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(株)ecommit

2021-04-26 公開

<聞き手>
株式会社AGSコンサルティング
専務取締役 小原 靖明 氏
1985年明治大学大学院法学研究科修了。1989年当社入社。2000年IPO支援会社ベックワンソリューション設立、代表取締役就任。2007年合併に伴い、当社取締役就任。2012年3月常務取締役。2014年3月専務取締役(現任)


<話し手>
株式会社ecommit
代表取締役 川野 輝之 氏
生年月日:1984年4月27日 出身高校:都立舘高校
貿易商社を経て2007年家電製品のリユース事業を鹿児島で起業、2008年法人化。循環の仕組みをビジネスモデルにして、国内海外でのリユース・リサイクル事業を拡大。全国8拠点で起業や自治体のごみの削減に貢献。京都大学超SDGsコンソーシアムにメンバー参画。

株式会社ecommit
設 立 :2007年9月6日
所在地 :鹿児島県薩摩川内市水引町2803
資本金 :20,000千円
事業内容:中古品の卸売業、産廃収集運搬、店舗運営

<特別対談>これからのIPOスタイル

鹿児島から環境維新を起こす~環境ベンチャーの挑戦


■起業のプロセスについて

小原:貴社の循環センター「ECO BASE」を見学させていただき、その徹底した管理体制には驚かされました。

川野:自治体や店舗から回収した廃棄物には商品価値が高いものも多く、少し手を加えればECサイトで売れる商品に生まれ変わります。また海外と日本では商品の使い方も異なるので廃棄物をリユース品として輸出することができます。

小原:鹿児島という地方で売上10億を超える規模に成長できたのは環境に対する意識の変化も大きいと思いますが、それ以外の理由はありますか?

川野:起業当初は中古の農機具や建設機械を回収するブローカーでした。リユースに目覚めたきっかけは、起業して4年後のある日に中国を訪問した時の衝撃でした。そこには廃棄物が山のように積まれていて、金を抽出する有害物質シアンによる健康被害も広がっていました。日本では家電リサイクル法で環境に対する意識も変化はしていましたが、グローバルでリサイクルに取り組まなければ真の環境問題解決にはならないと決意を新たにしました。我々の理念である「Eco-Value Cycle(EVC)の実現」はそこから生まれたのです。そして更に4年後に自治体の廃棄物回収リサイクル事業をきっかけとして現在のビジネスモデルが完成しました。

■上場の思いと課題について

小原:環境ベンチャーとしては社会性追求が第一ですが、上場を目指す目的を教えてください。

川野:資金調達と人材採用、営業強化が目的ですが、同時に社員や地域への恩返しを果たしたいと思っています。

小原:資金調達100億円を計画されていますが、資金使途はどのようになりますか?

川野:まずはM&Aです。中間処理場やリサイクルセンターを新たに設立するには許認可取得に時間がかかります。各地での循環センターの次には都市型ECOBASE(大型物流センター)の建設です。無人回収や画像認識システムにも投資します。

小原:そのためにはSDGsに沿った環境面でのブランド確立がポイントになります。資金調達手段もエクイティだけでなくデットや劣後ローンの活用も考えると良いですね。

川野:確かに資金調達だけ考えれば上場以外の方法もあると思います。しかし我々だけでは「Eco-Value Cycle」の実現はできません。自治体やメーカー、そして消費者の協力がぜひとも必要です。

小原:循環の社会の実現を目指されての上場だと良く理解できます。ビジネスで成功してこそ社会性の高い企業と言えます。


■上場後の展開について

川野:我々の目指すEVCはゴミの排出量を減らして儲かる仕組み作りです。その鍵となるのが排出データ収集と分析です。

小原:現在13の自治体と連携していますが、それを更に進めるためにはEVCのパッケージ化が必要ですね。

川野:我々の強みであるLogistics、Mining(目利き力)、信頼・安心できるTraceabilityシステムを確立させます。今後は量販店の店頭回収システムやメーカーの自社商品回収スキーム構築に取り組んでいきます。

