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(株)ラテラ

2019-05-23 公開

<話し手>
(株)ラテラ 代表取締役 荒磯 慎也氏(左)
1983年8月16日北海道札幌市生まれ。北海道工業高校出身。北海道工業大学(現・北海道科学大学))卒業。北海道の地域振興を志向し農林水産省事業により農場研修生、及び市役所職員として活動し農業の現場を学ぶ。2013年札幌に戻り北大の研究成果を基に無菌人工土壌の開発研究を行い、商品化・事業化に向けて2015年7月に当社設立、代表取締役就任。

取締役CTO 荒磯 恒久氏(右)
北海道大学大学院理学研究科化学専攻博士課程修了。イリノイ大学博士研究員を経て1983年から北海道大学応用電気研究所(現電子科学研究所)勤務。1996年より産学連携に携わり、2010年産学官連携功労者表彰において経済産業大臣表彰。2012年北大を退職。2017年北海道職業能力開発大学校校長。2019年当社CTO就任。

<聞き手>
弁護士法人内田・鮫島法律事務所
弁護士 鮫島 正洋氏(左)
1963年1月8日生。神奈川県立横浜翠嵐高校卒業。
1985年3月東京工業大学金属工学科卒業。
1985年4月藤倉電線(株)(現・フジクラ)入社〜電線材料の開発等に従事。
1991年11月弁理士試験合格。1992年3月日本アイ・ビー・エム(株)〜知的財産マネジメントに従事。
1996年11月司法試験合格。1999年4月弁護士登録(51期)。
2004年7月内田・鮫島法律事務所開設〜現在に至る。

内田・鮫島法律事務所知財インタビュー

安全で健康社会に貢献し、厳しい農業を解決する植物工場の構築を目指す



■無菌人工土壌を植物工場用に展開

荒磯:当社はゼオライト(火山地帯で産出される鉱物の1種)を活用した無菌人工土壌『Crystal Grain』を開発し、製造と販売を行っています。

鮫島:どのような仕組みで無菌状態を実現しているのですか。

荒磯:ゼオライトの持つ「多孔質で分子を吸着する」性質によって、土壌に水をかけると、ゼオライト細孔に吸着した無機物質やミネラル等の肥料成分は吸着平衡(*)により溶出し、一定の濃度を長期間保つことができます。(*流体中の吸着物質の濃度とその物質が吸着剤中に吸着される量の間に一定の関係が成立すること)

鮫島:堆肥や養液などの肥料を加える必要がないため、無菌状態を維持できるというわけですね。

荒磯:無菌人工土壌を用いた植物工場システムの展開を進めています。従来の植物工場と比較して圧倒的にシンプルな設備とあらゆる野菜が栽培可能な点が特徴です。

鮫島:水耕栽培では不可能だった根菜も植物工場化できるとは素晴らしいですね。


■取得済みの基本特許は「強い特許」と評価

鮫島:現時点で取得している特許について教えてください。

荒磯:「根菜栽培用人工土壌」として2015年に特許を出願、翌年取得しています。「根菜栽培」と限定的なものになっている点を懸念しています。

鮫島:確かに用途は限定されていますが、葉物野菜は現在の植物工場で主流の水耕栽培で盛んに栽培されているので、敢えてレッドオーシャンに参入する必要はないと思います。貴社が真に挑戦すべきなのは他社にはできない根菜の領域です。その部分で特許が取れているのでこの特許は強い特許だといえるのではないでしょうか。

荒磯:実用化が進む中でさらに改良特許を取得したいと考えています。

鮫島:改良特許でも参入障壁にはなりうるので、是非検討してみて下さい。ただし、侵害検出性のない技術や製法に関してはブラックボックス化しておくべきでしょう。


■海外進出に向けた国際特許出願が課題

荒磯:国際特許については、PCT出願までは行いましたが各国移行の段階で資金の問題で断念してしまったという経緯があります。改良特許出願の際は、国際特許出願も視野に入れていきます。

鮫島:貴社の場合は将来的な生産国全てをターゲットとしなくてはなりません。日本、アメリカ、欧州、中国だけでも1000万円かかるところ、全ての国に出願する場合は5000~6000万円が必要になります。どこまで出願すべきなのかは今後の資金調達や事業の展開を考慮した上で検討する必要がありそうですね。

荒磯:これまでは自社での製造・販売が中心でしたが、大手企業からの引き合いも増えています。化学メーカーやICTメーカーとの共同開発で栽培システムを構築しつつ、製造委託や代理店販売による販路の拡大も視野に入れています。

鮫島:大手企業とのアライアンスの際、ベンチャー企業は不利な立場に置かれるケースも少なくありません。契約内容や権利関係には十分注意しつつ、事業拡大に向けて頑張ってください。本日はありがとうございました。



*対談後のコメント

【荒磯】鮫島先生に弊社の基本特許は「強い特許」と評価され、意を強くすることができました。特許は様々な観点から検討する必要がありますが、鮫島先生には弊社特許のビジネスにおける重要性を端的にご指摘いただき、混沌の中に光が射し込まれた思いをいたしました。スタートアップにとって特許は「城」ともいえる存在です。更に強く戦う方法についてもご示唆をいただき、今後の展開をイメージすることができました。感謝申し上げます。
【鮫島】植物工場は今後の食糧難を解決する一つのキーテクノロジーであるが、水耕栽培なので葉物しか栽培できないという課題があった。同社の方式は、植物工場の利点である無菌性を維持しつつ、水耕栽培ではないので根菜類にも適用できる、世界で初めての方式であり、かつ、この特徴が基本的な特許として保護されている点で競争力がある。今後、海外特許の取得にも力を入れ、一層のバリュエーションアップを目指すべきであると感じた。

(2018.3.25)


―「THE INDEPENDENTS」2018年5月号 P26-27より
※冊子掲載時点での情報です

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