日本発「バックグラウンド認証®」技術を次世代「世界標準」へ
株式会社AnchorZ
代表取締役 徳山 真旭 氏
■ IDやパスワードの要らない「バックグラウンド認証®︎」技術
AnchorZが掲げる認証技術の基本理念は「あなた自身が鍵になる」というものです。本技術は、スマートフォンに内蔵された顔認証、声紋、GPS、Wi-Fi、ジャイロ、加速度、イベント情報など7〜8種類のセンサー情報をリアルタイムに統合解析し、ユーザーが使用中も継続的に本人確認を行います。最大の特徴は、すべての処理がスマートフォン内で完結するサーバーレス認証であり、プライバシーの保護と高いセキュリティを両立しつつ、パスワード等の煩雑な操作からユーザーを解放する点にあります。
■ 知財戦略と海外展開
すでに日本・米国・中国などで42件以上の特許を取得しており、その技術は世界最高峰のバイオメトリクス学会IEEE IJCB2023において、日本の民間企業として唯一、論文が採択されました。さらに、技術革新のための官民連携プロジェクトとの連携を模索中であり、英国の半導体大手Arm社ともAIパートナー契約を締結し、チップ組込みを視野に入れたグローバル展開を進めています。
今後は、ライセンス収益モデルから、デジタル決済手数料を中心とする収益構造に移行する予定です。「バックグラウンド認証®︎」は無料提供とし、スマートフォンの半導体チップに標準搭載することで、世界規模の電子決済プラットフォーム『DZ IAP®︎』の実現を目指しています。
■ 事業沿革とエクイティストーリー
当社は2009年4月に設立され、当初はITシステムの構築・保守を中心に事業を展開していました。2019年以降は、スマートフォンとAIを活用した次世代本人認証技術の研究開発を本格的に開始し、エンジェル投資家を中心とする増資を重ね、世界初の継続認証技術『バックグラウンド認証®︎』を開発しました。2023年にはPoC(概念実証)やSDKライセンス提供を進め、ATMやコンビニ端末などへの組込み実証も開始。現在はシリーズAラウンドとして10億円規模の資金調達を計画中です。今後3年以内に、ソフトウェア・ハードウェア・オンライン決済収益を加え、年間売上200億円を見込み、IPOも視野に入れています。
コメンテーターより![]() |
15年以上かけて開発してきた「DZ Security」がすでに国内の金融系、ECサイト系で導入が進んでいることを見ると貴社の技術が完成されていることが確認できます。 株式会社AGSコンサルティング 顧問 小原 靖明 氏 |