(株)コークッキング
2021-05-11 公開
起業家インタビュー「フードロスに特化したシェアリングサービスで サステイナブルな未来を」
株式会社コークッキング
代表取締役 川越 一磨 氏
1991年6月24日 出身高校:暁星高校
2014年 慶應義塾大学総合政策学部卒業。大学在学中に和食料理店で料理人修行をし、卒業後は㈱サッポロ
ライオンで飲食店の店舗運営の経験を積む。退職後、
大学時代にまちづくり研究をしていたときに関係のあった山梨県富士吉田移住。コミュニティカフェやこども食堂の立ち上げを行い、2015年12月㈱コークッキングを創業。
【株式会社コークッキング】
設 立 :2015年12月1日
資本金 :175,500千円
所在地 :東京都港区南麻布3-3-1
事業内容:食品ロス削減のためのフードシェアリングプラットフォーム事業
業 績 :売上高 19,930千円
従業員数:10名
URL :
■売れ残り商品をレスキュー
閉店間際など、まだおいしく安全に食べられるのに廃棄の危機に面している食品(食事)を、加盟店が割引価格で出品し、登録利用者が購入するフードシェアリングサービス「TABETE」事業を展開しています。加盟店は初期費用、導入費用、ランニングコスト0円で余ってしまった食品(食事)を、1品から販売できます。2018年は4月にリリースし、2021年3月時点でユーザー数35.1万人、店舗数1,470店に登録いただき、約80,000食・約37トンのフードロス削減できました。
■国連が「フードロス」に注目
2015年9月の国連サミットでフードロスが取り上げられた当時、当社は山梨県で、食を切り口とした、現在の事業につながる活動を始めていました。私は飲食業界での経験が長く、毎日食べ物を捨てる側の人間でした。まだ食べられるものを捨てずに活かしたいという気持ちを強く持っていました。この問題を、「慈善活動」ではなく、「ビジネスモデルを作ること」で、サステイナブルな食の未来を切り拓きたいと考えていました。幸い当社の取り組みはメディアでも注目いただき、とある記事がきっかけでPE&HRとのご縁も生まれました。ソーシャルや食の領域で投資実績が豊富な同社から最初に投資いただくことができ、目指す方向性に間違いはなかったと確信を持てました。
■捨てる手間を省くと、ひとは笑顔になる
2015年9月の国連サミットでフードロスが取り上げられた当時、当社は山梨県で、食を切り口とした、現在の事業につながる活動を始めていました。私は飲食業界での経験が長く、毎日食べ物を捨てる側の人間でした。まだ食べられるものを捨てずに活かしたいという気持ちを強く持っていました。この問題を、「慈善活動」ではなく、「ビジネスモデルを作ること」で、サステイナブルな食の未来を切り拓きたいと考えていました。幸い当社の取り組みはメディアでも注目いただき、とある記事がきっかけでPE&HRとのご縁も生まれました。ソーシャルや食の領域で投資実績が豊富な同社から最初に投資いただくことができ、目指す方向性に間違いはなかったと確信を持てました。
■エシカル消費に敏感になりつつある
「食品ロスの削減の推進に関する法律」(略称 食品ロス削減推進法)が令和元年10月1日に施行されましたが、ペナルティがないため、企業の方と話していても「うちは、そもそも廃棄を見込んだ値決めをしている」「ブランドを棄損するので値引きはしない」とおっしゃる企業も一定数いらっしゃいます。しかしながら、最近では倫理的、社会的な視点でモノやサービスを選ぶ「エシカル」の考え方も少しずつメジャーになってきています。「環境に優しい商品」を購入したり、「環境に配慮する企業活動に注目する」という流れに、社会全体がなりつつあります。ですから、食品ロス問題も、今後ますます社会全体で避けられなくなってくる問題だろうと考えています。
■複数のお店をまわってくださっているお客様
商業施設内でTABETEを利用したことがあるユーザー約500人を対象としたアンケート結果から、約65%の方が、食品(食事)のレスキューを目的に来店したと回答し、その内、商業施設内の他店でついで買いをしたと答えられたお客様は49%です。また、購入のされ方にも特徴があり、都会では一店のみ回られるお客様がいる一方で、特に地方では車で数軒お店を順に立ち寄り、複数の食品(食事)をご購入いただいています。夕方の慌ただしい時間帯に、共稼ぎ世帯やフルタイム勤務の方々に複数店をまわってご購入いただいているデータから、ビジネスチャンスを感じています。ついで買いを期待するお店や商業施設側のニーズと、良いものを安く買うこと以上に購入の納得度を高めたいお客様との間を、今後当社がどううまく繋げていくかが、当社にとってもチャレンジになると考えています。
■膨大な中食購買データ活用で新しいコミュニケーションを作りたい
アイデアが2つあります。ひとつめは価格の見直しによる顧客満足度の向上です。食品(料理)の販売価格の上限を680円と決めていました。この価格ならばユーザーにとって購入しやすく、食品ロス削減に成功してきました。これまで1事業所で1品のみ出品可としてきましたが、店舗側からもユーザー側からも「1品でなくセット販売」へのニーズが出てきました。ある企業からは「贈答用の商品をばらして売り切りたい」というご要望があり、メイン食品(料理)とセット販売となると、680円では価格があいません。顧客の意見を聞きながら、上限の引き上げや新しいサービスを検討中です。ふたつめは、当社に蓄積された膨大な中食の購買データの活用です。CRM機能やマーケティング機能を追加することで、中食SaaSビジネスが実現できる可能性を感じています。ひきつづきフードロス削減に取り組み、IPOを目指していきたいと考えます。
(2021.4.12 interviewed by 國本行彦)
※「THE INDEPENDENTS」2021年5月号 - p2-3より
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