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(株)ZenmuTech

2019-10-17 公開

<話し手>
(株)ZenmuTech 代表取締役社長 國井晋平氏
生年月日:1960年2月7日 出身高校:N/A
東京工業大学卒業後、(株)東芝入社。PCなどハードウェアの設計開発や商品企画に従事。ペガトロン台湾を経て、2017年当社にCTOとして参画。2019年3月代表取締役社長就任。

【株式会社ZenmuTech】
設 立 :2014年3月4日
本 社 :東京都品川区西五反田2-8-1 五反田ファーストビル4F
資本金 :100,000千円
事業内容:秘密分散技術を用いたセキュリティソリューションの開発販売
URL :https://www.zenmutech.com/

<聞き手>
弁護士法人内田・鮫島法律事務所
弁護士 丸山 真幸氏(左)
1980年9月23日生まれ。私立海城高校出身。東京大学工学部卒業。在学中に弁理士試験に合格し、卒業後は特許事務所にて国内外の特許権利化業務に従事。2014年司法試験合格。2015年12月東京弁護士会登録(新68期)。2016年1月から弁護士法人内田・鮫島法律事務所にて、大型特許訴訟を含む知財紛争業務に従事する傍ら、技術系ベンチャーに対する知財・法務支援を手掛けている。

内田・鮫島法律事務所 知財インタビュー

秘密分散・秘匿計算技術で情報漏洩のリスクを減らします



■秘密分散技術を用いた鍵のいらない情報漏洩対策

國井:当社は独自の秘密分散技術AONT(all or nothing transform)を活用した情報漏えい対策ソリューションツールの開発・提供を行っています。

丸山:既存の暗号化技術とはどのような違いがありますか。

國井:AONTとはデータを複数の分散片に分け、全てが揃わなければ元の情報を復元できない符号化手法です。暗号化の場合、鍵に攻撃が集中するリスクがありますが、AONTでは全ての分散片を集めなければ情報が復元できないため、リスクを分散することが可能です。当社のサービス『ZENMU Virtual Desktop(ZVD)』では、一片をクラウドに、もう一片をPCローカルディスクに分散保管し、データ利用時のみPC上で復元することが可能です。

丸山:VDI(仮想デスクトップ) や VPN 接続と比較して、低コストで強固なセキュリティを確立できる点は大きな特徴ですね。


■産業技術総合研究所との共同研究

丸山:貴社は、2018年10月から、産業技術総合研究所(産総研)における秘匿化技術の研究成果と、貴社が保有する秘密分散技術の開発・実用化の実績に基づいて、秘匿計算の実用化に向けた協働プロジェクトを展開しています。秘匿計算技術について教えてください。

國井:暗号化や秘密分散技術では、実際に情報処理を行う際には、元データに復号する必要がありました。秘匿計算では入力から出力まで一度もデータを復号することなく処理を行います。つまり情報を秘密にしたまま計算を行うため、プライバシーやセキュリティの観点で非常に高い安全性を持つ技術です。基礎技術を持つ産総研はこの技術の早期普及を目指しており、サービスとして社会実装する部分を当社が担っています。

丸山:情報処理を行うセンターでの情報漏えいや改ざんリスクを防ぐことが可能となるため、プライバシーに関わるデータを複数の所有者間でやりとりするシーンで活用が見込めそうですね。

國井:医療分野で患者の個人情報を秘匿化したまま診断を行う、複数の企業が管理する購買履歴や行動履歴からマーケット分析を行うといった様々な利活用が期待されています。

■契約交渉にも活かせる「攻めの特許」取得を目指す

丸山:ライセンスビジネスにおいては特許が技術の新規性や信用度のアピールになり、価値向上に繋がります。現時点で特許はどの程度取得していますか。

國井:現在までに周辺特許を含め16件の特許を取得済みで、PCT(国際特許)出願も進めています。

丸山:某大手自動車会社では、特許を取得したうえで無料公開するオープン戦略を取っています。基本的には無償で技術を公開しつつ、万が一悪用されそうな場合には権利者として取り締まるという狙いがあります。貴社としても、今後の協業先との共同研究の中で権利化する部分とブラックボックス化する部分について慎重に考えていく必要がありそうですね。

國井:当社の秘密分散技術は、SDK(ソフトウェア開発キット『ZENMU ENGINE』としてあらゆるアプリケーションやシステムへ利活用されることを目指しています。今までは自社の新しい技術を守るために特許を取得するイメージでしたが、今後どんな特許戦略が描けるでしょうか。

丸山:秘密分散や秘匿計算のようなアルゴリズムの領域では、特許権侵害が見つけにくいという問題がありますが、プロダクトのUI・UXの部分などで侵害検出性の高い特許を取得するといった対策が可能です。そうすることで、「攻めの特許」として競合他社だけでなく、提携企業や投資先といった関係者との契約交渉を有利に運ぶこともできますので、是非検討してみてください。本日はありがとうございました。


*対談後のコメント

【國井氏】
秘密分散、秘匿計算はまだまだ世の中で市民権を得ている技術、ソリューションとは言えません。しかし、機密性を保持しながらデータの利活用を進めていくことが要求されるこれからの世の中では必要な技術と考えています。丸山先生からいただいた特許戦略に関する考え方やアドバイスを参考に、事業展開を進め、ZenmuTechをきらりと光る会社にしていきたいと考えています。ありがとうございました。
【丸山氏】
秘密分散・秘匿計算は応用範囲が広く非常に興味深い技術ですが、それ単体で意味を成すというよりは、他の製品・サービスに上手く組み込むことで真価を発揮するものだと思います。そこで、知財戦略においても、基本技術を特許で保護することは勿論大切ですが、上記技術を応用したサービスのビジネスモデル特許を先回りで取得するなどして、技術の応用可能性を分かりやすくアピールしていくことが重要となるのではないでしょうか。


―「THE INDEPENDENTS」2018年10月号 P24-25より
※冊子掲載時点での情報です

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