【連載】IPOアラカルト
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第一回 開業、廃業とIPO
わが国の企業数は1990年頃までは順調に増加して来ていたものが、1990年代以降次第に減少傾向に転じ、現在もその傾向に歯止めがかかりません。
ちょっと古くなりますが、2007年の中小企業白書によると、わが国の企業数は会社企業数でおよそ150万社、個人事業者数も含めるとおよそ500万事業者が存在するとされています。
わが国では1990年以降、企業の廃業率が開業率を上回る状況が続いているのです。
最近の開業率を見てみると、全般的な下降傾向の中ITブームの頃一度上向きに転じましたが、その後は再び悪化、しかしその後の景気回復期には一時増加に転じています。
景気拡大期には増加し、景気後退期には減少する傾向にあり、今年は再び開業率の大幅な低下が懸念されます。
業種別開業率(2001/3~2004/9平均)では情報・通信が6.4%で最も高く、次いで飲食・宿泊が6.1%、次いで金融・教育・医療・福祉が5,9%となっています。
一方、廃業率(同期間)では情報・通信が9.6%と最も高く、飲食・宿泊が8.6%、食料・衣料・身の回りが7.0%となっています。
情報・通信、飲食・宿泊業は比較的小資本での参入が容易である一方、世代交代による減少に加えて、厳しい競争から退出も余儀なくされている企業も結構多いことにも留意しなければならなりません。非常に新陳代謝の大きい業界ということになります。
他方、食料・衣料・身の回り品、農林水産、建設・建設資材、工業用資材業は廃業率が開業率を大きく上回っている業種となっています。
ほとんどの業種で廃業率が上回っている中、少子高齢化社会対応型の金融・教育・医療・福祉及び人材派遣の事業活動関連サービス業はほぼイーブンと健闘しています。
こうして見てみると、新規開業とIPOは密着に関係しており、時代を先取りする事業に敏感に反応し、事業化できた者にはPOの道が開けているといえます。
ちなみに、IPO市場では、新事業でもっていち早くIPOできた企業が、結果的にその後の事業の一段の拡大につながり、また業界を制する傾向にあります。
最近では資源、エネルギーあるいは環境関連事業が注目されており、今後IPO市場でもこれらの事業を営む、大企業とは一味違った特色のあるベンチャー企業の出現が待たれます。
ただし、最近では大企業がことさらに新規事業を虎視眈々と狙っていますので、大きな資本を要する事業では、ベンチャー企業が大きく成長するまでに、大企業の資本力と技術力で参入して来ることが考えられます。こういった場合、IPOを契機に一段の成長を期する一方、IPO後は会社を売却してしまう方法も選択肢の中に入れておくことが考えられます。
