■ AI技術を農業分野へ展開

 当社は、AIを活用した農業サービス(農作業マッチング、AI収穫ロボット、農機具シェアリング)の開発を手掛けるスタートアップです。2026年2月、AI受託開発事業を展開するABC株式会社からスピンオフする形で設立されました。

 親会社のABC株式会社は、ソフトウェア開発やAI開発を主力事業としており、独自のAI自動開発技術を活用した受託開発で実績を積み重ねてきました。少人数でも効率的な開発を可能にする技術基盤を持ち、その技術力を農業分野へ展開するために誕生したのがアグリノード社です。

 ABC社の創業者で代表取締役の小田稀菜氏は、農業法人の運営にも関与しており、農業関係者との交流を通じて、高齢化や担い手不足といった現場の課題に接してきました。現在大喜章徳氏が取締役社長として「AIで農業を、稼げるビジネスに。」となるよう独自経営を進めています。

■ 農作業マッチングプラットフォーム「ハタスケ」

 

 

農作業マッチングプラットフォーム「ハタスケ」

 当社の事業の中核となるのは、農作業マッチングプラットフォーム「ハタスケ」です。農家や農業法人と作業受託者を結び付けるサービスで、いわば農業版タイミーともいえる仕組みです。農繁期だけ人手を確保したい農家と、農作業の仕事を探す人材をマッチングするだけでなく、AIによる栽培支援や補助金申請サポート、農業承継支援なども提供します。

■ AI収穫ロボット開発と農機具シェアリング

 

 

AI収穫ロボット

 もう一つの事業の柱はAI収穫ロボットです。独自の視覚言語行動モデル(VLA)を活用し、果実の熟度判定や病害検出、収穫作業の自動化に取り組んでいます。将来的にはRaaS(Robot as a Service)として提供し、農家が初期投資を抑えながら利用できるサービスを目指しています。また、農機具シェアリング事業では、離農者が保有する農機具や中古機械を有効活用し、新規就農者や農業法人が必要な時に利用できる環境づくりを進めています。

■ 農業向けサービスのプラットフォーム展開

 ハタスケを通じて構築した農家や農業法人との利用者基盤を活用しながら、AI収穫ロボットや農機具シェアリング事業へと展開していく考えです。AI開発企業として培った技術力と農業現場で得た知見を組み合わせながら、農業分野における新たなサービスの開発を進めていきます。



 

コメンテーターより

弁護士法人内田・鮫島法律事務所 弁護士 多良 翔理 氏

 

 アグリノード株式会社様が展開するサービスは、農業の担い手不足や高齢化という構造的課題に対し、AIとロボティクス、シェアリングを融合して解決を図る革新的なソリューションとして高く評価できます。特に、作業者、農機具、収穫ロボットを一体的につなぎ、現場データを蓄積・活用する構造は、農業の生産性向上に大きな意義を有します。今後は、AIモデルやロボット制御技術のうち、どこを権利化し、どこをノウハウとして蓄積するかという知財戦略も、競争優位を築くうえで重要になると考えます。技術の権利化とデータ活用の設計を両輪として進めることで、日本農業の未来を支える存在として成長されることを期待しております。

弁護士法人内田・鮫島法律事務所 弁護士 多良 翔理 氏

 

※「The INDEPENDENTS」2026年7月号 - P.9 掲載
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