「THE INDEPENDENTS CLUB」新年交流会 ベンチャーキャピタリスト対談レポート
―Exit(投資の回収)
國本:昨年の新規公開会社(IPO)数は19社とこの25年間で最低であった。IPO市場が再び活況になる可能性もあるとは思うが、今後の投資戦略についてどのように考えているか?
尾崎:時代が大きな転換期を迎えている中、腹を据えて自ら柔軟に変身していかないと生き残れない。投資の視点も、従来の日本や米国市場だけを見て投資するスタイルから、現在は中国での販売実績やアジア市場の展開力を重視して投資先企業を評価するように変わってきている。IPO社数は今年から回復はするだろう。起業家やVCが大企業に会社売却した後にIPOするケースなど、これまでにない多様なExitストーリーが多くなる。上場会社の非上場化(Going Private)により企業グループを再構築し、再上場を狙うと言った投資案件も増えていく。IPO以外の回収ケースが増加する。
―Portfolio(投資先の状況)
國本:最近の投資状況や投資対象業種や企業については変化しているか?
奥原:ES(アーリーステージ)が70%で最も多く、最近は製造業が増えIT関連は減ってきている。特定の業種に偏らないよう、常にバランスを考えている。携帯や不動産関連がブームの時期には投資しなかった。今は良い企業が適正な株価で取得できる最大の投資チャンス。昨年12月の投資件数と金額は過去最高であった。投資金額は初回30~50百万円で、追加も含めると50~100百万円が平均。
―Commitment(投資先の支援活動)
國本:投資先へのフォローはどういう人が、どのように行うのか?
志村:3ヶ月に一度の訪問で投資先の業況を聞いているだけでは何の役にも立たない。投資先の役員に就任して、経営陣と同じ目線を持ち、一緒にリスクを低減させていく。この仕事が好きな人でないと勤まらないし投資先の業界に精通していることが当たり前の時代になっている。
―Fund Raise(ファンドの資金調達)
國本:VC産業にとって大きな課題である投資資金の確保については?
尾崎:出資者のリスク選好度に合わせて、ベンチャー投資、バイアウト(企業買収)、セカンダリー(ファンド買取)の3タイプのファンドを運営している。出資者は651名(社)。ハイネットワースなどの個人も重要だがやはり機関投資家、特に年金をターゲットにしたい。世界の一流ファンドの利回り(IRR)は40%。ファンド募集にいつだって楽な時期はない。
―これからのVC業界について
奥原:厳しいと言われるが、当社の投資先1/3は、今年は過去最高の売上と利益を出す。努力と方向性さえ正しければいくらでも伸びる余地がある。
志村:自分にも投資先に対してもやり続ける覚悟を持って行動すること、それがVC業界にとって必要である。
尾崎:一人でもいい起業家を発掘してサクセスストーリーを作ることに貢献し、VC投資としての成功事例をたくさん創ることが重要である。
全文は「THE INDEPENDENTS 2010年1月号」p3-4 でご覧になれます。
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