<イベントレポート>

2025年9月2日 東京インデペンデンツ
@ Tokyo Innovation Base (TiB)
+ Zoom ウェビナー配信

■ イベント詳細 https://www.independents.jp/event/772

 

<特別セッション>

(パネリスト)
学校法人西大和学園
西大和学園中学校・高等学校
アントレプレナーシップ教育推進主任
冨髙 雄介 氏 ※オンライン登壇
  本気ファクトリー株式会社
代表
畠山 和也 氏
  (モデレーター)
インデペンデンツクラブ
代表理事
松本 直人 氏
学校法人西大和学園 西大和学園中学校・高等学校 アントレプレナーシップ教育推進主任 冨髙 雄介 氏   本気ファクトリー株式会社 代表 畠山 和也 氏   インデペンデンツクラブ 代表理事 松本 直人 氏

■ アントレプレナーシップ教育「Action Innovation Program(AIP)」

松本:本日は「教育と起業家育成」をテーマに議論を深めます。まず冨髙先生、西大和学園での取り組みを改めてご紹介いただけますか。

冨髙:本校は進学校として東大・京大などに多数の合格者を出していますが、私たちが見据えているのはその先にある「世界」での活躍です。
西大和学園のご紹介

 その核がアントレプレナーシップ教育「Action Innovation Program(AIP)」です。正規授業として立ち上げ、生徒が自分の志を定め、事業推進スキルを学び、マイプロジェクトや企業・自治体とのPBLに挑戦します
アントレプレナーシップ教育「Action Innovation Program(AIP)」概要

畠山:私も関わっていますが、半年で生徒たちの言葉が「こうしたい」という願望から「こうできた」という実績に変わっていく。経験に裏打ちされた言葉の強さには毎回驚かされます。

冨髙:実際の成果も多彩です。小児がん患者支援のNPO法人を設立した生徒、左利き用の筆を開発して商品化を目指す生徒、2500名を動員した地方創生イベントを企画した生徒…。さらにネパールやルワンダで現地の社会起業家と課題解決に挑む海外プログラムも実施しています。

 ■ 校内基金「SUPER STUDENTS PROJECT(SSP)」

松本:まさに「教室を飛び出して社会と繋がる」活動ですね。ただ、実行には資金が不可欠です。

冨髙:そうなんです。プロジェクトを進めるには試作品やイベント費用が必要ですが、資金を集めるのに時間を取られ、探究が停滞してしまうことがありました。そこで設立したのが 校内基金「SUPER STUDENTS PROJECT(SSP)」 です。この基金はインデペンデンツクラブ会員企業や卒業生からの寄付によって成り立ち、生徒は校内ピッチで自分の活動を発表。厳正な審査を経て採択されると活動資金が支給されます。資金調達にかかる時間を大幅に削減し、挑戦そのものに集中できる仕組みです。
校内基金「SUPER STUDENTS PROJECT(SSP)」(西大和学園ファンドプロジェクト)とは

畠山:これは私が掲げる「若者が未来に希望をもてる社会」と直結します。私は「起業を自動車教習所のようにする」ことをビジョンにしています。安心して失敗し、何度でも挑戦できる場があれば、若者は大胆に動ける。SSPはまさにその土台になっています。

冨髙:基金があることで生徒たちはスピード感をもって動けるようになりました。例えば、オストメイト向けのパウチカバーを奈良の伝統産業「蚊帳織」と組み合わせて商品化を目指すプロジェクト。クラウドファンディングを計画する前に、SSPの支援で試作品を作り、外部イベントで発表することができました。こうした「小さな実行と検証」を早い段階で経験できるのは大きいです。

松本:インデペンデンツクラブとしても、この仕組みに寄付を通じて関われるのは非常に意義深いことです。寄付者の支援が、生徒の挑戦を現実の事業や社会的インパクトに変える。これは教育投資であると同時に、未来への投資でもあります。

畠山:生徒の挑戦は本物です。地域と連携したイベントで数千人を動員したり、海外の社会起業家と協働したり、高校生とは思えないほどの規模感です。大人顔負けのプロジェクトを実現できている背景には、挑戦を支える大人たちの存在があります。その意味で、インデペンデンツの寄付は「未来を共につくる仲間」として大きな役割を果たしています。

冨髙:アントレプレナーシップとは「変化を機会と捉え、リスクを恐れず挑戦する力」。それを中高生のうちから育むことは日本の未来に不可欠です。SSPは単なる資金援助ではなく、生徒に「社会から応援されている」という実感を与えます。それがさらなる挑戦意欲に繋がるのです。

松本:今後はこの仕組みを西大和学園だけでなく全国へ広げたいですね。

冨髙:はい。私立・公立を問わず多くの学校が「学校×お金」という課題を抱えています。SSPモデルはその解決策となり得る。西大和学園の取り組みを全国に広げ、未来を担う若者の挑戦を支えていきたいと思います。そのためにも、引き続きインデペンデンツの皆様をはじめ、多くの方々からのご支援・ご寄付を心よりお願い申し上げます。

東京インデペンデンツ2025/9/2特別セッションの様子写真(左から):松本氏、畠山氏 (※スライド内左上:冨高氏)


■ ご案内

「SuperStudentsProject (SSP)」事業へのご寄付をいただける場合は、
寄付申込フォームに「SuperStudentsProject (SSP)」のために寄付する旨をご記載ください。
【寄付お申込み】 https://indep.club/donation#flow



※「THE INDEPENDENTS」2025年10月号 P.6-7 より
※ イベント開催時点での情報です