済取扱高は6億800万円から12億4,800万円へ倍増しました。アプリ売上も3,906万円から6,299万円へ伸びています。月次解約率は0.49%と低く、顧客定着も進んでいます。今後は学校部活動の地域移行を成長機会と捉え、自治体や地域クラブへ対象を広げるほか、機能性アパレルやスポーツ療育にも展開します。2030年2月期に売上14億9,500万円、営業利益3億2,000万円を計画し、IPOを目指しています。口コミサイトから始まった顧客接点を、管理、決済、補償へ収益化し、スポーツ団体の運営を支えるプラットフォームへの成長を目指します。

コメンテーターより

弁護士法人内田・鮫島法律事務所
弁護士 高玉 峻介 氏
学校の部活動が縮小する中、地域のクラブや習い事の役割が大きくなってきています。他方で、習い事の教室運営には、出欠連絡や月謝の管理など、いまだ手作業に頼る部分も少なくありません。習い事の需要が伸びれば、こうした事務を効率化したいという需要も増えていきます。スポスルの事業は、運営する側の課題に目を向けているものであり、需要の拡大と現場の課題が重なるところに、事業としての成長可能性を感じました。
※「The INDEPENDENTS」2026年10月号 - P.11 掲載
※ 冊子掲載時点での情報です
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