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(株)キュービクス

2020-06-25 公開

<話し手>
(株)キュービクス
代表取締役 丹野 博 氏
生年月日:1958年12月19日 出身高校:大阪府立東住吉高校
1981年富山大学工学部工業化学科卒業後、Schering-Plough(株)入社、営業、製品企画に従事。2004年(株)キュービクス創業、代表取締役就任。2014年9月大学発ベンチャー表彰2014「日本ベンチャー学会会長賞」受賞。2015年8月第13回産学官連携功労者表彰「経済産業大臣賞」受賞。

【株式会社キュービクス】
設 立 :2004年8月3日
所在地 :石川県白山市熱野町ハ8番地1
資本金 :99,300千円
事業内容:消化器がんマイクロアレイ血液検査、すい臓がん診断補助検査キット製造販売ほか
URL :https://www.kubix.co.jp/

<聞き手>
弁護士法人内田・鮫島法律事務所
弁護士 鮫島 正洋氏(左)
1963年1月8日生。神奈川県立横浜翠嵐高校卒業。
1985年3月東京工業大学金属工学科卒業。
1985年4月藤倉電線(株)(現・フジクラ)入社〜電線材料の開発等に従事。
1991年11月弁理士試験合格。1992年3月日本アイ・ビー・エム(株)〜知的財産マネジメントに従事。
1996年11月司法試験合格。1999年4月弁護士登録(51期)。
2004年7月内田・鮫島法律事務所開設〜現在に至る。

鮫島正洋の知財インタビュー

世界初!血液だけですい臓がんを早期発見できる検査キット『パンレグザ』を開発


■5年生存率最低のすい臓がん検査キットで早期発見を可能に

鮫島:2年前にお会いした際は、遺伝子発現解析技術を駆使した消化器がんのマイクロアレイ血液検査が主事業でした。今回、新たに初期早期のすい臓がんをターゲットとする検査キットを開発されたのですね。

丹野:すい臓は内蔵の奥に位置するため超音波検査では見えづらく、また自覚症状もほとんどないため、早期発見が困難な癌として知られています。発見された時には、既にその7-8割がステージ4に進行しているというデータがあります。5年生存率は9.6%と全ての癌において最低値であり、これを改善するには早く確実に見つけるしかない。そこで我々は研究を重ね、血液だけで迅速にすい臓がんをスクリーニングできる検査キット「パンレグザ」を開発しました。

鮫島:金沢大学消化器内科 金子周一教授の研究成果を事業化することが貴社のスタートでした。金沢大学発ベンチャーとして、同大学と長く良好な関係を築いてきたことも強みであると思います。

丹野:すい臓がん検査キット「パンレグザ」は、保険収載を目指して現在PMDAに承認申請中です。この2年間、金沢大学の医師と協力し、GCPに準拠する形でシビアに治験を重ねてきました。結果、早期すい臓がん(ステージ1・2)の感度において、既存の腫瘍マーカーCA19-9という診断方法は30%未満であるのに対し、本検査キットは約80%と非常に高い数値を出せることも確認できています。高いレベルの研究体制だけでなく、関連病院の治験協力や対外的な信用力など、金沢大学発ベンチャーであることが当社の大きなアドバンテージです。

鮫島:高感度であることに加えて、血液検査でありながら特定の臓器を検査できることもポイントです。この検査キットが身近な存在として広く普及することで、すい臓がんの早期発見が飛躍的に改善されると思います。

丹野:晴れてPMDAより承認が得られれば、保険適用として患者の費用負担を抑えることができます。また、学会が定める診療ガイドラインの1つに組み込んでもらうことができれば、多くの医療機関や検査会社に採用してもらうことが可能になるとも考えています。すい臓がんにおける一次スクリーニングの診断補助キットとして、業界スタンダードを目指します。

■検査キットの海外展開

鮫島:消化器がんのマイクロアレイ検査では金沢大学と独占的特許実施許諾契約を締結していますが、すい臓がん検査キットでは貴社が特許出願人となっていますね。医療機器は、特に欧米の特許を確保することが重要になりますが、PCT出願等はどのように対応されましたか。

丹野:財務上の理由でPCT出願は見送っています。しかし、「パンレグザ」で用いる試薬を供給してくれる世界的な薬品メーカーが、海外展開に関心を示しています。その場合、彼ら自身が事業主体として、CEマーク(EUの安全性能基準)取得やFDA(アメリカ食品医薬品局)承認など各国のローカライズ対応を行い、弊社はライセンス契約またはOEM供給のいずれかを選択することになります。昨年1月に社屋を新築したことで、グローバル規模の検査キット製造を行える体制は整っています。

鮫島:十分な供給体制を内製化できているのはノウハウも溜まっていくのでポイントですね。PCT出願ができなかったというのはベンチャーでは珍しくありませんが、海外協力企業をどこまで強くグリップできるかが勝負になります。契約書チェックや情報管理を徹底してください。


■キュービクス社の使命

丹野:「パンレグザ」がPMDA承認されれば、リキッドバイオプシーの分野で世界初となります。PMDA審査が当社の命運を握っていることは事実ですが、他にも事業のパイプラインを複数準備しており、中には特許申請中のものもあります。近い将来、IPOも視野に入れており、「パンレグザ」だけでなく二の矢三の矢で成長性をアピールしたいですね。我々のミッションは「研究から臨床へ」であり、最新の遺伝子発現解析技術を駆使して、メディカルニーズの高い分野へ新たなソリューションを提供し続けます。

鮫島:最初にお会いした頃から社会的意義の高さに大変感銘を受けていました。本日改めてお話うかがって出口の風景がはっきり見えてきた印象です。すい臓がんは日本だけでなく世界に患者がいます。「パンレグザ」がグローバルに普及することで、一人でも多くの命が救われることを心待ちにしています。本日はありがとうございました。


*対談後のコメント

鶴巻:鮫島弁護士のご指摘部分が鋭く、弊社が課題としている海外進出にもその重要性を認識するところとなりました。大学との共同研究で発見、発明されたものが実臨床の場で使われる実用化物として世に出すのがキュービクスの仕事と思っておりますし、その独創性や独自性を示すうえでも知財戦略は欠かさないところと改めて認識しました。これからも病気の早期診断や遺伝子診断はまだまだ発展する領域です。引き続き頑張ってまいりたいと意を新たにいたしました。ありがとうございました。

鮫島:ベンチャー企業が成功するためには既得権益を乗り越えなければならず、特に医療・医薬の業界においてハードルとなる。数年前に同社のプレゼンに始めて接したとき、その技術力と社会的意義に感銘しながらも、この危惧を拭い去ることができなかった。私の心配は杞憂となりつつあり、そのポテンシャルの高さゆえに、世の中の流れを従え始めたという実感を得られたことが今回の対談の喜びである。PMDA承認を契機に、大きく羽ばたくことは間違いない。


―「THE INDEPENDENTS」2020年6月号 P14-15より
※冊子掲載時点での情報です

THE INDEPENDENTS 最新号


【2020年6月号】


(株)農業情報設計社 濱田安之
テラドローン(株) 徳重徹
(株)テクノスピーチ 大浦圭一郎
tryangle(株) 藤原真吾
(株)トルビズオン 増本衛
(株)キュービクス 丹野博

<ポストコロナ特集>
松田修一、吉崎浩一郎、奥原主一、秦信行

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