<イベントレポート>
2026年6月5日 四国インデペンデンツ
@ E:N BASE(エンベース) https://en-base.pref.ehime.jp/
+ Zoom ウェビナー配信
(パネリスト) ㈱YES LOCAL取締役CFO 村上 雄二 氏 所在地 :愛媛県松山市湯渡町10-25 事業内容:日本の伝統的な工芸、農業、地域産業の現場を対象に、デジタルとリアルを組み合わせた事業の展開 https://yeslocal.jp/ |
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㈱マルク代表取締役社長 北野 順哉 氏 所在地 :愛媛県松山市吉藤3丁目4-6 事業内容:就労継続支援A型事業、放課後等デイサービス事業、就労移行支援事業、自立訓練(生活訓練)事業 など https://www.maruc-group.jp/ |
(モデレーター) インデペンデンツクラブ代表理事 松本 直人 氏 |
■ 特別セッション『愛媛から、事業拡大戦略について考える』
特別セッションでは、福祉と地域資源。一見異なる事業領域ですが、地方企業がどう成長し、事業を拡大していくのかという点で、共通する課題と可能性が語られました。
■「あるもの」をどう事業に変えるか
松本:地域の資源や課題を事業化されています。まず、その考え方を教えてください。
村上:YES LOCALは、『LOCALの価値を最大化する』を理念にしています。創業者の大藪崇が掲げる『日本の遺伝子を、前へ。』という考え方が原点です。大学時代の同級生だった大藪氏に誘われ、都市銀行を退職して愛媛へ戻りました。
地方には何もないという話をよく聞きますが、私たちは『ないものねだり』ではなく、『あるもの磨き』を大切にしています。その考え方から生まれたのが、今治タオル専門店「伊織」です。単なる小売店ではなく、産地ブランドを国内外へ発信する拠点として成長しました。
そのほか、柑橘ブランド「10FACTORY」、宇和島鯛めし、デザインミュージアムを筆頭に、愛媛の食文化や工芸を体験型コンテンツへ発展させるなど、事業領域を広げています。
■ 失敗や遠回りが新しい事業を生む
松本:起業家には成功談より失敗談の方が参考になることもあります。
村上:柑橘ジュースを販売した当初は、『みかんジュースで2,000円近いなんて高すぎる』と散々言われました。しかし、安売りでは地域産業は守れないという考えは変えませんでした。適正な価格で売ることが、生産者にも地域にも必要だと思っていたからです。今では愛媛の柑橘ブランドとして定着していますが、当初は市場から必ずしも歓迎されたわけではありませんでした。
■ TPM上場、そして再挑戦へ
松本:マルクは2019年3月に東京プロマーケット(TPM)へ上場を経験されています。
北野:地方の福祉会社がなぜ上場するのか。それに対する答えは会社を強くするためです。
ガバナンスや内部管理体制を整備し、社長個人に依存しない組織へ変えていく。その過程そのものに価値があったと思います。その後、2026年4月に、ステップアップ上場と新規事業への投資を考え、非公開化を選択しました。
上場廃止はゴールではありません。むしろ新しい挑戦のための経営判断です。現在は障害のある方の就労支援や自立支援を中心に事業を展開しています。そして再び上場も視野に入れながら、福祉を基盤にAI事業を育てています。
松本:上場も非公開化も、経営戦略の一つということですね。
村上:YES LOCALも伊織を中核に、タオル、柑橘、食、アートなどの事業をグループ化し、その成長戦略の中でIPOを位置付けています。数年前から持株会社を整備し、上場を見据えた体制づくりを進めています。
■ 地方企業だから描ける成長戦略
松本:今日のお話を伺うと、お二人とも地方だからこその戦い方をされています。
村上:地方だから特別という感覚はありません。ただ、目の前にある資源を徹底的に磨くことを続けてきただけです。私どもは伊織を中核としたタオル事業、柑橘、食、アート、観光など、それぞれの事業を有機的に結びつけ、新たな成長を目指しています。
北野:福祉も同じです。地域課題を解決しようとした結果、新しい事業が生まれてきました。環境の変化に合わせて挑戦を続けることが大切だと思います。
松本:地方企業が大企業の真似をする必要はありません。地域に根差した事業を磨き、時代の変化に合わせて挑戦を続けることが大切だと思います。そしてその成長段階に応じてIPOやM&Aを活用していくことも重要だと思います。
北野氏と村上氏のお話を伺い、地域経済を支えるのは、挑戦を続ける起業家の存在だと改めて感じました。
※「THE INDEPENDENTS」2026年7月号 P.6-7より
※ イベント開催時点での情報です
㈱YES LOCAL
㈱マルク
インデペンデンツクラブ