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株式会社ジェクスヴァル

2021-08-26 公開

<話し手>
株式会社ジェクスヴァル
代表取締役 加藤 珠蘭氏
生年月日:N.A
出身高校:私立啓明学園(東京)
国際基督教大学卒業。東京工業大学博士課程修了(分子生物学)。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)ポストドクトラルフェロー、アシスタントリサーチャーを経て武田薬品工業に入社。がん創薬ユニット主任研究員、エクストラバリュー創薬ユニット主席研究員を経て(株)ジェクスヴァルを創業。AACR女性若手研究者賞受賞。


【株式会社ジェクスヴァル概要】
設 立 :2018年2月1日
所在地 :神奈川県藤沢市村岡東2-26-1 12-09
資本金 :10,000千円
従業員数:6名
事業内容:難治・希少疾患を対象とした医薬品の研究開発


<聞き手>
弁護士法人内田・鮫島法律事務所
弁護士 鮫島 正洋氏(右)
1963年1月8日生。神奈川県立横浜翠嵐高校卒業。
1985年3月東京工業大学金属工学科卒業。
1985年4月藤倉電線(株)(現・フジクラ)入社〜電線材料の開発等に従事。
1991年11月弁理士試験合格。1992年3月日本アイ・ビー・エム(株)〜知的財産マネジメントに従事。
1996年11月司法試験合格。1999年4月弁護士登録(51期)。
2004年7月内田・鮫島法律事務所開設〜現在に至る。

鮫島正洋の知財インタビュー

リパーパシングエンジンで希少疾患向け治療薬の早期開発


鮫島:貴社は、大手製薬企業からスピンアウトした創薬ベンチャーであり、前臨床研究の後期から、臨床段階まで進んだ新規開発候補化合物のドラッグリポジショニング(目的を変えて再開発すること)によって、短期間での上市達成をめざしています


加藤:希少疾患はおよそ7000種類あり、その内のわずか5%にしか薬が存在しません。当社は、現在、3つのメカニズムに取り組んでいます。GXV-001は、トリプルアクションを有する革新的な開発候補化合物で、治療薬がなくニーズの高い神経系の希少疾患で初期臨床開発を始めますが、自閉症や発達障害への適応拡大が期待できます。GXV-002は、肺高血圧症や、心筋症などの希少疾患を入り口に開発を目指しています。既存薬にはない、リモデリング抑制効果と機能改善効果の両方があるので、心不全など、より幅広い患者層で顕著な延命効果を発揮するものと期待しています。基盤研究では、重症性歯周炎などの骨疾患で、世界初の骨破壊抑制効果を有すると期待されるGXV-003があります(自社特許出願中)。希少疾患を入り口に、将来はさらに広い患者さんにお薬をお届けしたいと考えています。

 

鮫島:既にヒトで安全性と有効性が確認された化合物を戦略的に選択し、治療薬のスピーディな研究開発に注力されています。


加藤:どの製薬会社にも、戦略の転換など、会社の様々な事情で、創薬開発が止まった、良質な「クスリの原石」がたくさん眠っています。ある程度磨き上がった質の高い開発候補化合物の中から、独自の「リパーパシングエンジン」による目利きで、新規化合物の隠れたポテンシャルを発掘し、ライセンス導入して臨床開発を進めています。こうしたリポジショニング*のアプローチは、薬効や安全性の試験をクリアしたところから始めるので、ゼロから始める研究開発に比べて、時間(1/3)とコスト(1/7)を大幅に圧縮することができるうえ、開発の成功確率も高いと言われています。

鮫島:創薬ベンチャーでは、特許ポートフォリオの善し悪しがバリュエーションに効きます。それなりに早い段階で特許調査をかけることは、開発コストや開発にかける時間を無駄にしない意味でも望ましいです。昔は英語と日本語で特許調査をかければ良かったのですが、今や先行研究や論文の6-7割は「中国語」で出ているといっても過言ではありません。


