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令和時代のスタートアップ・エコシステム

2020-02-13 公開

公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会
会長 池田 弘 氏(左)

1949年新潟市生まれ。NSGグループ代表、アルビレックス新潟取締役会長。代表を務めるNSGグループは、大学院大学、大学、33校の専門学校、高等学校、学習塾などの教育機関と、医療・福祉機関、さらに検定・出版や給食事業、商社、広告代理店、建設業、ゴルフ場、ホテル、アパレル、IT、給食、飲食、コンサルティングなどの株式会社を展開する。アルビレックス新潟の初代社長として、地域密着型のビジネスモデルによるチーム運営で、屈指の観客動員を誇る人気チームに育てる。現在は起業支援に力を入れており、501社の上場並み企業の立ち上げと育成を目指す起業支援プロジェクトに取り組んでいる。日本ニュービジネス協議会連合会会長。東京ニュービジネス協議会顧問。新潟経済同友会特別幹事。2005年第15回ニュービジネス大賞アントレプレナー大賞部門最優秀賞受賞。2006年ミッション経営大賞受賞。2006年藍綬褒章受章。2013年第11回渋沢栄一賞受賞。2019年旭日重光章受章。

インデペンデンツクラブ代表理事
秦 信行 氏(右)

早稲田大学政経学部卒業。同大学院修士課程修了(経済学修士)。野村総合研究所にて17年間証券アナリスト、インベストメントバンキング業務等に従事。1991年JAFCO に出向、審査部長、海外審査部長を歴任。1994年國學院大学に移り、現在同大学名誉教授。1999年から約2年間スタンフォード大学客員研究員。日本ベンチャー学会理事であり、日本ベンチャーキャピタル協会設立にも中心的に尽力。2019年7月よりインデペンデンツクラブ代表理事に就任。

令和時代のスタートアップ・エコシステム


<Vol.2>公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会


このコラムは、現在全国で数多く生まれているスタートアップ支援組織や支援団体を対象に、その組織や団体が生まれた背景や経緯、支援内容の特色、組織としての今後の方向性、組織からみた日本のベンチャー・エコシステムの現状、問題点や課題などを、組織・団体のトップへのインタビューを通じて紹介するものである。第2回目は、公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会の池田弘会長にインタビューをお願いした。

 公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会(JNB)は、社団法人ニュービジネス協議会(NBC:現在は一般社団法人東京ニュービジネス協議会)を前身としている。NBCは1985年、ニュービジネスの振興に寄与する我が国最初の公益法人として設立された。その当時米国ではサービス産業を中心としたニュービジネスが経済の成長を牽引し、雇用の60%がニュービジネスに従事しているといった実態があった。もそうした状況を踏まえ、我が国でのニュービジネス並びにベンチャー振興の立場から当時の通商産業省(現在の経済産業省)を中心に業種業態を横断する経済団体を求める機運が盛り上がり社団法人として設立されたのがNBCであった。  その後全国各地に各地域のニュービジネス協議会が生まれた。それらの各協議会相互の情報交流や事業交流、ニュービジネスについての調査研究を踏まえたニュービジネス等に関する政策提言の必要性から2005年に設立されたのがJNBである。現状JNBの下に全国8つの経済産業局毎に広域ニュービジネス協議会が作られ、更にそのそれぞれの広域協議会の下に48の都道府県単位協議会が設けられ、経済団体として活発に活動している。

秦:まず池田さんが会長を務めておられる日本ニュービジネス協議会連合会(JNB)が出来た経緯等を簡単にお話しいただきたい。


池田会長:ニュービジネス協議会(NBC)が1985年に生まれて35年、その間2005年にJNBが出来て15年が経過した。経済産業省、当時の通商産業省の肝いりでニュービジネス振興のための経済団体が出来て、全国の経済産業局を中心に地域や県を束ねていたのだが、全国規模での情報交換などがなかった。そこで2000年過ぎになって全国組織を作ろうという動きが生まれて2005年に出来たのがJNBである。日常的には各地の協議会がベースなのだが、JNBは各地への情報提供や講師派遣、また各地から上がってくる課題をもとに提言に取りまとめて国に取り上げてもらう、といったことをやってきた。全国組織を作ったことにより国に意見を取り入れてもらえるパワーを持つことができたと考えている。