小原:既にリユース商品の海外輸出も手掛けています

川野:上場後は越境ECサイト向け物流センターを建設し海外展開を広げたいと思います。

小原:AGSコンサルティングでは、産業廃棄物関連企業の上場を何社もお手伝いしてきました。業界特有の問題をクリアして上場するためには管理体制の強化が最重要です。これからは環境ベンチャーが社会を大きく変えていくでしょう。株式会社ecommitの成長発展を大いに期待しています。本日はありがとうございました。



■対談を終えて

川野:この度は有難うございました。客観的な視点で色々とご質問をいただき、あらためて自分たちの事業について見直す機会となりました。また、今回事務所や店舗も訪問いただき、スタッフの前向きな姿勢や、僕らが描く将来展開の方向性についても共感いただき大変嬉しく思っています。今後も社会価値と経済価値が両立できる環境ビジネスを追及してまいります。

小原:SDGsは既に社会の強い要請となりました。御社は、この要請に応える最も象徴的なベンチャー企業となれるでしょう。今後、金融・行政等から様々な支援を受けることになりますが、そのためには経営管理面の強化・充実が不可欠です。そのためにもIPO準備を進めて欲しいと思います。


※連載「これからのIPOスタイル」は今号で終了となります。株式会社AGSコンサルティング様、対談いただいた起業家の皆様、読者の皆様にはこの場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。

■株式会社AGSコンサルティング 会社概要

代表者  :代表取締役会長 虷澤 力/代表取締役社長 廣渡 嘉秀
スタッフ :400名(公認会計士61名・税理士76名)2019年10月現在
東京本社 :東京都千代田区大手町1-9-5 大手町フィナンシャルシティノースタワー24F
      TEL 03-6803-6710 FAX 03-3510-2800
大阪支社 :大阪府大阪市中央区今橋3-3-13 ニッセイ淀屋橋イースト 5F
      TEL 06-6232-0600 FAX 06-6232-0616
名古屋支社:愛知県名古屋市中村区名駅4-8-18 名古屋三井ビルディング北館11F
      TEL 052-533-6695 FAX:052-533-6698
福岡支社 :福岡県福岡市中央区天神1-9-17 福岡天神フコク生命ビル 14F
      TEL 092-737-8211 FAX 092-724-0320
海外拠点 :シンガポール、香港、マレーシア
事業内容 :マネジメントサービス、事業承継支援、企業再生支援
      IPO支援、M&A支援、国際業務支援
URL  :http://www.agsc.co.jp/

※「THE INDEPENDENTS」2021年4月号 p14- p15より
※掲載時点での情報です

THE INDEPENDENTS 最新号


【2022年9月号】

(株)ジェクスヴァル
「リパーパシング手法で、難治・希少疾患向け創薬をめざす」


<事業計画発表会プレゼン企業>
 Co-Growth(株)(代表取締役 佐々木 文平 氏)
(株)KOKYU(代表取締役 堀 敦友 氏)
(株)エイ・オー・テクノロジーズ(代表取締役 井上 克己 氏)
(株)E3Mobility(代表取締役 高橋 良彰 氏)
(株)NEXT STAGE(代表取締役社長 小村 直克 氏)
L&Kメディカルアートクリエイターズ(株)(代表取締役 佐久間 研人 氏)
(株)WDC(代表取締役 上石 泰義 氏)
(株)Anamorphosis Networks(代表取締役 炭谷 翔悟 氏)
(株)DIIIG(代表取締役 秋國 寛 氏)
ジカンテクノ(株)(代表取締役 木下 貴博 氏)
(株)満寿屋商店(代表取締役 杉山 雅則 氏)
(株)土谷特殊農機具製作所(代表取締役 土谷 賢一 氏)

<知財インタビュー>
クモノスコーポレーション(株)
「3D空間計測技術で社会のインフラの維持・管理に貢献する」

<コラム>
ペンチャーコミュニティをめぐって
知的財産判例に学ぶ企業活動

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