加藤:Freedom to Operate調査の費用や時期、共同研究など共創の枠組みでの知財の申請、権利の調整はとても重要です。今回、先生にお話を伺って、中国語でのチェックの必要性をあらためて認識しました。幸い当社のCSOは中国語が母国語です。製薬企業OBのアドバイザー達にも支えられ、グローバルチームで取り組んでいます。

鮫島:海外パートナー探しについて戦略をお持ちだと思います。PCT(特許協力条約)各国の特許庁に案件を係属させる期間にかかる30ケ月問題など、注意すべきポイントがあります。


加藤:当社は、特許による保護に加えて、希少疾病用医薬品指定を取り、臨床POC取得後、大手製薬企業などにライセンスアウトすることで、契約一時金やロイヤルティによる早期の収益確保をめざしています。パートナーや提携先企業の得意な疾患分野や市場との関係性から、特許戦略を考えています。希少疾患向けの医薬品開発に取り組む企業を導出対象としながらも、その先にある大きな市場にも目を向けています。相手の企業が、どの国で特許を押さえているか、また直近で買収、導入した案件の特許はどの国を対象としているかなど検討して、PCT出願先を選定しています。

鮫島:今回の化合物の開発成功に続いて、他の化合物についても上手く回せるようになったら、企業のバリュエーションがさらに上がります。また、パイプライン開発だけでなく、その過程に関して他社に対するコンサルティング活動もできますといったビジネスモデルを構築できると広がりをもったビジネスとして投資家に認識されると思います。


加藤:今あるパイプラインで成果を出すと同時に、頂戴した事業拡大の戦略、是非、強化して参りたいと思います。

鮫島:企業を離れベンチャーでスピンオフした人こそ、本物の経験が得られるのものだと常々思っています。

加藤:いち研究者として大企業に入社しましたが、期せずして、ベンチャーを創業することになり、新しい難題に挑戦する毎日です。企業側が従業員のアイデアを持ち寄れる場を提供し、従業員もアイデアを出す。経営層も従業員も、双方がより上のレベルをめざし、いろいろなアプローチで挑戦することが大切と思います。患者様とご家族の皆様に、一日も早くお薬を届けられるよう、メンバーとともに、挑み続けます。

鮫島:大企業からのスピンアウトベンチャーというのは、今まさに、時流にのっている動きです。スピンアウトしたとき、元の製薬会社からライセンスが適切に取れているかがとても重要です。確約を受けないまま、飛びだしたケースが多々みられ、後に大きな問題になっており、特に注意が必要です。


*対談後のコメント

鮫島:市場規模が足りない、事業方針と合わない、といった理由で事業化されない技術ネタが大企業にはたくさん眠っている。これをアセットとして捉えて事業化し、日本の競争力に変えていく動きがスピンアウトベンチャーであり、今年度以降、一つのトレンドになっていく。同社はそのトレンドの最先端を走っているという位置づけの企業で、今後、多くの企業からベンチマークされる存在であると感じた。


加藤:お薬は、様々な専門を持ったものすごく多くの人の手を経て始めて製品となります。最大限の応援とともに送り出してくれたスピンアウト元、いまだに全速力で応援してくれる昔の仲間達、一緒にリスクをとって下さったインベスター。そして今は、有り難いことに、新しく仲間に加わりたいという方がちらほら。臨床開発のため、豪州に子会社も立ち上がりました。いよいよです。

*リパーパシングエンジンとは、外部連携を効率活用したエクスターナルイノベーションモデルで、系統立てて新たにデータを取る実験的アプローチと、臨床のリアルワールドデータ解析を含むコンピュータ解析とを統合して、戦略的に化合物の隠れたポテンシャルを発掘する独自の「目利き」の手法。



(2021.7.2 文責:大東理香)
―「THE INDEPENDENTS」2021年8月号 P16-17より
※冊子掲載時点での情報です

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<知財インタビュー>
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