【特別連載】 企業目標達成のポイント
| 株式会社チェンジマスターズ 代表取締役 法貴 礼子氏 |
| 広島市出身。広島市のベンチャー企業の経営企画室で株式上場準備を4年間担当。経営計画立案や予実管理を実務として行う。その企業は4年間で年商が18倍に成長。2003年に静岡市へ移住。営業職を通じて数多くの中小企業経営者と接する中で、経営計画を立案・活用できていない企業が大半であることを知る。2005年2月に、企業成長の核となる経営計画立案サポートの専門会社「チェンジマスターズ」を設立。「会社を良くしたい」という熱い想いを形にするお手伝いに全力投球しています。 |
第2回 経営計画について考える
企業の目的とは何でしょうか?それは、「存続し続けること」だと考えます。そのためには、経営計画を「守り」と「攻め」の2つのフェイズでとらえ、効率的かつ着実に実践するプロセスを検討し、利益と資金を作っていかなければなりません。
- 「守り」の経営計画
「守り」の経営計画とは、現在の事業で最大の効果を生み出すためには、どのように活動していけばよいのかを明確にするための計画です。自社の経営を客観的にとらえて、あらためて自社の強みや弱み、特徴や特性などに気付くことからスタートし、例えば強みをどのように伸ばすのか、そのためにやらなければならないことは何か、結果としてどれくらいの利益・収益を作ることができるのか、などを確認するために必要となります。つまり、「守り」の経営計画を知ることで、企業の理想の姿とのギャップを知ることができ、新たな取り組みの程度を知ることができるのです。
- 「攻め」の経営計画
どんな事業にもライフサイクルがあります。今は好調であっても、時代の変化とともに衰退期を迎えてしまうものです。ですから、企業は常に新たなことに取り組んでいく必要があります。スピードの速い時代変化に対応しながら、新しいことにチャレンジしていくための経営を「攻め」の経営と呼んでいます。
新しいことに参入していくには当然ながらリスクを伴います。だからこそ、事前に入念な計画を立てて、開発・投資にどれくらいの資金や期間が必要なのかを計算したり、事業自体が本当に市場から必要とされているものなのかを客観的に知るための市場調査を行ったり、どのように展開していくのか販売チャネルや販売方法や仕入・調達の方法を具体的に検討しシミュレーションする必要があります。このような計画なくして、新規事業の成功はあり得ませんし、当然ながら企業の成長もあり得ません。企業が迷いなく新規事業を成功させるための計画が「攻め」の経営計画です。取り組んでしまってから失敗した!というのでは、企業の存続自体を揺るがす結果にもなりかねません。
- 同業2社のその後・・・
私がIPOを目指す企業にいたころの、同じくIPOを検討していたA社・B社の事例をご紹介します。この2社は、当時非常に伸びている業界に属しており、その業界で1位2位を争うとても勢いのある2社でした。当時、2社の売上・経常利益、規模、社長の年齢はほとんど同じ。大きな違いと言えば、A社は中長期と単年度それぞれの綿密な計画を持っていて、新規事業も踏まえて現段階からどのように事業展開していくのかが明確になっているのに対して、B社は数か月先までの計画はあるものの、とにかく現在の事業を大きくすることに専念しているという点でした。
これら2社は、5年後どうなったのでしょうか?A社は計画通りの展開を行い、当時目指していた200億円の売上を達成することに成功しました。一方B社は、残念ながら倒産してしまいました。
この事例のように、将来のビジョンを明確にして、逆算思考で経営活動を検討すること、すなわち「守り」と「攻め」の経営計画が揃っていることが、企業が成長するための条件だと思うのです。