株式会社セブンアクト 代表取締役社長 トーマス 理恵 氏
スクール事業の顧客満足度 No.1 戦略
―1996年にNOVAが上場したのをきっかけに英会話スクールが一挙に普及しましたね
グループレッスン、前払いチケット制という画期的方法と、「駅前留学」という広告宣伝は、英会話市場の急成長につながったようです。
―一方でなかなか英会話が上達しないという消費者の不満の声も聞かれるようになりました
いわゆる「英会話難民」が増えてしまったのです。満足の行くスクールを探し求めて、あちこちの教室に通う人がたくさんいました。テキスト通りに話す授業が中心では、日常英会話は一向に上達しません。先生が頻繁に変わるので自己紹介だけは上手になりますが(笑)。
―そこで顧客満足度を追求、マンツーマン方式の英会話スクールを始めたのですね
私自身、留学から帰国して、英会話教室の体験レッスンを受けてみて強く不満を感じていたし、グループレッスンでは自分に合ったカリキュラムが組めません。少し上達すると入れるクラスもありません。そこで本気で勉強するにはマンツーマンレッスンしかない、しかしどこにもない。ならば自分たちで作ろうと。それが起業のきっかけです。
―しかしマンツーマンレッスンは、グループレッスンに比べてどうしても授業料は高くなってしまいます
そこでカフェスタイルのレッスンを編み出しました。教室代を下げるためにレッスンはCaféや自宅、オフィスで行い、授業料も生徒が講師に直接手渡しする形にすれば、振込事務管理費も削減できると考えたのです。当社の収益は入会金と月会費だけで、レッスン料(1回3,000円)は講師へ都度払いです。講師は登録制ですので固定費も下がります。徹底的に生徒寄りの価格設定を心掛けました。
―前例がないサービスでしたが、価格はどのように設定されましたか?
当時、主婦が自由に使えるお金の上限が、ランチ一回分3,000円と言われていました。一般的な英会話講師のバイト料は1,500円?1,800円ぐらいだったので、3,000円であれば講師のヤル気も引き出せるだろうと考えました。
―市場を創造するパイオニアの価格戦略は、高く設定する利益重視型と、採算ギリギリで市場シェアを優先する方法がありますが
当社サービスの潜在的市場はかなりあると思いました。従来型教室はチケット300枚一括購入すればレッスン単価4,000円ぐらいになる方式でした。そこで当社は月会費を2,100円と低く設定、入会時のイニシャルでも63,000円に押さえました。市場成長無しでは利益を出すのは難しかったのかもしれません。
―講師の質が事業成長に大きく影響すると思いますが
講師はネイティブで、教務経験有無が採用の必須条件です。学生は採用しません。話すのと教えるのではスキルがかなり違います。他のスクールからの応募者も多いのですが、テキスト通りに教えるだけの人はダメです。外でのレッスンは目が届かない分、面接にはかなり気を遣っています。
―講師側の評判はどうでしたか?
生徒が毎回レッスン料を支払うので講師のモチベーションもアップします。反応もダイレクトに伝わります。教え方が悪いと自分の生徒が減ってしまうので、自ら質を高めていこうという意識が高まるのです。
―生徒数は順調に確保できましたか?
生徒はネットが流行り始めていた頃だったので、口コミでどんどん広がりました。それより講師確保が追いつきませんでした。最初の頃は、外国人が集まるバーに出かけたり、他の英会話教室前で張り込みしたり(笑)、大変でした。
―最近はカフェスタイルも増えましたが、他社と比べた強みを教えてください
2000年創業以来、生徒には自宅学習の大切さを伝えていますが、それでもスキルが伸びない人はいました。そこで2002年に自宅学習をサポートするための仕組みを提供することにしました。生徒は当社で電話によるレベルチェックを受けていただきます。これはアメリカの大使館の採用試験でも使われているシステムで、機械的にチェックすることにより、人が行なう場合に発生する主観的、直感的な認識を排除することができ、正確に英語力を測ることができます。現状のレベルを把握することで、各人のレベルにあったカリキュラム(勉強方法)を作成します。生徒は自分に合ったカリキュラムに添って学習し、講師とのレッスンでその成果を確かめるようにします。つまり、家庭での学習は練習であり、講師とのレッスンは試合なのです。結果を残すスポーツ選手は試合時間の何倍も練習するのと同じなのです。ただ、一生懸命練習しても壁にぶつかったり、悩んだりすることがあります。そこで当社のカウンセラーがコーチの役割を果たすのです。当社の「コンプリートコース」はこうして出来上がりました。
―今後の展開について教えて下さい
法人向け英会話レッスン事業と子供向けスクールの強化です。子供向けはいい立地や人材が見つかれば大きく投資していきたい。不動産を保有する事業法人との提携も積極的に考えていきたい。今は、子供のコミュニケーション力が低下してきています。自分の気持ちが伝えられない、読み取れないことが原因で、いじめ問題が起きています。これらを解決するために、コミュニケーション力というのは絶対必要ですし、問題解決能力も磨く必要があります。発想力も重要。将来子供たちが困らないようにしてあげたい。
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―推薦者のコメント(株式会社セブンアクト 取締役副社長 矢野 雅彦さん)
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