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インデペンデンツクラブ月例会

2019-06-06 公開
トビラシステムズ(株)
代表取締役 明田 篤
Akita Atsushi

トビラシステムズ株式会社
代表取締役 明田 篤 氏
生年月日:1980年12月28日 出身高校:豊田北高校
名城大学理工学部中退。2004年岐阜県大垣市にて創業。2006 年(株)A&A tecnologiaを設立。2010年トビラシステムズ(株)に社名変更。


講演レポート

「株式上場とこれからの戦略」


■迷惑電話フィルタサービスのパイオニア企業

 私たちは特殊詐欺電話等の迷惑電話をテクノロジーで解決するビジネスで成長してきました。主力となっているのは迷惑電話フィルタ事業です。警察組織や当社サービスの利用者から送信されるデータ、さらに独自の調査活動によって7億件もの膨大な電話番号データを集積してきました。これらのデータをデータベース化し、迷惑電話を自動的にシャットアウトする仕組みを構築しています。
 現在の収益の大半はモバイル向けのフィルタサービスです。大手通信キャリアのオプションパックにアプリが含まれており、インストールすると初めてかかってきた迷惑電話・詐欺電話でも警告・着信拒否することができます。また、当社のデータベースに蓄積されている迷惑電話以外の会社や公共機関、レストラン、ホテルなどの情報に基づき、初めてかかってきた番号でもどんな相手からの着信なのかお知らせすることができる発信者情報自動表示機能も好評を博しています。
 固定電話向けフィルタサービスは設立当初から提供しているサービスで、現在はインターネット回線や電話回線を引くと自宅に設置される「ホームゲートウェイ」という機械に内蔵する形で、KDDIとその子会社である中部テレコミュニケーション(ctc)で採用されています。電話がかかってくるとホームゲートウェイが当社のデータベースを検索し、迷惑電話の場合は着信音を鳴らさないように設定することができます。
 モバイル向け・固定電話向けのサービスを進める中で、オフィスにかかってくる迷惑電話の対策をしたいという声を受けて法人向けの『トビラフォンBiz』のサービスの開発に着手し、2018年から本格的に販売をスタートしました。オフィスの電話回線に装置を接続することで、会社全体の電話が迷惑電話から守られるシステムです。余計な電話を取る回数が減るために営業効率が向上するだけでなく、通話録音機能によってコンプライアンスの強化や受発注ミスの防止にも役立ちます。

■99%の制度を誇る電話番号データベースを構築

 私たちの強みは、高品質な電話番号データベースによって高い参入障壁を構築している点です。電話番号の情報収集には独自のアルゴリズムを用いており、鮫島先生の協力の下、関連特許13件を出願し、そのうち10件を取得しています。アルゴリズムでの抽出には限界があるため人の手で電話番号を精査して制度を高めており、99%の迷惑電話を検出することが可能です。
 この高い精度を評価され、ドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手通信キャリア全てでオプションパックとして採用されるに至りました。オプションパックは各キャリアで注力している領域であり、高い品質を求められる中で、当社の製品は迷惑電話対策の製品として唯一採用されています。また、2011年から警察組織とのアライアンスも進めており、日本全国の警察と数々の実証実験を行ってきました。警察から日々送られてくる犯罪に使われた電話番号情報もデータベースに反映しています。

