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パイフォトニクス(株)

2020-08-11 公開

<話し手>
パイフォトニクス株式会社
代表取締役 池田 貴裕 氏
生年月日:1975年6月27日 出身高校:和歌山県立耐久高校
1998年徳島大学工学部光応用工学科卒業。2000年同大学院光応用工学専攻修了。2000年浜松ホトニクス(株)入社。2004年マサチューセッツ工科大学客員研究員。2006年光産業創成大学院大学博士後期課程留学。2006年10月当社設立、代表取締役就任。

【パイフォトニクス株式会社】
設 立 :2006年10月2日
所在地 :静岡県浜松市東区天王町673 ホロライトビル
資本金 :138,400千円(資本準備金含む)
事業内容:光パターン形成LED照明装置「ホロライト」の開発製造販売
URL :http://www.piphotonics.co.jp/

<聞き手>
弁護士法人内田・鮫島法律事務所
弁護士 鮫島 正洋氏(左)
1963年1月8日生。神奈川県立横浜翠嵐高校卒業。
1985年3月東京工業大学金属工学科卒業。
1985年4月藤倉電線(株)(現・フジクラ)入社〜電線材料の開発等に従事。
1991年11月弁理士試験合格。1992年3月日本アイ・ビー・エム(株)〜知的財産マネジメントに従事。
1996年11月司法試験合格。1999年4月弁護士登録(51期)。
2004年7月内田・鮫島法律事務所開設〜現在に至る。

鮫島正洋の知財インタビュー

光パターン形成LED照明「ホロライト」の用途開発と知財戦略


鮫島:貴社は、高輝度LED光源と大型光学素子の組み合わせによってさまざまな光パターンを形成する「ホロライト・シリーズ」を開発し、日本や米国、欧州、中国で特許も取得していますね。

池田:当社が開発した光パターン形成L E D照明装置「ホロライト」は、レーザーのような高い指向特性を持ち、ターゲットとなる領域のみに光を当てることができます。この性質を生かし、工場内の労働災害を低減する安全用照明や、地域資源を生かして地方創生を実現する観光用照明、光害を低減し新しい景観を創造する建築物の演出照明など、様々な用途で活躍しています。

鮫島:ずいぶん多くの用途に展開していますね。その用途開拓において個性やオリジナリティを如何に発揮するかが事業優位性に直結するビジネスですが、きめ細かく顧客ニーズに対応しているのですね。

池田:多い時は年間20件ほど展示会に出て、さまざまな業界の方々に会い、丁寧にヒアリングを重ねてきました。そうする内に、ユーザーが使い方を考え、広げてくれました。結果、新規製品の種から3年後に新しい使い方が見つかっています。私のミッションはこの種を見つけ、作ることです。現在の目標は、生産管理体制を整えて量産品を開発し、ホロライトの国内シェアを握ることです。昨年には営業を3名採用し、社内で営業情報を共有する仕組みを整えました。

鮫島:3年前に比べて組織として強くなってきましたね。直接の競合はいるのでしょうか?

池田:光技術を持っていればできるという仕事ではありません。コンサルの要素が大きく、案件一つ一つの規模は小さいので、大手企業が入りにくい市場だと思います。事業規模の小さなものを積み上げて会社を大きくしていくのが経営戦略です。私の出身企業である浜松ホトニクスの創業時期が参考になっており、1億円のビジネス×10個で10億円の会社にしたいと考えています。

鮫島:知財戦略について教えてください。

池田:最初のパターン形成用照明装置(特許第5394476号)では基本特許を取得しています。非常にシンプルで強力な特許になっていますが、2029年には失効するので新しい特許出願も順次検討していきます。ただ、どこまで費用をかけるべきなのか、なかなか判断がつかないのが悩みです。

鮫島:製品売上のみをリターンとして考えるのではなく、事業機会に対するチケットとしての価値も考慮すると良いでしょう。これは裏返せば参入障壁とも言えます。従業員のモチベーション醸成も然り。知財投資の回収に対する考え方は三者三様なので、貴社が何を知財に期待するのかという基準を持つことが大事です。

池田:特許の権利行使の判断も難しいと感じています。当社の基本特許がパワフルな分、類似製品は侵害している状態になっています。他国での模倣品対策も課題です。

鮫島:その問題においてもROIで考えるべきで、重要なのは深追いをしないということです。訴訟まで踏み込むのは得策でない場合が多く、まずはジャブを打ってみる。そのあたりの交渉ノウハウは専門家である我々にお任せください。模倣品の多くは安かろう悪かろうなので、対象市場を広げてくれていると考えること、そして結局ユーザーはより良い製品や本物を求めるようになるので、その機会を逃さず刈り取ることが大事です。池田:ぼんやりとそう考えていましたが確信を持てました。浜松はものづくりの街でありながら、知財について東京と情報格差があるように思います。

鮫島:浜松はベンチャーコミュニティが非常に活性化されていると感じます。今後の取組みはいかがでしょうか。

池田:Hamamatsu Venture Tribeは、発起人5名からの世代交代も進めています。地場のベンチャー起業家や大企業の新規事業担当者さらには行政の関係者らとカジュアルに情報交換ができる場を構築できたこと、またコミュニティを通じて次代に向けて挑戦するきっかけを提供できたことの2点で大きな成果を上げられたと自負しています。当社も昨年12月にNTVPから資金調達を行いましたが、VCから出資を受けてこれから飛躍しようとするベンチャーが増えており、期待いただきたいと思います。

鮫島:静岡大学理工学部や光産業創成大学院大学、また大手ものづくり企業など、テクノロジーを核とするベンチャーコミュニティが形成され、成功事例も生まれつつある稀有な地域であると思います。コロナ禍が落ち着いた頃に、また浜松の起業家の皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。本日はありがとうございました。


*対談後のコメント

池田:浜松ホトニクスの研究所在籍時に特許調査や明細書の作成を行った経験から特許に関する知識はありましたが、今回の対談を通じて最新の情報を入手してメンテナンスする必要性を実感しました。ベンチャー企業にとって知的財産権は数ではなく質であると考えています。有れば事業化できるものではないが、無いと事業化の壁が高くなる。継続的な成長に向けて、新しい研究開発と知財化が必要で、今後も新しい光の使い方を追求していきます。

鮫島:ホロライトの「工業的な応用」という未踏のマーケットを開拓してきた池田氏がお話しされる内容には説得力があり、確実に成功へのステップを歩んでいることを感じさせるに足るものであった。模倣製品が出るということは、それだけ市場がある、ということと同義であり、模倣者とともに市場を伸ばしていくという鷹揚な考え方を原則としつつ、ブランディングなど、模倣者と差別化する方策が肝要だと思われる。


―「THE INDEPENDENTS」2020年8月号 P14-15より
※冊子掲載時点での情報です

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