【コラム】ベンチャー最前線 第3回
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インフィニティ・ベンチャーズ・サミットで、ソーシャル・アプリケーション開発を勧誘するため、熱弁をふるう笠原健治ミクシィ社長 |
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mixiの対応開始でSNS向けソーシャルアプリに脚光
ゲーム中心に続々参入へ
日本発で世界狙うベンチャー生むか
IT・モバイル系ベンチャーの世界で最近、「ソーシャル・アプリケーション」に注目が集まっている。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の上で動作するアプリケーションとして米国では普及しているが、日本でもSNS最大手の「mixi」がアプリ開発に必要な情報を公開して対応を開始したため商機が生まれた。iモード上で携帯関連ベンチャーが育ったように、新しいベンチャーを育む苗床になる可能性がある。
5月下旬、北海道札幌市で「インフィニティ・ベンチャーズ・サミット(IVS)2009Spring」(インフィニティ・ベンチャーズLLP主催)が開催された。IT関連ベンチャー企業経営者やベンチャーキャピタリストらが参加するこのイベントは、今後のIT・モバイルビジネスの行方を見通すイベントとして知られる。
今回最も盛り上がったテーマが実は、「mixi」のソーシャル・アプリケーションへの対応だった。(株)ミクシィ(マ:2121)の笠原健治社長と原田明典mixi事業本部長が、他社に開発してもらったソーシャル・アプリケーション「mixiアプリ」で大幅に業容を拡大する方針を説明した。
SNS上で展開するソーシャル・アプリケーションは、独自サイトで提供す一般のアプリと比べて、友人知人の口コミで急速に普及しやすいという特徴がある。収益をあげやすい素地があるわけだ。「mixiアプリ」で新たに生み出された広告や課金収入の配分は、開発した企業が80%に対してミクシィが20%。iPhone向けアプリについてアップルが30%を徴収しているのに比べると、開発者に手厚い。
笠原氏は「(ミクシィの社長でなければ)自分もこっそりアプリを作りたいくらい」と話し、参加したIT経営者らの笑いを誘いつつ、mixiアプリの開発を呼び掛けていた。
アプリケーション開発を促進するため、開発に取り組むベンチャー企業を資金面で支援する「mixiファンド」も設立した。第1号の出資先は子会社で大学生向けSNS「リンノ」の運営も手がけるコミュニティファクトリー(東京都渋谷区、松本龍祐社長)。
同社の第1弾アプリである「駐車戦争」は、自分の駐車スペースに友人が“違法”駐車しているのを発見した場合などにもらえるポイントを競うゲーム。友人がmixiを使っているかどうかが、これまで以上に気になるというソーシャル性を備える。松本社長は「ゲームにとどまらず、広告など多様なビジネスにつなげていく」と意気込んでいる。
mixiアプリは、米グーグルが提唱する「オープンソーシャル」という規格に準拠する。この規格は、米マイスペースなどの大手SNSが採用しており、mixiで成功して日本市場を押さえた上で、世界市場も十分に狙えるのである。ミクシィは6月、「mixiアプリ」の携帯電話版である「mixiアプリモバイル」もパートナー企業向けに公開したが、モバイルにおいては世界に先行することも可能だ。
実際、米国では、大手SNSの「フェースブック」上などでソーシャル・アプリケーションに特化したベンチャー企業が急成長している。ロックユーはその代表格。DCMなど米国の有力ベンチャーキャピタルが投資しており、昨年にはソフトバンクと提携し、日本やアジアで事業展開するロックユーアジアを設立した。
ソーシャル・アプリケーションという切り口は、世界市場で勝負できる日本発のベンチャーを生みだすかもしれない。
