THE INDEPENDENTS

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【特別連載】 企業目標達成のポイント

株式会社チェンジマスターズ
代表取締役 法貴 礼子氏
広島市出身。広島市のベンチャー企業の経営企画室で株式上場準備を4年間担当。経営計画立案や予実管理を実務として行う。その企業は4年間で年商が18倍に成長。2003年に静岡市へ移住。営業職を通じて数多くの中小企業経営者と接する中で、経営計画を立案・活用できていない企業が大半であることを知る。2005年2月に、企業成長の核となる経営計画立案サポートの専門会社「チェンジマスターズ」を設立。「会社を良くしたい」という熱い想いを形にするお手伝いに全力投球しています。

第7回 経営計画について考える(最終回)

最終回は、株式公開を目指す会社の経営計画活用例をご紹介します。

B社は、年商3億円の無線応用技術メーカー。もともと社長が前職で培った技術をもとに20年ほど前に独立したベンチャー企業です。約20名いる社員も非常にまじめな方が多く、技術力とともに納期への対応などの誠実性も買われて、東証1部上場企業へのOEM供給なども行って成長軌道にある企業です。そのような中、ベンチャーキャピタルZ社から打診され、今までまったく検討したこともなかった株式公開について考えるようになり、3,000万円の出資を受ける事になりました。当社がB社にお会いしたのはZ社からの紹介です。Z社からすると出資はしたものの、確実なIPOのために今後企業サイドで精度の高い目標管理ができるようにさせたいというニーズがありました。株式公開業務の経験者とVC経営者が両方いることなどから、多忙なZ社に代わってB社のフォローの依頼がありました。一方、B社は今回の出資に際し、初めて事業計画を作ったとのこと。社長の言葉を借りれば「鉛筆舐め舐め」のバラ色の計画を作っていたのでした。B社にとっても株式公開という未知の世界に飛び込むにあたり、相談相手となる専門家がほしいというニーズもあり、当社がお手伝いをする運びになりました。
もともとZ社に提出されていた計画は、作り方を知らずにフォームに数字を入れただけの計画でした。ですから、中期5ヵ年の事業計画をヒアリングしながら、より具体的な計画をもう一度立案するところからスタートしました。ポイントとなったのは、①投資家にも分かりやすい計画②具体的な計画③行動計画の伴った計画 の3点でした。

①については、特に売上分類の切り口が従来の計画は自社目線になっており「見せる計画」ということを意識して切り口を変えてみました。
②については、ヒアリングの中で社長が明確に答えられない点を洗い出し、具体的な活動に落とし込めるものは採用、そうでないものは代替案もしくは削除していくという作業を一点一点行い、より具体的な計画に修正していきました。
③については、そもそも数値と理念だけの計画だったため、この数値を実施していく上で行うべき活動は何か時系列で洗い出し、最終的に全社員と共有しました。

事業計画達成には、より細かな目盛で目標管理をすることが必要であることを理解したB社では、単年度計画も続いて作成しました。単年度計画については、ボトムアップが望ましいことを伝え、社長(営業担当)、ハード・ソフト製造、管理部のトップを巻き込んでの作成になりました。これまでの目標管理というと、引合のあった案件ごとに製造工程を打合せしたり原価予測をするという程度でしたので、将来の受注計画に向けて製造計画を作るのは、彼らにとっても初めての経験でした。製造部門からの意見も取り入れながら作ると、現体制での課題や改善点、より効率化するための方法など、社長だけでは浮かばなかったアイデアも多数織り込む事ができました。何より大きかったのが、目標設定を通じて、全員で一丸となって取り組んでいくために各部署でやるべきことのコミットメントができた点です。

単年度計画を作った翌月から、予実の確認の訪問が始まりました。計画通りに進んでいないことも多く、毎度のようにできなかった言い訳になりがちでした。もともと、B社の会議は目標がないところで行われていたため、いつも過去を振り返るばかりの報告会議だったようです。回数を重ねるうちに、会議が報告の場から、いかにできるようにするかのアイデア出しの場にシフトするようになってきました。また、これまでほとんど意識しなかった数字を意識した活動ができるようになってきました。同時に目標に近づくようになり、業績も伴って上がってきました。

関与し始めて3年半が経ちました。不況の関係で多少業績が低迷していますが、株式公開という大きな目標に向けて躍進中です。

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