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第310回事業計画発表会講評

2018-06-01 公開
早稲田大学
名誉教授 松田 修一

早稲田大学
商学博士 松田 修一 氏

1943年山口県大島郡大島町(現周防大島町)生まれ。
1972年早稲田大学大学院商学研究科博士課程修了。
1973年監査法人サンワ事務所(現監査法人トーマツ)入所、パートナー。
1986年より早稲田大学に着任し、ビジネススクール教授などを歴任。日本ベンチャー学会会長、早大アントレプレヌール研究会代表世話人も務める。2012年3月教授を退官。ウエルインベストメント㈱取締役会長
特定非営利活動法人インデペンデンツクラブ代表理事


第310回事業計画発表会講評

東海電子(株)、アウトオブザボックス(株)、(株)SIRC


No.864 東海電子株式会社(代表取締役社長 杉本 一成 氏)

杉本氏は、東芝の技術者を経て、1979年当社を設立しました。業務用アルコール測定システム(ALC-PRO)を発売し、現在ポータブルニオイ認識・識別器「Aino-Pro」を開発中ですが、業務用アルコール測定器の製造販売サポートを主たる事業としています。「企業は環境適応業である」ことを長期間にわたって実践してきた典型的な会社ですが、既存事業の利益を次なる新事業の開発に投資し、「グローバルトップニッチ」を目指しています。さらなる飛躍のためには、次の3点を配慮する必要があります。

①呼気によるガン認識・識別器の事業性

新規の事業の柱として健康・医療分野で、「呼気」によるガン識別器を目指しています。安価な医工連携ビジネスを目指していますが、膨大な呼気の継続的収集と呼気によるガン診断の可能性、日本における医療機器としての承認などの多くの課題が立ちはだかります。面白い研究テーマですが、センサという工学に加えて、医療研究者とのコラボにより、事業可能性の再検討をお勧めします。

②ニオイライブラリーと事業領域の選定

お香に代表されるようにニオイ文化のレベルは、日本が相当高いと言われています。また化粧品企業は各社固有のニオイライブリーを持っています。会社固有のアルコール測定で培ったセンサ技術によるニオイライブラリーの構築を探ったらいかがですか。検知・測定の可能性領域の事業を共同開発するというオープンイノベーションの発想が重要です。

③グローバル化は知財戦略をベースに

事業拡大に伴い制作や店舗の海外展開の比重が高くなります。現在長年連携している海外との信頼関係のみに依存しない仕組みを構築しなければ、持続的成長にとって最大のリスクになります。


No.865 アウトオブザボックス株式会社(代表取締役 水本 年成 氏)

水本氏は、2016年に当社を設立し「歯医者の選び方」「弁護士の選び方」「先生の選び方」「本命ナビβ」等を次々とローンチしてきました。現在、歯医者検索キュレーションサイトの企画・運営を主たる収益源としています。名証セントレックスに短期IPOをすることを計画していますが、次の3点を配慮する必要があります。

①専門家紹介サイトの質を維持するサイト構成を追求

も小規模事業者の多い歯科医業界で、優良歯科医による推薦歯科医のみを紹介するという利用者の満足度の高いサイト運営です。ただし、推薦される歯科医は決して同一地域ではなく、非競合地域になる可能性があります。利用者側の視点で考えると、住居地か勤務地の近隣になります。利用者の満足度を上げるには、推薦歯科医のドミナント発想が必要です。

②後発サイトの収益モデルには足腰の強い営業力が不可欠

推薦歯科医の写真も含め詳細な情報が開示されますので、中核となる優良歯科医といかに信頼関係を構築するかが重要になります。歯科医紹介サイトはすでに先発競合サイトがあります。後発としてユニークな収益モデルを成長させるには、中核優良歯科医と信頼関係を結ぶことができる足腰の強い営業力が不可欠です。

③紹介サイトコンセプトの横展開事業

専門家や情報発信者とその利用者の満足度を高めるサイト運営コンセプトを、弁護士や求人等に横展開事業を拡大しつつあります。先行競合の中での特性あるサイト運営が、利用者にどこまで認知されるか、ブランディングの確立と事業拡大スピードが両輪になります。名証セントレックスへの短期IPOを目指しているのは間違いない選択肢です。


No.866 株式会社SIRC(取締役会長 辻本 浩章 氏)

辻本氏が研究開発したデータの計測が可能な小型・省電力チップは、研究成果の事業化を目指す文部科学省大学発新産業創出拠点プロジェクト(START)に、2013年採択されました。3年後大阪市立大学発ベンチャーとして2015年(株)SIRCは設立され、乗算機能デバイスを活用した製品開発および販売を事業目的としています。グローバルニッチトップとして、世界を目指すには、次の3点を配慮する必要があります。

①大学との知財戦略の明確性

国内基本特許は大学保有で専用実施権を受け、応用特許及びPCTは大学発ベンチャーが負担するルールで運営されています。現在23件の国内特許と関連する海外特許を保有しています。特許の維持コストが収益を圧迫します。共同開発しながらファブレス型ベンチャーを目指そうとすると、コア技術のブラックボックス化も含めた知財戦略が不可欠です。

②絞り込んだメーカーとの共同開発

多くのメーカーとタイアップし、SIRCセンサを組込んだ製品を共同開発しています。小型センサの特性から、既存機器への後付けが可能であることが、開発製品からの収益モデルを早期に確立できる優位性があります。ただし、量産効果を出し、収益を安定するためには多くのメーカーとの共同開発の絞り込みが必要です。

③儲かるビジネスモデルと運転資金管理を

開発製品を、代理店や商社チャネルを活用した拡販を考えています。顧客との接点は販売経験豊富な社長と分担していますが、販売先に対する販売支援やアフターケア、さらに仕入・販売サイト差と関係する運転資金管理、チャネルとの利益シェア等儲かるビジネスモデルを明確にします。


2018年5月7日インデペンデンツクラブ月例会 東京21cクラブにて

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【2018年6月号】
(株)くしまアオイファーム 池田 誠
(株)イーグルツリー 本田 哲教
(株)Nolem 西本 俊勲
(株)イワタ 岩田 有史
ロボセンサー技研(株) 大村 昌良
パイフォトニクス(株) 池田 貴裕
ひむかAMファーマ(株) 新城 裕司
(株)イージステクノロジーズ 茅野 修平
(株)パンソリューションテクノロジーズ 松島 悟

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