THE INDEPENDENTS

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【コラム】ベンチャー最前線 第7回

会議をすすめるカウフマン・フェローズ・プログラムのフィル・ウィッカム代表

 

 

日本のベンチャーのプレゼンに聞き入る来日したベンチャーキャピタリストら

ベンチャーキャピタリスト養成で知られる
カウフマン・フェローズ・プログラムで日本が活動開始

9月末、海外のベンチャーキャピタリストが40人ほど東京・丸の内に集まった。古くからベンチャー投資にかかわるある大学教授は「これだけの人数のキャピタリストが一挙に訪日したのはおそらく初めて」と話していたが、確かにその通りだ。米国のベンチャーキャピタリスト養成組織「カウフマン・フェローズ・プログラム」(KFP、フィル・ウィッカム代表)のジャパンサミットである。

KFPは、世界の若手ベンチャーキャピタリストから、次世代のリーダーを“英才教育”することを目的とした教育プログラム。今回はその卒業生らが来日したのである。毎年20~30人を選抜し、2年間のプログラムで教育する。2~3カ月に1度、1週間程度のミーティングがあり、著名なベンチャーキャピタリストや大学教授、弁護士、起業家らから、最先端の内容を学ぶ。相互に交流を深め、投資案件に共同で取り組むこともあるという。

起業家教育で知られるカウフマン財団からスピンアウトする形で発足しており、これまで13年間継続し、18カ国140のベンチャーキャピタルファンドから約500人が学んだという。その中には、ユーチューブやアップルなどに投資したセコイアキャピタルや、グーグルやアマゾンなどに投資したクライナーパーキンスなどの有力ベンチャーキャピタルが含まれる。卒業生たちが創出したビジネスの規模は約400億ドルに達するという。

規模が拡大したKFPは今後、世界規模で2カ月に1回のペースで、情報交換のためのネットワークイベントを開催するという。「ジャパンサミット」はその第一弾という位置づけでもある。今回は、日本の企業や大学関係者、ベンチャー企業経営者などと情報交換するのが主な目的だった。

IT(情報技術)やヘルスケア分野のベンチャーが20社ほどプレゼンした中で、各国から集まったキャピタリストらが最も盛り上がったのは、筑波大学の山海嘉之教授率いるサイバーダインのロボットスーツの実演が実施された時だった。我先に立ち上がり、携帯電話やデジタルカメラで撮影していた。ある女性キャピタリストは「知らなかった。日本らしいテクノロジーで、投資の魅力もありますね」と話していた。

KFPでは、日本人ではこれまで、三菱商事の中村幸一郎氏(ウェブやモバイルの新事業を開発する、イノベーションキッチン取締役でもある)と、フィンテックグローバルキャピタルの竹田悟朗氏の2人が学んだ。中村氏は「今回限りの活動にするつもりはない。ネットワークを広げていきたい」と意気込んでいた。

KFP全体でも日本を重視してくれているらしく、フィル・ウィッカム代表は1カ月後の10月28日には、ジェトロ主催のセミナーで、米国のクリーンテック投資についての講演を予定している。

おりしも、新たに着任した駐日米国大使のジョン・V・ルース氏は、米シリコンバレーの弁護士事務所ウイルソン・ソンシーニ・グッドリッチ&ロサーティ出身。ITやベンチャーについて造詣が深い。KFPジャパンサミットにも大使館からの出席者があった。

ベンチャー支援についてはこれまでも、米国に学ぶことは多かった。今回の金融危機後の米ベンチャーキャピタルの立ち直りぶりを見ると、外部環境も含めて、米国の強さを学び直すのもよいかも知れない。KFPには修士以上の学位を持ち、ベンチャーキャピタルでの実務経験が5年以内であれば、応募可能だという。競争率は30倍以上だというが、挑戦者が続々と現れることを期待したい。

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