過酷な環境で稼働するソーラーパネルロボットの進化
株式会社未来機械
代表取締役社長 三宅 徹 氏
■ テクノロジーでロボットを当たり前の存在にする
株式会社未来機械は、「テクノロジーでロボットを当たり前の存在にし、人々を苦役から解放する」ことをミッションに、2004年に香川県高松市で設立された、香川大学発のロボット・メカトロニクス製品開発ベンチャーです。最先端のロボティクス技術を駆使し、過酷な屋外環境でも稼働可能な自律走行型ソーラーパネル清掃ロボットをはじめ、建設や畜産分野でも革新的なソリューションを提供しています。
■ ソーラーパネル清掃ロボット事業
現在、当社の主力事業であるソーラーパネル清掃ロボットは、パネル形状に合わせて自律走行し、水を使わずに清掃を行う世界初のロボットです。2019年にはドバイの400MW太陽光発電所に61台が導入され、外気温50℃、パネル表面80℃という過酷な環境下でも、4年以上・累計5000時間を超える実稼働を達成しています。このロボットは、初期モデルから「Type Z」シリーズへと進化し、制御性能と運用効率を大幅に向上。今後は、国内外における太陽光発電の拡大に対応し、さらなるモデル開発と導入拡大を図っていきます。
■ ロボット創造事業
ソーラーロボットで培った技術を応用し、建設現場向けの墨出しロボットや、畜産分野向けの体重測定AIカメラロボットなど、さまざまな業界への水平展開を実現しています。当社の強みである「MiRAiプラットフォーム」は、ロボット制御・AI・IoT・電子回路・機構設計に精通したエンジニア陣によって、開発から量産までを一貫して実施可能です。これにより、小ロットから大規模生産まで、柔軟に対応できる体制を構築しています。現在は、オープンイノベーションを通じたロボットの社会実装を目指し、各業界をリードする企業との共同開発を積極的に進めています。
コメンテーターより![]() |
未来機械社が開発するソーラーパネル清掃ロボットは、高温・多塵という厳しい環境下でも稼働する高信頼性と、実用的な機動性を兼ね備えた技術として注目に値します。水を使わず自律走行するという特長は、メンテナンス性と環境配慮の両立という現代的ニーズに的確に応えるものです。また、共通制御基盤を活かしたロボット創造事業により、さまざまな産業領域へ横展開できる構造を築かれており、そのスケーラビリティの高さに感銘を受けました。今後も知財の確実な保護と契約管理の強化を通じて、ロボティクスの実装を社会へ広げていかれることを期待しています。 弁護士法人 内田・鮫島法律事務所 弁護士 多良 翔理 氏 |
※「The INDEPENDENTS」2025年7月号 - P.10 掲載