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BCC株式会社

2021-12-23 公開

【伊藤 一彦 氏 略歴】
1998年大阪市立大学卒業後、日本電気(株)(NEC)入社。IT営業の経験を経て、ベンチャー企業に転職。2002年当社の前身となる営業創造(株)を設立し、代表取締役に就任。2012年スマイル・プラス(株)をグループに迎え、ヘルスケア分野に参入。2016年グループ全社を合併し、当社代表取締役社長に就任。2021年7月6日東京証券取引所マザーズ市場上場(7376)。

【BCC(株)】



<特別講演>

2021年10月8日 大阪イノベーションハブ


上場までの道のり

■創業3ヶ月目で倒産の危機

学生の頃より将来は起業家として独立したいと考えていました。そのためにも、大企業の仕組みを知っておくべきだと考え、日本電気(NEC)に新卒入社しました。NECでは3年、知人のベンチャーで1年働き、2002年3月にIT企業の営業サポートを行う営業創造(株)を創業、27歳の時です。アルバイト10名を採用しスタートしましたが、ここで最初の経営危機に陥ります。資本金10,000千円が枯渇しそうになっていたのです。2002年6月、創業して3ヶ月目のことでした。慌てて国民生活金融公庫へ相談に行きましたが、条件が一つ。連帯保証人をつけること。すぐ頭に浮かんだのは父親です。しかし、伊藤家の家訓第一条は「保証人になるな」。国庫の担当者にも一緒に説得してもらい、何とか10,000千円の融資を受けられましたが、起業家1年生の年は一番しんどい時期でした。

■リーマンショックで二度目の経営危機

2005年に大きな転機を迎えることになります。大阪市のビジネスプランコンテストで優勝したことを契機に初めてベンチャーキャピタル(VC)と出会い、出資の申し出をいただいたのです。2005年に50百万円、2007年に90百万円を計4社のVCに出資いただき、東京と名古屋に支店を開設、従業員は50名まで拡大しました。 上場準備も視野に入ってきた中、2009年リーマンショックによる世界不況が起こります。売上は激減し債務超過になるまで経営は悪化しました。役員報酬を返上するなど対策を講じましたが、リストラは必須の状況です。悩んだ結果、人員削減はせず給与一律10%削減を断行。「毎年着実に給与を上げていける会社にする」という約束を初めて破ってしまいました。それでも従業員から励ましの言葉をもらい、必ず上場して報いると決意したのを今も覚えています。 しかし危機というのは続くものです。今度はVCから株式の買い戻しを持ちかけられました。当然、私自身にも会社にも140百万円なんて資金はありません。何年かかっても返済するというこちらの申し出に対して、VCの担当者からは「買い戻せる株価で構いません。会社が存続していける方法を考えましょう。」と。出資なのだから返済義務はないと考える人もいるかもしれません。それでも、私は本気でお返しするつもりでした。VCには迷惑をかける結果になってしまいましたが、生き残る道筋は整いました。振り返って思うのは、誠実さと情報開示がいかに大切かということです。当時はただただ必死でしたが、従業員や株主等に対して詳らかに情報共有する姿勢があったからこそ、皆で乗り越えようという意識が生まれたのだと考えています。

■コンプライアンス上の問題発覚で三度目の危機

上場するためにはガバナンス・コンプライアンス・業績の3つが大事であると言われます。当社では2016年より上場準備に入り、あとは業績だけだと考えていました。しかし、2019年の証券会社による審査直前にコンプライアンス上の不備が発覚したのです。ゼロから徹底的に法令遵守の体制を構築することに努めました。2020年に改めて審査に臨みましたが、今度はコロナショックです。介護施設への訪問が難しくなりヘルスケア事業への影響が懸念されましたが、東京証券取引所より「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた対応方針」が出されており、一時的な業績悪化は勘案されて審査を通過することができました。年々厳しくなっていると聞く取引所審査も長年の準備経験が活きてスムーズに進められ、晴れて2021年6月1日にマザーズ市場への上場承認が下りました。

■上場までの道のり~大切にしていること

三度の危機に陥りながら何故わたしたちは上場することができたのか。それは、「諦めなかった」からの一言に尽きます。上場すると決めて以来、自宅に神棚を祀って「株式上場」と紙を貼り、毎朝欠かさず祈祷を続けてきました。10年間、出張中でも、です。諦めないために、決意を字に書き出すこと、口にすることが大事なのです。これだけ失敗を重ねた私たちでも上場できたのだから、起業家の方々は諦めず挑戦し続けてほしいですね。「かっこつけずに、品良く」。お世話になった方の言葉を最後に添えて、講演を終えたいと思います。本日はありがとうございました。

2021年7月6日東京証券取引所マザーズ市場上場(7376)
※「THE INDEPENDENTS」2021年11月号より
※冊子掲載時点での情報です

THE INDEPENDENTS 最新号


【2022年9月号】

(株)ジェクスヴァル
「リパーパシング手法で、難治・希少疾患向け創薬をめざす」


<事業計画発表会プレゼン企業>
 Co-Growth(株)(代表取締役 佐々木 文平 氏)
(株)KOKYU(代表取締役 堀 敦友 氏)
(株)エイ・オー・テクノロジーズ(代表取締役 井上 克己 氏)
(株)E3Mobility(代表取締役 高橋 良彰 氏)
(株)NEXT STAGE(代表取締役社長 小村 直克 氏)
L&Kメディカルアートクリエイターズ(株)(代表取締役 佐久間 研人 氏)
(株)WDC(代表取締役 上石 泰義 氏)
(株)Anamorphosis Networks(代表取締役 炭谷 翔悟 氏)
(株)DIIIG(代表取締役 秋國 寛 氏)
ジカンテクノ(株)(代表取締役 木下 貴博 氏)
(株)満寿屋商店(代表取締役 杉山 雅則 氏)
(株)土谷特殊農機具製作所(代表取締役 土谷 賢一 氏)

<知財インタビュー>
クモノスコーポレーション(株)
「3D空間計測技術で社会のインフラの維持・管理に貢献する」

<コラム>
ペンチャーコミュニティをめぐって
知的財産判例に学ぶ企業活動

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