秦:最近はニュービジネス企業やベンチャーへの資金面の支援にかなり力を入れておられるような印象を持つが・・・。


池田会長:日本はリスクマネーを扱う文化・風土が元々余りなくて、リスクマネーを上手く扱える、供給できる人材も少ない。要はベンチャー・ファンドのGP(ゼネラルパートナー=運用者)が出来る人が余りいない。日本でもベンチャー・ファンドは数十年前に出来てはいるが、継続してGPを務めてトラックレコードを残している人はかなり少ない。日本では今まで補助金行政は得意だったが、リスクマネーの扱いについて分かっている人は少ない。その意味で日本でもリスクマネーを扱える人材を育成する必要があると考えている。
 近年官民ファンドが増えている。官民ファンドについては色々な意見があるが、日本のリスクマネーが少ない中で、官がリスクマネーを扱うこと自体は素晴らしいことだと思っている。官民ファンドには市中から人材を調達してリスクマネーを扱える人を育成し民間に供給して欲しい。金融機関からの出向者も重要で、彼らにも経験する場を提供して欲しい。

秦:ニュービジネス協議会も最近エンジェル・ファンドを組成された。


池田会長:投資経験のある人に来てもらい、中小企業基盤整備機構に税制面等を手伝ってもらった。ただ、エンジェル・ファンドで若い人を雇用して経験を積ませるとしても、ファンド金額が4~5億円なのでマネジメントフィーで雇える人は1人位にしかならない。出来ればもっと大きなファンドでも人材育成に貢献して欲しい。

秦:日本全体のスタートアップ輩出の現状について池田さんはどう見ておられるのか。何か問題点として挙げるべき点があるとしてそれは何か。


池田会長:起業し易い環境になりつつあると思う。ただその中で、残念ながら地方では、起業する気持ちがありながら実際に起業する段になるとそれを後押ししてくれる風土がない。若い人の場合は親や学校の先生など反対する人が多い。地方はそうした風潮が未だに強い。リスクマネーの供給は海外と比較すると少ないとはいえ確実に増えており、個人保証も無くなりつつある。だから東大生の起業が増えているのだが、地方はそんなことはない。地方では起業などしたら一族が迷惑するから止めろ、大企業に入れ、と言われる。
 自分の田舎に帰って田舎に貢献したいという若者は40%程度いるそうだ。ただ、都会との賃金格差もあってそれを押し留めている。結婚していれば奥さんも反対する。
 とはいえ、事例を地道に増やしていくことが重要だと思う。

秦:大企業も今までのような年功賃金、終身雇用を維持できなっており、今までのように大企業で働くことがそんなに恵まれているわけでもなくなっていると思うがどうか。


池田会長:確かに変化は始まっている。ベンチャーで成功し財を成した人が次に挑戦する人にお金を回す、そういうことが出始めつつある。ただ、地方にはまだそういった循環はない。エンジェル税制がそういう循環の後押しになればと思っていたが、地方ではまだまだ時間がかかりそうだ。
 都会と地方の経済格差を政策的に小さくすることが必要ではないか。例えば移住すれば少なくとも100万円を国庫から提供し、起業する、ないしは事業承継のための移住であっても100万円+αを出すといった施策は検討に値しよう。格差を埋めるための資金は地方ではなく国が負担すべきだと思う。

秦:最後にJNBの今後についてお考えを伺いたい。


池田会長:現状会員数3800社、今後もイノベーションを続ける企業への支援は続けていく。今、中央から地方に人材を動かすための施策提言を準備している。加えて、教育、小学校からチャレンジを重視する教育の実践が必要だと思う。ただ、この点は教員の中で安定志向の方が多いのでその意識改革が必要とは思うが・・・。
 かつて日本の中小企業の事業家はたたき上げの人が多かったが、2000年過ぎにITベンチャーが出て来てかなり日本の事業家像は変わった、それが第一次の変革、その後、リーマンショックで頓挫したが、現状第2次の変革期と捉えている。この流れが続いていくことを願っている。

※「THE INDEPENDENTS」2020年2月号 掲載
※冊子掲載時点での情報です

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【2020年2月号】


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(株)トルビズオン 増本 衛
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