<起業家インタビュー>

■ 成長するホテル清掃事業に必要なマネジメントシステム

―日本の清掃文化は世界に誇れるサービス産業です。

 客室の清潔さは、レビューや稼働率、ブランド価値に直結します。インバウンドの増加やホテル供給の拡大を背景に、客室数は今後も確実に増えていく。私はホテル業界での実務経験や海外との取引を通じて、日本には世界に誇れるサービス品質や文化がある一方で、それを産業として横展開する仕組みが弱いと感じていました。

―ホテル清掃は長らくコストとして扱われ、労働集約型の低収益事業と見られています。

 私は2007年に商社として創業し、2013年に赤字のホテル清掃会社の事業再生を引き受けました。実際に引き受けてみると、清掃そのものよりも「人の配置」「教育」「品質のばらつき」が収益性を大きく左右していることがよく分かりました。そこで、清掃を作業ではなくマネジメント対象として捉え直しました。これが現在のビジネスモデルにつながっています。
キレイを実現する人材の育成

■   独自開発のタレントマネジメントシステム

 ―人材活用にITを積極的に活用しています。

 変動の激しい稼働率への対応が求められ、かつ価格競争の厳しいホテル清掃業界で生き残るためには、汎用的なタレントマネジメントシステムでは限界があると感じました。そこで独自のタレントマネジメントシステムを開発しました。高いクオリティを維持するために、誰がどのスキルを持ち、どの現場に適しているか、稼働率や客室数に応じて、いつ、どこに配置するかを一元管理し、採用から教育、配置、品質管理までをつなげています。

―正社員はマネジメント、現場は分業という設計も特徴的です。

 当社の正社員は、基本的に現場作業だけではなく。役割はマネジメントです。採用、教育、配置設計、品質管理、クライアント対応を担います。一方、実際の清掃業務はパート、業務委託、海外人材が中心です。この分業構造によって、拠点が増えても品質を保ちやすくなり、事業をスケールさせることができます。

―以前ミャンマーで日本語兼清掃技術学校を設立されました。

 清掃は工程産業なので、手順を守る力やチームで動く意識が重要です。ミャンマーを含むアジア人材は技能習得への意欲が高く、タレントマネジメントの仕組みと非常に相性が良い。結果として、現場の安定性が高まっています。

■ 清掃・衛生管理を軸にESG経営を展開

―ホテル清掃モデルは、医療・福祉にも展開できます。

 ホテル清掃で確立した標準化や衛生管理の考え方は、病院や介護施設にも応用できます。
現在はホテル、医療、福祉施設など約50拠点と取引があり、売上規模は約20億円です。業界が違っても、マネジメントの基本は共通しています。
清掃のプラットフォームアプリがESG清掃事業を拡大する

―ドローンを利用した外壁検査とCO₂排出量報告書調査サービスを開始します。

 外壁点検や鳥害対策など、人が行う必要のない業務は積極的に置き換えています。目的は人を減らすことではなく、人をより価値の高い業務に集中させることです。私たちのESG経営は、作業環境・地球環境・職場環境の最適化を進めることにあります。

■ グローバル展開とIPO戦略

―5年後には国内だけでなく海外展開も行い、150億円規模を目指しています。

 国内のホテル清掃を軸に、医療・福祉への展開、さらに海外での横展開を重ねていきます。重要なのは、拠点が増えても管理コストが線形に増えない構造を持っていることです。パートナーシップ制によって、全国展開も一気に進めていきます。
(HCA)ホスピタリティクリーンアライアンスとは

―米国にはすでに拠点を設け、日本型のアウトソーシングモデルを展開しています。

 米国では清掃が内製化され、人件費が固定費になっているケースが多い。そこに変動費モデルを導入できる余地があります。韓国を含むアジア圏でも、人材や教育、パートナー連携の基盤が整いつつあります。ホテル清掃という成長市場を軸に、モデルの再現性という点では、IPOを見据えた事業基盤は現実的な段階に来ています。
グローバルゲイツのビジネスモデル(6つの収益ポイント)グローバルゲイツの強み

interviewed by kips 2026.1.8




【株式会社グローバルゲイツ】
設 立:2007年5月21日
所在地:東京都中央区日本橋浜町三丁目16番7号 スプラウト日本橋浜町ビル6F
資本金:98,000千円
事業内容:セールス&マーケティング事業,ファシリティマネジメント事業,イノベーション事業
従業員:89名

株式会社グローバルゲイツ 代表取締役CEO 梅村真行 氏

 

【代表者略歴】

株式会社グローバルゲイツ
代表取締役CEO
梅村 真行 氏 Umemura Masayuki

 
生年月日::1964年12月8日
米国 NewYorkUniversity Hotel &Food Service administration修士課程卒
九州大学大学院 MBA卒
Yokohama Grand InterContinental Hotel にて開業準備に従事。
コンベンションセールス及びアジア・パシビック地区セールスマネージャーとして従事。
2007年、当社の創業者(当時41歳)として代表に就任。


※「THE INDEPENDENTS」2026年2月号 - P.6-7より