アイキャッチ

「「北海道での起業、そして上場へ」」

公開


株式会社北の達人コーポレーション
代表取締役 木下 勝寿 氏

1968年神戸市生まれ。関西大学卒業後、㈱リクルートに入社。その後独立し、2000年には北海道特産品のインターネット販売を開始する。2年後に拠点を北海道へ移し、2007年には規格外の食品販売サイトを新設。「ワケありグルメ」ブームの先駆けとして多数のメディアに取り上げられる。2009年㈱北の達人コーポレーションに社名変更。健康美容の分野へ本格参入し、以降、「実感主義」をテーマに北海道の素材を活かした自社商品の開発に力を入れる。

【バックナンバー】

2008年12月~*最新号もこちら

【イベント一覧】

全国年45回の事業計画発表会他

【入会案内】

月刊誌購読、イベント参加etc.

【マイページ登録】

メルマガ購読、電子書籍閲覧etc.


当社は2012年5月に札証アンビシャス市場に上場し、現在は東証ニ部及び札証本則に上場しています(※2015年11月24日東証一部に指定替えされました)。「世の中をカイテキにするヒット商品を生み出す」を事業コンセプトにネット通販事業を展開しており、前期(2015年2月期)は売上高1,940百万円、営業利益459百万円で、社員数70名の少数精鋭集団です。「北の快適工房」というオリジナルブランドで「粉末オリゴ糖食品“カイテキオリゴ”」「みんなの肌潤糖」「ホエイ配合洗顔剤“二十年ほいっぷ”」というニッチ分野で全国売上高トップの商品が収益の柱になっています。ビジョンは「日本を代表する企業を創る」。“二十年ほいっぷ”は台湾を中心にアジアでも人気沸騰中で、眠れる大地北海道をテーマとしたグローバルマーケティングを行っています。

神戸出身の私は縁もゆかりもない北海道で起業しました。なぜ北海道だったのか?いつかは起業したいと思いながら大学卒業後一旦にリクルートへ入社。その後独立するが事業に失敗し、再起を図る再起業にあたり、日本中のどこでやるべきかを検討した結果、「圧倒的な特産品、原料の数」「アジアのスイスと言われるほど世界で通用する景観」「まじめで正直な道民気質」「地価の安さ」という「北海道の力」に目をつけ2000年に起業しました。当初は大変苦労しましたが、開拓使時代から続く「移住者を受け入れて共に助け合う」という北海道民気質に救われました。2006年にはVCから資金調達を実行、翌年から黒字にもなりました。

当社の事業戦略は3つあります。

① 絶対に伸びるビジネスモデルの採用

当社は「定期購入制度」での販売が中心であり、これにより長期的に安定した売上を確保しています。定期購入制度を中心とするために「必ずリピートしたくなる高い品質」「月に一個の消費サイクルになる」という条件の商品を開発しています。

② 後だしジャンケン

「広告のビジュアル」「各広告媒体の集客力」「各広告媒体のユーザーの質」を徹底的なテストマーケティングで見極め、「どこの広告媒体にどういう原稿で広告を出すと最も投資対効果が高いか」を判断して広告投資を行います。これにより、無駄な広告投資を減らすことで一般的な通販会社に比べて広告宣伝費が抑えられ、結果的に経常利益率は同業他社の約7倍になります。

③ 演歌の戦略(ブームに乗らない)

テレビやマスコミで何度も取り上げられた事がありましが、コンセプト勝負のネットビジネスはすぐに真似され価格競争になってしまいます。「商品は品質勝負でなければならない。オンリーワンでなければならない」を信条にブームに乗るのではなく、地味なオリゴ糖やポリオフェールなどのベーシックな商品で本当に気に入った人を対象としたビジネスに絞っています。演歌のファンはどの地域にも一定の割合で根強いファンがいます。これを私たちは「演歌の戦略」と呼んでいます。

以上が私たちの今まで歩んできた道ですが、これからは「ネットショップビジネス」から「ブランドビジネス」へと新たなる第二章ステージへ進んでいきます。私たちは「北の快適工房」「オーダーコスメジャパン」を世界でも通用するブランドに育て上げ日本を代表する1社になっていきます。「世の中をカイテキにするもの」「GDPがあがること(=他社の真似ではなくオリジナルな価値創造)」を新規事業の条件に、東証一部上場、年商100億円企業へと目指していきます。(※講演後、2015年11月24日東証一部に指定替えされました。)

* 2015年10月30日 北海道インデペンデンツクラブ@札幌証券取引所にて