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ナノミストテクノロジーズ㈱ 松浦 一雄

2017-03-17 公開

<話し手>
ナノミストテクノロジーズ㈱ 代表取締役 松浦 一雄さん(右)
1962年10月20日、徳島県最古の酒蔵・本家松浦酒造(1804年創業)の長男として生まれる。徳島市立高校出身。1985年 3月山梨大学工学部発酵生産学科卒業。1987年 3月山梨大学大学院工学研究科修士課程卒業。1987年 4月大関(株)総合研究所入所。1996年 3月大阪大学大学院工学研究科博士課程後期課程修了(工学博士)。1997年 4月(株)本家松浦酒造場入社。2002年10月超音波醸造所有限会社(現ナノミストテクノロジーズ)創業、代表取締役社長に就任。2005年 4月~現在 国立研究開発法人産業技術総合研究所客員研究員(非常勤)。

<聞き手>
弁護士法人内田・鮫島法律事務所
弁護士 鮫島 正洋さん(左)
1963年1月8日生。神奈川県立横浜翠嵐高校卒業。
1985年3月東京工業大学金属工学科卒業。
1985年4月藤倉電線(株)(現・フジクラ)入社〜電線材料の開発等に従事。
1991年11月弁理士試験合格。1992年3月日本アイ・ビー・エム(株)〜知的財産マネジメントに従事。
1996年11月司法試験合格。1999年4月弁護士登録(51期)。
2004年7月内田・鮫島法律事務所開設〜現在に至る。

鮫島正洋の知財インタビュー

「ナノミスト(霧化)分離装置環境改善に挑戦」


■ 酒造会社発送の革新的技術

鮫島:貴社の開発した「超音波霧化による分離」という現象自体は古くから知られていたのでしょうか。

松浦:超音波霧化の現象自体は既に20世紀初頭より知られており、現在ではネブライザーや加湿器、塗装など多岐にわたって用いられる一般的な技術です。超音波霧化による分離・濃縮技術は、私が大関(株)在職時に研究していたアルコール濃縮技術からミスト分離技術の可能性に世界で初めて着目し、研究を続けてまいりました。実は私は造り酒屋の息子でして、跡を継ぐべく教育を受けてきました。現在は実家の酒造会社の経営は兄弟に任せています。

鮫島:ナノミスト(霧化)分離技術の特徴について教えてください。

松浦:混合液に「超音波などの振動を加えて分子レベルまでミスト化(霧化)し、分離・減容・濃縮」する技術です。従来の蒸留法は大量の化石燃料が必要でしたが、超音波霧化分離装置は低エネルギーで高効率に各種物質を分離・濃縮・精製することが可能になります。電気で動くので制御も簡単ですし、地球温暖化防止にも貢献できます。

■ 特許戦略について

鮫島:ナノミスト分離技術の基本原理に関する特許は取得されていますか。

松浦:基本特許取得は1997年で、現在約40件の周辺特許を日本と米国他海外で取得しています。

鮫島:用途特許を取得していくとキリがないです。これが汎用技術ベンチャーの悩みです。多くの会社は、基本特許は取得するのですが、その後の事業開発に苦労しています。事業領域の「選択と集中」が必要だと思います。これができなくて消えていったベンチャーを過去に何社も見てきました。

松浦:現在は大きく分けて2つの事業に取り組んでいます。1つ目は、造船会社向けの環境規制対応の排ガス削減事業です。2014年、事業提携をきっかけに常石造船様から出資していただきました。これをきっかけに翌年には産業革新機構やVCからの出資も決まり、資本金と資本準備金合計額は7億6209万円になりました。2つ目は、工場排水処理・淡水化事業です。海水淡水化装置としては、将来的にRO膜(逆浸透膜)の代替装置として海外での需要が見込まれています。

鮫島:貴社の場合、基礎技術が完全に実証されていて基本的な特許を取られている点は大きな強みになります。また、造船事業という一つの柱があるので、私が今までみてきた基礎技術の会社とは一線を画しています。造船事業が立ち上がって数億円の売上が出てくると相当説得力が出てくると思います。単一技術で多様な市場に対応できるポテンシャルを秘めてらっしゃいます。次の事業の柱をいかに立ち上げるかが事業拡大のポイントですね。


■ ナノミスト(霧化)分類装置の産業応用

鮫島:今後の事業展開について教えてください。

松浦:小規模製品市場(ラボ向け装置)から中規模製品市場(温泉水濃縮装置・だし濃縮装置)、大規模製品市場(淡水化・化学品製造装置)とひとつずつ事業規模を拡大させていこうと思っています。特に、温泉水濃縮装置・だし濃縮装置は、規模は小さくても注力していきたいと考えています。

鮫島:近年、温泉地は売上減に苦しんでいて疲弊していますね。

松浦:温泉地の新しいビジネスとして温泉水を濃縮し宅配することで、売上の拡大と集客につながります。また、漁村の場合、水揚げした魚を港で加工するのですがその煮汁は捨てられてしまいます。それをその場で濃縮し、「だし」にして販売できれば、漁村に大きな利益を生むことになります。

鮫島:社会性のある切り口で、投資家に対するアピールになると思います。まさに地方創生ですね。大規模製品から小規模製品まであらゆる分野での産業応用が期待される事業だと思います。本日はありがとうございました。


―「THE INDEPENDENTS」2017年3月号 P20-21より

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