THE INDEPENDENTS

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【連載】IPOアラカルト

出原 敏氏(元野村證券株式会社 公開引受部)

第三回 IPOと経営者の年齢

青春-いくつになっても眩いばかりの言葉ですが、陰陽五行説では大地から若葉が芽生え次第に成長していく様を表していると言われています。季節でいえば春を表し、人生では十歳代後半から三十歳代前半まで、方角では朝日のさす東で星座(守護獣)は青龍となります。

次は朱夏となります。真っ赤な太陽のもと生物が盛んに活動している様を表します。

季節では夏、人生では三十歳代後半から五十歳代前半、そして方角では南で星座は朱雀です。

次は白秋となり、大地に実が熟れて収穫の時を迎えます。季節では秋、人生では五十歳代後半から六十歳代前半、方角では西で星座は白虎です。

そして、玄冬は静かに次の時代に備えて力を蓄える時期。季節では冬、人生では六十歳代後半以降、方角では北で星座は玄武(亀と蛇)となります。

私は長い間、IPOに係わる業務を経験してきましたが、IPOのタイミングと経営者の年齢について考えることがありました。

経営者のおかれた立場によって異なるとは思いますが、たとえば創業者オーナーの場合について言えば、かってのITブームの頃は、いかに早くIPOできたかを競う風潮があり、三十歳未満でのIPOが大きな話題となったものです。しかし、小学生がいきなり社会人になったようなものであり、経験不足の中、IPO後の社会との付き合いの中で大変な努力を余儀なくされたと思います。

このような場合、自分を補うものとして年上の経験者を取り込み、アドバイザーとして有効に使っている企業は比較的うまくいっているように思えました。青春期にある経営者のIPOはいかに良い先輩アドバイザーと出合い、そして彼らをうまく使いこなすことが成功への鍵のように思います。

私は個人的には、IPOは人生朱夏の時代が最もいいのではないかと思っています。それも後半の黄夏(四十歳代後半から五十歳代前半)といわれる時期です。

人生の中で経験を積み重ねし、またいわゆるサラリーマン経営者と違った、会社経営に一から携わってきた自信から来る経営判断が可能となってくる時期と思われるからです。

加えて経営者としてはまだ若く、事業拡大あるいは新規事業へ挑戦する気力を失っていないからです。

白秋の時代は、経営者としては人生の中では最もバランスのとれた油の乗った時期ではありますが、一方では、経営トップとして社会的な仕事が次第に多くなり、またいささか健康にも気に使う頃となり、加えて後継者をも考慮すべき時期に差し掛かるなど、事業以外にも考えることが多くなってくるものです。

IPOには経営者の年齢制限はありませんが、IPOをより効果的にするには経営陣の年齢が結構関係するように思えます。

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