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(株)アルプロン

2020-10-22 公開

<聞き手>
株式会社AGSコンサルティング
専務取締役 小原 靖明 氏(右)
1985年明治大学大学院法学研究科修了。1989年当社入社。2000年IPO支援会社ベックワンソリューション設立、代表取締役就任。2007年合併に伴い、当社取締役就任。2012年3月常務取締役。2014年3月専務取締役(現任)

<話し手>
株式会社アルプロン
代表取締役 坂本 雅俊 氏
生年月日:1974年1月13日 出身高校:島根県立三刀屋高校
帝京大学卒業後、1996年(株)ビジネスコンサルタント入社。2001年2月(株)アルプロン創業、代表取締役就任。健康食品の製造販売事業を始める。

【株式会社アルプロン】
設 立 :2001年2月27日
所在地 :島根県雲南市加茂町南加茂1204-1
資本金 :2億9980万8000円(2019年2月現在)
事業内容:プロテイン、健康食品等の開発製造販売

<特別対談>これからのIPOスタイル

IPOの目的とは?上場準備過程で強い組織はつくられる


小原:島根を本社として、プロテインの企画~製造~販売まで一気通貫で手がけておられます。


坂本:健康食品販売を目的に創業しましたが、2012年よりプロテイン事業を開始し、今では年商20億円規模まで成長しました。製造ラインを自社で持ち、ナショナルブランド展開だけでなく、(株) LDH martial artsはじめ100社以上にOEM提供も行っています。

小原:プロテインはアスリートやフィットネス分野から一般の利用者層へ広がりつつあり、市場も年率20%成長を見せています。今後の市場戦略はどのようにお考えですか。


坂本:現在、弊社の顧客層は9割以上がトレーニングの栄養補助目的でプロテインを摂取されています。近年、高齢者の筋力維持や子どもの成長サポートなどスポーツ以外の面でプロテインの価値が再評価されており、大きな事業機会があると捉えています。ゼロから非アスリート市場を開拓するのは非効率なので、例えば介護食事業者など、販売チャネルを有する企業と協業連携を図りたいと思います。

小原:IPOまではアスリート向けプロテイン1本に集中するのが事業効率を維持できて望ましいですが、上場後の非連続な成長を遂げるための下準備は必要ですね。坂本社長にとってIPOに期待することは何でしょうか。


坂本:最初は資金調達が目的でした。以前は興味のある事業を次から次へと始めて収益を遣い切ってしまう典型的な中小企業経営をしていました。プロテイン事業に大きな手応えを感じていましたが、会社として利益が出ていないので銀行からは相手にしてもらえません。プロテイン事業を大きく飛躍させるための材料仕入費など運転資金をどう確保するか、行き着いた結論がIPOでした。

小原:長年IPO支援に携わっていますが、大きく成長する企業の共通点は「管理部門にきちんとお金をかけている」ことです。対銀行はもちろんのこと、会社の状況を正確に可視化し次の展開に備える土台がなければ、会社の持続的な成長は見込めません。


坂本:耳の痛い話ですが、まさに仰る通りです。IPOを目指すようになり2社上場経験のある管理部長を採用したところ見違える会社になりました。管理部門を整備し諸問題をひとつずつクリアしていくと、何と銀行が融資をしてくれるようになったのです(笑)。採用面や提携面でも以前にはなかった成果があり、管理部門の重要性について身を以て痛感しました。

小原:IPOはあくまで手段であって本質は強い組織をつくることです。上場準備の過程で管理体制の強化が図られることで、極論IPOしなくても成長し続けられる会社になることができます。上場の目的が資金調達から変化されましたが、上場後の成長ストーリーはどのようにお考えでしょうか。


坂本:1つは先述の非アスリート分野への展開。上場によって得られる信用力を活かしたいと思います。次に狙うは世界展開です。プロテインのリーディングカンパニーになるという野望があります。また、プロテインメーカーのポジションから一人ひとりの健康を支えるソリューションカンパニーへの進化も視野に入れています。先日遺伝子検査を行う企業を傘下に迎えましたが、派生する新規サプリメントやヘルスケアビジネスのM&Aも積極的に行いたいと考えています。

