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マイキャン・テクノロジーズ(株)

2020-01-23 公開

<話し手>
マイキャン・テクノロジーズ(株)
代表取締役 宮﨑 和雄 氏(左)
生年月日:1973年9月5日 出身高校:桐蔭学園高等学校
1998年3月東京理科大学理学研究科化学専攻修了後、サントリー(株)医薬事業部入社。2005年4月第一アスビオファーマ(株)生物医学研究所 研究員。2007年4月アスビオファーマ(株)研究員。2013年4月Daiichi Sankyo India Private Ltd. Group Leader。2014年4月アスビオファーマ(株)主任研究員。2018年3月当社代表取締役CEO。

【マイキャン・テクノロジーズ株式会社】
設 立 :2016年7月7日
所在地 :京都市西京区御陵大原1-36 京大桂ベンチャープラザ北館
資本金 :80,090千円
事業内容:再生医療技術を使用した研究用の血球様細胞の提供
URL :https://www.micantechnologies.com/

<聞き手>
弁護士法人内田・鮫島法律事務所
弁護士 梶井 啓順 氏(右)
1999年埼玉県立春日部高等学校卒業。2004年慶應義塾大学理工学部電子工学科卒業。2006年慶應義塾大学大学院理工学研究科総合デザイン工学専攻修了後、兼松株式会社入社。2012年慶應義塾大学大学院法務研究科修了。2013年司法試験合格。2014年高橋雄一郎法律事務所入所。2018年内田・鮫島法律事務所入所。

鮫島正洋の知財インタビュー

大学発ベンチャーにおける知的財産権の保護と交渉について


■第三国にてビジネス展開する際の知財戦略について

宮﨑:私どもは、マラリアやデング熱などの研究をしている感染症研究者に、幼若・未成熟な血球細胞を提供する事業を行っています。本事業では、熊本大学が保有する単球細胞に関する物質特許のライセンスを受けていますが、メインターゲットとするアジア地域が権利範囲に含まれていません。そのため、同地域に適用される当社独自の用途特許を出願していますが、知財戦略として十分なのか、心許なさを感じています。
梶井:一般論として、大学発ベンチャーが新規で特許を取得する際、先行する大学特許と比べて範囲が狭くなってしまいます。こういった場合、新規の課題を発見し、その解決策として用途特許を押さえることが多いです。また、事業上必須となる技術やノウハウがあるのであれば、敢えて特許として公開せず、ブラックボックス化することも有効です。

宮﨑:血球様細胞の製造は非常に難易度が高いのですが、弊社は細胞分化を誘導する技術においてノウハウを有しています。これは特許や論文を読んだだけで模倣できるものではありません。その点では、「何を特許化しないか」についてもポイントになるのかもしれませんね。
 また、出願している用途特許はアジア地域への移行を想定していますが、米国や欧州に比べると本事業におけるアジアマーケットはそれほど大きくありません。また、権利行使においても、国によってはワークしないケースも想定されるのではと不安があります。こういった場合、知財戦略をどのように考えるべきなのでしょうか。
梶井:アジア地域の知財に関する法整備は不確定な部分が多いのは事実です。しかし、特許に対する投資のリターンについて、権利行使以外の側面も考えることが大切です。特許保有によって営業面での信用につながったり、投資家に対する交渉を優位に進められる場合があります。もちろん、特許によって一定の抑止効果は期待できるとも思います。

宮﨑:特許も費用対効果で考えるべきと理解しました。特に海外の知財はかかる費用も大きいので、どの国で何を効果として期待するのか、自社の戦略を見つめ直すことが大事ですね。

■第三国にてビジネス展開する際の知財戦略について

梶井:昨今、大学と大学発ベンチャーにおける知財とその対価について議論が活発化しています。貴社は大学とどのような話し合いを持たれているのでしょうか。
宮﨑:血球様細胞の物質特許について、当初は譲渡を申し出ました。結果としては研究用途の内のある分野のみ独占的通常実施権を、他の部分を非独占での実施許諾として契約し、売上の数%をフィーとしてお支払いしています。一方で、今後の事業戦略において、この範囲を広げる必要があり、大学側と交渉を進めていくつもりです。 梶井:大学としても知財収入を最大化したい思惑があります。知財の価値を高めてくれるノウハウ等がその企業にしかなく、安定的な収入をもたらしてくれる事が証明できれば、契約内容の変更も前向きに検討してくれるのではないかと思います。
宮﨑:大学とのライセンス形態によっては、投資家の評価も分かれてきます。そうなると、次のステップへ進めないというのが多くの大学発ベンチャーの悩みではないでしょうか。これは大学側から見ても機会損失だと思います。ただ、それでも経営陣や会社の実績を示して、我々が大学から信頼を勝ち取ることが大事なのでしょうね。

梶井:仰る通りだと思います。弊所では知財戦略のご支援だけでなく、ベンチャー企業に寄り添った契約交渉のサポートも行っていますので、気軽にご相談ください。本日はありがとうございました。

*対談後のコメント

【宮崎社長】

自社技術の権利範囲と排他性を認識するのは極めて重要でありつつも、スピード重視のために手当てが後回しにしてしまいがちです。そのため、絶えず不安を抱えながら開発しています。特に、最低限抑えなければいけない点はココだ。については難しいです。今回の対談で、先生には時間制限ギリギリまで聞いてしましました。的確に緊急度の高い点・緊急ではないが重要である点を整理して教えていただき大変参考になりました。

【梶井先生】

神経細胞、心筋細胞が主要な対象とされている中、血球細胞に着目している点は非常に興味深く思いました。研究用途という事業化にコストが相対的にかかわらない分野に特化している点、製品があまり競合のいない血球細胞である点、血球細胞が他の細胞と異なり癌化リスクがないとの点、血球系細胞の分化の誘導に独自のノウハウを有している点など事業戦略上の強みがあると感じました。


―「THE INDEPENDENTS」2020年1月号 P12-13より
※冊子掲載時点での情報です

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