■23歳での独立からマザーズ上場に至るまで

 学生時代はバンド活動に精を出していましたが、21歳の時にIT企業でアルバイトを始め、エンジニアとしてのキャリアをスタートしました。当初は世界一のプログラマーを目指そうと意気込んでいましたが、当時の上司であり、当社CTOでもある藤井に出会った時にエンジニアとして彼には敵わないと痛感し、経営や営業もできるポジションを目指すようになりました。
 当時、岐阜県大垣市では梶原知事が「ソフトピアジャパン」と題して大垣を日本のシリコンバレーにすべく挑戦していた時代でした。私もNTTコミュニケーションズの下請企業で働いていましたが、下請けの零細企業では満足な評価も給料も得られませんでした。転職を決意して出向先に話したところ、直接私を雇いたいと依頼があり、23歳で個人事業主として独立しました。NTTコミュニケーションズからの直接業務を受託しながら他の依頼を受託するうちに人手が必要になり、2011年にA&Atechnologiaを設立しました。
 それから次々に5つのプロダクトを開発しましたが、大きな成功がないまま事業を続けていました。迷惑電話フィルタを開発するきっかけになったのが、当時一人暮らしをしていた祖父の元に様々な悪質な勧誘電話がかかってくるのを目の当たりにしたことです。電話向けのセキュリティ製品を探したところ、未だ目立った製品がないことに気づき、解決すべき社会課題であるとともに大きなビジネスチャンスになり得るのではと考えました。2010年から開発を開始し、翌2011年に『トビラフォン』を発売しました。私としてもこの製品に賭けていたので、社名も現在の「トビラシステムズ」に変更しました。
 『トビラフォン』リリース後にテレビ東京ワールドビジネスサテライトの「トレンドたまご」に取り上げられたことをきっかけに問い合わせが急増し、警察との実証実験がスタートしました。大手キャリアとしては初であるウィルコムとの提携が開始したころに出会ったのが國本さんで、インディペンデンツ(現Kips)の支援の下、VCから初めての資金調達を行いました。株価や種類株の仕組みなど複雑で全く分からない中、契約をチェックしていただき資本政策をスムーズに進めることができました。二度目の資金調達の際には日本政策金融公庫等から資本性ローンと新株予約権付融資で1億4000万円の調達を行い、上場時の顕在株主は経営者3名とKipsの4名でした。

■感慨深かったIPOセレモニー

 固定電話向けフィルタサービスに加えてモバイル向けフィルタサービスが大きく業績を伸ばしたことから、この度4月25日に平成最後のIPOとして東証マザーズ市場に上場する運びとなりました。これまで家族や周囲の人々を含めて沢山の方々にお世話になりながら、今回会社設立から13年を経て上場することができました。上場セレモニーに招待した両親がずっと涙ぐんでいるのを見て、一番良い形で恩返しができたのではないかと感じました。

■詐欺のない社会の実現に向けて事業拡大を目指す

 今後の成長戦略については、モバイル向けフィルタ・固定電話向けフィルタともに未だポテンシャルのある領域なので、継続課金型のストックビジネスとして安定的に拡大を進めていきます。中長期的には代理店を活用した法人向け『トビラフォンBiz』の展開や新規事業を進めていきます。迷惑メールのフィルタ機能では既に25,000件以上のメールアドレスのデータベースを構築しており、ソフトバンクでの導入に続いて他キャリアへの導入を目指しています。また、不要な広告や危険サイトへの誘導を防止するフィルタを開発しており、広告フィルタの普及率が諸外国と比較して遅れている日本において先行して市場を開拓していきたいと思います。
 特殊詐欺の被害件数は7年連続で増加しており、高齢化社会の進行と詐欺手口の複雑化で今後も被害が拡大すると予想されています。さらに、犯罪にならない範囲でも悪質な行為は日々行われています。私たちはこれらの社会課題をテクノロジーで解決して、世の中の安心安全を作っていくことで、今までお世話になった皆様への恩返しをしていきたいと思います。

<会社概要>

設 立 :2006年12月1日
資本金 :65百万円(資本準備金含む)
所在地 :愛知県名古屋市中区錦2-5-12
事業内容:モバイル、固定電話及びビジネス向け迷惑情報フィルタシステムの開発及び提供等
上 場 :2019年4月25日 東証マザーズ(4441)
時価総額:(公開) 7,716 百万円 (初値) 17,425 百万円
業 績 :18/10期 売上高 842百万円 経常利益 222百万円
     17/10期 売上高 591百万円 経常利益 192百万円


2019年5月8日インデペンデンツクラブ月例会 東京21cクラブにて

THE INDEPENDENTS 最新号


【2020年4月号】


(株)Indigames 野津 幸治
(株)MONOPOST 鳥山 倫靖
(株)ロボケン 寺田 宗紘
(株)メディアシステム 石井 光弘
Safe Approach Medical(株) 曺 柄炫
(株)FOMM 鶴巻 日出夫

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