小原:これまで多くのプロテインを開発製造してきた経験やOEM提供を通じて培ってきた提案力が強みであり、企業としての軸足はしっかりしています。AGSでは上場後のM&A支援も行っていますので、是非お手伝いさせてください。最後に、坂本社長のビジョンをお聞かせください。


坂本:地元島根でIPOを目指す経営者を増やしたいという個人的な願いがあります。島根には上場企業が3社しかありませんが、弊社が上場することで「自分達にもできるかもしれない」と感じてもらいたいですね。その過程で得られるものも大きな財産になると、私なら人一倍うまく伝えられると思います(笑)。跡継ぎもせず上京してきた自分にとっては、地元への恩返しになると強いモチベーションになっています。

小原:応援される経営者であることも必要な資質ですが、坂本社長はそれに値する人物だと思います。島根発グローバルで成功する企業になってください。本日はありがとうございました。


■対談を終えて


小原:アルプロン社には既に20年の業歴があり、そこから蓄積された経営に関わる経験や「知」は起業間もないベンチャー企業とは大きく差があると思います。坂本社長は次の次まで考えているので、私も是非支援させて頂きたいと思います。


坂本:小原さんのお言葉で一番心に響いたのが、「成長を継続している会社は管理部門をしっかりとお金を使って強化している」ということでした。私も創業当時は、決算も税理士にまるなげして、受注業務や請求書発行以外の管理部門などいらないとまで思っていました。私に限らずベンチャー企業の創業者は基本攻めの人間が多く、守りに対しては意識が希薄になりやすい人が多いと思います。しかし、攻めと守りが両輪でまわってこそ継続した成長ができると学びました。それどころか飛躍するためには実は守りに感じる部分が、大きなレバレッジをつくって攻めの力を何倍にも加速することを近年まさに肌で感じていたところでした。小原さんはじめインデペンデンツクラブにはたくさんの後方支援のスペシャリストがいらっしゃると思います。皆様とも今後連携を深めてお互いが成長できる関係になれたら幸いです。どうぞ引き続きよろしくお願いします。

■株式会社AGSコンサルティング 会社概要

代表者  :代表取締役会長 虷澤 力/代表取締役社長 廣渡 嘉秀
スタッフ :400名(公認会計士61名・税理士76名)2019年10月現在
東京本社 :東京都千代田区大手町1-9-5 大手町フィナンシャルシティノースタワー24F
      TEL 03-6803-6710 FAX 03-3510-2800
大阪支社 :大阪府大阪市中央区今橋3-3-13 ニッセイ淀屋橋イースト 5F
      TEL 06-6232-0600 FAX 06-6232-0616
名古屋支社:愛知県名古屋市中村区名駅 4-2-28 名古屋第二埼玉ビル 9F
      TEL 052-533-6695 FAX:052-533-6698
福岡支社 :福岡県福岡市中央区天神1-9-17 福岡天神フコク生命ビル 14F
      TEL 092-737-8211 FAX 092-724-0320
海外拠点 :シンガポール、香港、マレーシア
事業内容 :マネジメントサービス、事業承継支援、企業再生支援
      IPO支援、M&A支援、国際業務支援
URL  :http://www.agsc.co.jp/

※「THE INDEPENDENTS」2020年10月号 - p12-13より
※掲載時点での情報です

THE INDEPENDENTS 最新号


【2020年6月号】


(株)農業情報設計社 濱田安之
テラドローン(株) 徳重徹
(株)テクノスピーチ 大浦圭一郎
tryangle(株) 藤原真吾
(株)トルビズオン 増本衛
(株)キュービクス 丹野博

<ポストコロナ特集>
松田修一、吉崎浩一郎、奥原主一、秦信行

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