株式会社TOKYO AIM取引所 さん
TOKYO AIM 上場申請第一号 記者会見レポート(2011.6.10)
■ フィリップ証券株式会社 代表取締役社長 下山均氏より
当グループはシンガポールに本社を置き、香港、アメリカ、イギリス、マレーシア、インドネシア、タイ、オーストラリア、中国、そして日本の世界10カ国・従業員3,500名で展開、世界各国の株式、債券、投資信託、FX、CFDを取り扱っている。9年前に成瀬証券がフィリップ証券から資本参加を受け、今年4月1日現在の商号へ変更した。日本法人は現在130名体制。
本日付で、7社目のJ-Nomadに選定された。これは、アジアを代表する証券会社としてのネットワークが評価されたものと信じている。今後も将来性のある日本企業を上場させ、TOKYO AIMおよび日本の他市場を盛り上げていきたいと考えている。
そして、本日付でメビオファーム社を、TOKYO AIMに上場申請させていただいた。上場案件第一号にふさわしい成長性、グローバル性があると考える。今回のIPOで調達する資金が、抗がん剤開発に貢献することを願っている。
■ メビオファーム株式会社 代表取締役 藤澤忠司氏より
当社は2002年7月15日に、東京大学医科学研究所のがん専門の外科医である江里口氏、柳衛氏、および帝京大学薬学部教授である丸山氏、そして私の4名で創業した。
日本の研究ラボで創り上げた技術をもとに、世界で医薬品開発を進めている。現在アメリカの民間最大級の病院で第二相の臨床試験を進めている。胃がん、上部消化器がんが適応症。また、大腸がんに効く薬の開発を新しく計画している。
日本発の技術・研究テーマを基に、アメリカで臨床試験をおこなうことは、当社の経営理念において2つの目的がある。1つは最速な形で世の中に医薬品を出していくということ、もう1つは価値を最大化するということ。価値の最大化とは、がんにおいて適応症を広げていくこと。このような理念・目的に基づき、どのような行動が一番なのかを日々模索した結果、技術開発を日本、臨床試験をアメリカ、そして世界展開、という結論になった。
アジア、欧州などへの事業展開を考えたとき、TOKYO AIMは非常に魅力的な市場だと感じた。以前ロンドンAIMへの上場も検討したことがある。AIM市場は非常に柔軟性、国際性がある。そんな折、アジア各国で展開するフィリップ証券の下山社長とお会いすることができた。バイオベンチャーは簡単に事業が進む業態ではないが、これらの出会いは新しい事業機会をつかむ非常によいきっかけだった。
今後自社だけでなく、外部のリソースも徹底的に活用していく必要がある。海外企業との事業提携を進めていく中で、TOKYO AIMやフィリップ証券の力添えは非常に有難く感じている。AIM上場というステップをもとに、さらに事業を進めていきたい。
●質疑応答
―TOKYO AIMはプロ投資家を相手にしているが、実際はどういった方が株主になるのか。
下山:来週月曜日からロードショーが始まる。シンガポールでは主にバイオ関係のファンドなど主に中長期の保有をいただける投資家にアプローチしていく。われわれグループのアジアを中心としたネットワークが価値を持てると確信している。日本でも機関投資家や高額所得層の方々を中心に販売していく予定。
―国内と海外では、海外投資家への販売比率の方が大きくなっていくのか?
下山:それは、来週に募集開始してからで、現段階ではわからない。あらかじめ何%海外に販売していくというものは決めてはいない。
―ロードショーは何件くらい回る予定なのか?
下山:現在のところ、海外投資家7、8社回る予定。
―TOKYO AIMに上場することの具体的メリットは?
藤澤:メビオファーム社は医薬品を開発しており、世の中に届けるまでには、動物試験、第1相・第2相・第3相からなるヒトでの試験(臨床試験)を経てようやく承認申請するというプロセスとなる。第1相は安全性の確認、第2相は至適用の決定、第3相は効果確認である。がんの場合は特殊で、第1相からがん患者に対して行うので、第2相までのデータで承認申請も可能ではある。ただ、薬を世の中に出すために、当社は販売網を持っていない。さらに最速に価値を最大化するためには、材料メーカー含め、国際的なネットワーク、パートナーが必要になる。その意味では、TOKYO AIMは国際的な感覚を持っており、市場自体も柔軟でスピーディー。これについては2年前(TOKYO AIM開設時)から魅力に感じていた。フィリップ証券のアジアでのネットワークも重要。この2つの国際感覚に非常に魅力を感じ、当市場を選ばせてもらった。
―国内外の他市場と比べて、TOKYO AIMがなぜ最適だったのか?
藤澤:2002年創業時から、医薬品を世の中に出していくために、ひとつのステップとして上場を当初から想定していた。というのも資金の必要性から。これまで名だたる投資家の皆様にサポートして頂いている。昨年8月には中国の製薬企業からも出資頂いている。そういった事を踏まえ、われわれはひとつのステップとして上場を経て、さらにそれを飛躍の材料にしたいと考えた。そのときに、TOKYO AIMは非常に規則体系などにおいて自由度が高いと思えた。それと上場へのアプローチが非常に迅速であること。さらに海外投資家へのアクセスが容易であるということ。これは、われわれのような医薬品開発会社にとっては、(垣根が低くグローバルで動くため)まったくフィットする市場だと感じた。以上の理由より、既存市場よりもTOKYO AIM市場を選択した次第である。
―上場実績がない市場へ不安はなかったのか?
藤澤:ないといえば嘘になる。今年3月に出会って今日に至っている。明日で震災3ヶ月になるが、こういう時期だからこそ、TOKYO AIMおよびフィリップ証券とともに、日本から世界、日本からアジアへ向かってビジネスをしていきたいと思った。一方で、われわれは上場したことも含めて、第一号ということの責任も感じているし、今後も挑戦していきたいという気持ちが強くある。
―他のJ-Nomadを選ばなかったのは?
藤澤:今まで日本のJ-Nomadともやり取りをさせて頂いてきた。今後の医薬品開発においてアメリカの一極集中体制から、アジアへ大きくシフトしてきていると感じる。そういう意味から、アジアの主要市場において非常に豊富な経験を有しているフィリップ証券が最適だと感じた。
―外部メーカーと提携し、上市されるまで大体どれくらいの期間が必要か?
藤澤:これは先ほど話したように、試験成績によって、臨床試験の第2相でチャレンジしたいと思っている。第3相試験をおこなう場合と少しずれるのだが、今事業計画上では2014年に市場に出すことを目指している。
―今回調達する資金は、申請までのお金と捉えればよいのか(資金用途は?)
藤澤:医薬品の開発には多額の資金が必要。そのために、複数の資金調達を考えている。医薬品開発する上での事業モデルは、まず特許をきちんと固め、その権利を供与していく。製造権・開発権・販売権を、製薬会社などの事業パートナーへ供与して資金をいただくこともできる。これも噛み合わせながら、最適な資金調達、資本政策を組んでいきたいと思っている。今回の調達資金もただ多ければいいとは思っていない。
―フェーズ2(B)が終わるくらいの期間までの資金?
そのとおり。それとさらに他の適応症も進めて、きちんと評価されたいと思っている。
―3月に出会い準備を進めてきたということは、AIM上場は2ヶ月くらいで可能ということか?
藤澤:わたしどもから申し上げることは適切ではないと思うが、既存の市場に上がれるだけの体制は整えてきた。それも評価されたのではないか。ゼロから始めた場合はまた違った期間がかかっていたように思う。書類および会社の体制、規約など色々なものを形にする必要があると思うのだが、それを鋭意整えていた。


