THE INDEPENDENTS

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株式会社塚原牧場 代表取締役 塚原 昇 氏

Profile

1966年 茨城県生まれ
1989年 千葉大学法経学部卒業
1989年 日本合同ファイナンス(株)入社
1993年 (有)アクト21入社
2002年 (有)塚原牧場設立

農業におけるブランド戦略

―幻の豚“梅山豚(メイシャントン)”

塚原:梅山豚はもともとは日中友好の証としてパンダに続いて中国からプレゼントされた品種です。世界一たくさんの赤ちゃんを産み、人間が食べない水草や山野草などの粗食に耐える品種であるため「21世紀を救う豚」として注目されています。しかし交配がとても難しくほどんどの農家で飼育に失敗してしまいました。今は中国が絶滅危惧品種となる可能性が高いと輸出を抑えたため、日本には農水省と弊社含め100頭前後しかいない希少種です。

―人と同じものを食べるか“安全な豚”

塚原:梅山豚は飼料にも特徴があります。麦かす・芋など、茨城周辺の食品工場から出る食品副産物を弊社独自に配合した飼料を食 べて育っています。もともとは人間が食べられる基準で作られる物なので、栄養価も高く、安全性も非常に高いのです。また、茨城ならではの副産物を組み込むことで「その地域らしさ」も付加されます。

―地産地消で“環境にやさしい豚”

塚原:山奥ではなく、ここ茨城で畜産を営んでいるのには意味があります。そもそも都市周辺の食品工場は欠品を起こさないようすこし余分に商品を作っています。結果、その余剰分は1日に何トンにもなるのです。従来廃棄物として処理されていたそれらを、畜産飼料として再生するのが弊社の「食品資源リサイクルフロー」です。この仕組みを使って効率的に餌を調達し、高い安全性を実現しています。食品メーカー側からしても、産業廃棄物として処分するコストを削減でき、環境貢献にもつながります。

―“幻(まぼろし)感”というブランディング戦略

塚原:「いつもはない、どこにもはない」をコンセプトに、一エリア一業態一店舗という方針で販路を展開、見せない戦略を採っています。例えば、今週は伊勢丹〜店に2頭、来週は三越〜店に2頭など、いつでもあるわけではない目玉商品として販売を分散しています。梅山豚は一頭約10万円で取引させていただいています。普通の豚は一頭約3万円なので、市場価格の3倍以上です。この値段で取引ができるのは、売る相手や場所を吟味し、高くてもその価値を認めて買いたいと言ってくれるファンを対象としてきたからです。高級レストランや一流百貨店、個人会員を中心にご愛顧いただいており、インターネットでの販売もしません。ネットはつまみ食いが多く、ファンになりづらいと考えています。当社では「まぼろし感」や「プレミア感」を打ち出し、ブランド価値が低下しないような販路で展開しています。

―参入障壁を築く商標権戦略

塚原:平成14年に「塚原牧場の梅山豚」として商標権を取得しました。美藤さん(社外取締役)からのアドバイスでまずブランド事務所と契約しました。次に、「梅山豚」の商標申請をしましたが、品種名では商標を取る事ができませんでした。特許事務所の方に相談したところ、「塚原牧場の梅山豚」という商標なら取得できることがわかりました。商標マークはブランド事務所にデザインを依頼しました。それが梅山豚と一目で認識できるものである必要があったからです。「弊社の商標マーク=梅山豚」と認知されれば、他で梅山豚を扱おうとする農家にとって参入障壁になります。始めこそ疑問はありましたが、商標を知的財産と捉えることは意味があったと思います。結果、「塚原牧場の梅山豚」としてブランド化していく実感を強く感じています。

―ベンチャーキャピタルで学んだ経営者視点

塚原:もともと父親が豚の飼育から全国加工販売の会社を営んでいました。その姿を見て私も自分で商売がしたいと思い、就職活動は社長と面談する機会の多い企業を探しました。卒業後は日本合同ファイナンス(現JAFCO)に入社、投資部に配属されました。興味のあった流通分野の企業を中心に外交していましたね。マーケティングから経営者の想い、決断の仕方などすごく参考になりました。5年目になって自分でなにか始めたいと思い退社しました。父親の会社を継ぐつもりはありませんでしたので、その子会社(株)ACT21をスピンアウトさせて社長の職に就きました。現在は(株)ACT21のミート事業部門は「(株)塚原牧場」として会社化し、(株)ACT21はリサイクル飼料事業部門として分離しています。

※続きは「THE INDEPENDENTS」創刊号 - p4 にてご覧いただけます。

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