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「超聴診器で大動脈弁狭窄症の早期発見と遠隔医療の進化をめざす」

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【小川 晋平 氏 略歴】
生年月日:1982年9月15日
出身高校:熊本県立熊本高等学校
熊本大学医学部卒業後、2009年富良野協会病院初期研修医、2011年熊本大学病院循環器内科など循環器内科医として勤務。2015年AMI株式会社を設立し、代表取締役CEOに就任。

【AMI(株)】
【設 立】2015年11月2日
【所在地】鹿児島県鹿児島市東千石町2-13 302号(熊本、東京、京都、神戸)
【資本金】10,000千円
【株 主】経営陣、VC、事業会社
【役 員】 (代)小川晋平、神尾翼、齊藤旬平、松浦晃久 (監)木下太郎
【事業内容】医療機器の開発・遠隔医療サービスの提供
【売上高】N.A
【従業員】34名

超聴診器で大動脈弁狭窄症の
早期発見と遠隔医療の進化をめざす


■突然死を減らす医療機器の開発を目指す

 私は現役の循環器内科の医師です。突然死につながる大動脈弁狭窄症の患者は国内にはおよそ100万人、心不全患者も120万人ほどいるとされています。これらの疾患には共通点が2つあります。予後が悪いことと、治療の選択肢が増えたことです。そこで、早期発見がとても重要になります。心疾患の診断には聴診や身体診察、実施できない病院もある心臓超音波検査、特殊な血液検査を組み合わせる必要があり、時間も費用もかかります。そこで当社は、これらの心疾患の早期発見をアシストする「超聴診器※」の開発を行い、より短時間、非侵襲、簡易にスクリーニングできる社会を目指します。
 創業以来、NEDOや第三者割当増資により研究開発費を調達し、全国各地の大学病院や医療機関(15施設以上)と臨床研究を行ってきており、今後も継続していきます。 




■高度技術を取り入れ、自社内でデータベース構築も実施

 当社はハードウェアとソフトウェアの開発を進めています。心電と心音を同時計測し、人の耳では聞こえない(非可聴周波数帯)心音まで含めて解析し、大動脈弁狭窄症の可能性やその重症度を予測するための独自の深層学習モデルを開発しています。これまでに12,000の心音と、各種検査結果や心臓の特徴など150項目以上の医療データが紐づいたデータベースを2021年12月に完成させました。また、研究開発型ベンチャーとして知財戦略にも力を入れており、特許は、国内6件取得、米国1件取得しています。

■超聴診器の社会実装により、遠隔医療の発展に寄与

 2016年熊本地震発生の際、ドクターカーで現地入りしたものの、高度な医療機器が使えず、診察に難渋した経験があります。正確性に欠けていた遠隔聴診のクオリティを上げるために、心音を可視化して目と耳で確認するシステムを考案しました。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)、脈拍数の情報も加味した「遠隔聴診対応ビデオチャットシステム」を開発し、遠隔聴診の臨床応用を進めています。
 近い将来、超聴診器だけでなく様々なメディカルデバイスを連携させることで、さらに質の高い遠隔医療を実現します。私たちは、必要な時にいつでもどこでも専門医とつながれる「クラウド総合病院構想」を具現化させていきます。まずは協業・供共創するパートナー企業を増やします。

※医薬品医療機器等法未承認のため、販売、授与できません。

※2022年6月号掲載時点での情報です