株式会社FUNDINNO 代表取締役COO 大浦 学 氏  

株式会社FUNDINNO (https://corp.fundinno.com/)
代表取締役COO
大浦 学 氏 Ooura Manabu


2011年明治大学商学部卒業。
2013年明治大学大学院グローバルビジネス研究科修了。
2015年に(株)日本クラウドキャピタル((株)FUNDINNO)を設立。
代表取締役COOに就任。
2020年情報経営イノベーション専門職大学客員講師就任。
 

インデペンデンツクラブ 代表理事 松本 直人 氏

 

 

インデペンデンツクラブ
代表理事
松本 直人 氏 Matsumoto Naoto

1980年3月23日生
大阪府立三国丘高校出身。神戸大学経済学部卒業
2002年フューチャーベンチャーキャピタル㈱入社
2016年1月同社代表取締役社長に就任
2022年7月㈱ABAKAM 設立、代表取締役就任(現任)
2023年3月㈱Kips 取締役就任
2024年9月インデペンデンツクラブ代表理事就任


VCと共創する資金調達の未来

■ VC業界の逆風を乗り越えて

松本:この度は上場おめでとうございます。FUNDINNOの上場は、個人的にも非常に感慨深いです。私が前職のVCにいた頃、実はFUNDINNOに投資をさせていただいた経緯があります。当時は株主数が増えることに対してVC業界全体に強い抵抗感があり、「FUNDINNOで調達しないでくれ」と言われるような時代でした。当時の逆風を知るだけに、今回の上場は本当に嬉しいニュースです。

大浦:VCとの関係は大きく変わりました。「FUNDINNO PLUS+」では、VCや法人投資家も参加可能です。VCからすればソーシングの選択肢が増えますし、企業側にとっても、昨今の厳しいバリュエーション環境下で、我々が多様な投資家を束ねて資金を集める力は魅力になります。結果として、VCと利害が一致し、連携するケースが増えています。

 

■ 事業の転換点となった「FUNDINNO PLUS+」

松本:上場に至るまでの過程で、事業の流れが大きく変わったターニングポイントはどこにあったのでしょうか。

大浦:最大のポイントは、法改正による規制緩和です。当初の株式投資型クラウドファンディングは「1社あたり年間1億円未満」という調達上限がありました。平均調達額が3,000〜4,000万円程度である一方、証券会社としての厳格な検査や資料作成などのコストは重く、収益性の確保が課題でした。しかし、法改正により1億円の規制が外れ、特定投資家を対象とした「FUNDINNO PLUS+」を開始できたことが決定的な成長要因となりました。

松本:「FUNDINNO PLUS+」の開始は2年ほど前でしたね。

大浦:それまでは売上6億円程度で赤字が続いていましたが、大型のファイナンス支援が可能になったことで、初めて黒字化を達成できました。これにより、シード期だけでなく、ミドル・レイターステージの数億〜数十億円規模の調達ニーズにも応えられるようになりました。

 

■ IPOの「3つの壁」をどう乗り越えたか

松本:上場には「予実管理」「内部管理体制」「バリュエーション」という3つの壁があると言われます。特に予実の達成と、今回のダウンラウンドでの上場判断についてお聞かせください。

大浦:予実に関しては、最終的には「意思と覚悟」です。我々もストレッチした目標を掲げていましたが、達成が見込めない時はリソースを全振りし、全員営業のような体制で数字を作りました。黒字化がマストな環境において、予実達成は最優先事項でした。バリュエーションに関しては、市場環境が厳しく、今回はダウンラウンドでの上場となりました。しかし、我々は「株主=ファン・仲間」を増やすことが事業成長に繋がると考えています。短期的な株価よりも、上場によって得られる信用力やガバナンス強化、そして仲間を増やすメリットを優先し、上場を決断しました。

 

■ 今後の成長戦略

松本:上場企業としての環境を今後どのように活かしていきますか。

大浦:第一に信用力の向上です。金融機関として、上場企業であることは行政や社会からの信頼に直結します。第二に、市場からの資金調達力を活かしたM&Aです。現在は既存事業の成長に注力していますが、今後はPLを取り込むだけでなく、必要な資産や機能を獲得するための機動的なM&Aも選択肢に入ってきます。

インデペンデンツ新春交流会 特別対談にて 株式会社FUNDINNO 大浦氏とインデペンデンツクラブ代表理事 松本氏

interviewed by kips 2026.1.9

※「THE INDEPENDENTS」2026年2月号 P.5より
※ 冊子掲載時点での情報です