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株式会社アムノス 田中 淳

2016-10-06 公開

【田中 淳 略歴】
1967年1月11日生まれ。明大中野高校出身。
1989年明治大学経営学部卒業
1992年Lewis and Clark College 経営学部卒業後、
スポーツ業界での勤務経験などを経て
2004年9月 ㈱TSS入社
2010年8月 ㈱TSS代表取締役社長就任(現任)
2012年1月 ㈱アムノス取締役副社長就任
2015年8月 ㈱アムノス代表取締役社長就任(現任)


【株式会社アムノス 概要】
設 立:2014年1月24日
資本金:145,000千円((株)TSS 73%、ポエック(株) 27%)
所在地:富山県下新川郡朝日町草野271番地3
事業内容:ヒト由来乾燥羊膜の開発製造販売

<起業家インタビュー>

株式会社アムノス 代表取締役 田中 淳 氏

「富山のものづくり企業が世界最先端の医療機器を開発し、

地球の健康に貢献していきます」


ヒト由来乾燥羊膜の開発製造販売で世界に挑戦する富山の産学連携会社。
コネクター製造設備開発から医療機器開発へと新規事業を手掛ける起業家。

■ 富山大学発ベンチャーの設立経緯を教えてください

富山大学医学部の二階堂教授チームが研究する「ハイパードライ羊膜」を事業化するために、創業経営者が富山県出身である、ものづくり中小企業ポエック株式会社(広島県福山市)と株式会社TSS(東京都大田区)の2社による産学連携プロジェクトとして2014年に設立されました。羊膜とは妊婦の子宮内で赤ちゃんを包んでいる薄い膜で、分娩の後、胎盤とともに捨てられていました。傷、やけど、手術などのダメージに対して、細胞を活性化する能力を持つ、この赤ちゃん由来の組織は、生のままでは、取扱と保存に問題があるのですが、二階堂教授らが開発したハイパードライ(HD)という特殊な方法によって、その持つ能力を損なうことなく乾燥させることで、医療機器として再生医療に生かそうと事業化を進めています。

■ 再生医療分野ではES細胞とiPS細胞の研究が進んでいますが、貴社の事業戦略を教えてください

ES細胞は受精卵から作られるため命を犠牲にしているのではという倫理的な課題、iPS細胞はがん化のリスクが高いという課題があります。これに対して胎盤の一部である羊膜は、胎児発生のごく初期に発生する組織でありながら、もともと廃棄されている組織であるために、倫理的問題もなく、ES細胞に似た性質を示しています。血液型、性別、人種等の違いによる拒絶反応はほとんどなく、安全性が高く、抗炎症作用があるため、既に富山大学附属病院では眼科、脳外科、耳鼻科、口腔外科等で手術時の患部代用膜として使用されています。我々が目指すのは、眼科領域や創傷被覆領域の医療機器です。

■ 羊膜の実用化に向けての開発や知財について教えてください

出産直後の羊膜というのはドロドロした湯葉ような質感で、保存や取扱いが難しいものでした。富山大学と二階堂教授のチームは「治療に実用できる羊膜を」を目指し生の羊膜にマイクロ波と赤外線を使って乾燥させることに成功しました。それによって、凍結生羊膜など他の方法では、概ね数カ月だった保存期間を、HD羊膜では常温で2年以上と、大きく伸ばす事ができました。日本では富山大学とさくら精機社の共同特許ですが、アメリカに関しては弊社の特許です。アメリカでは競合先が我々の特許を意識した特許戦略を進めており、これからは知財面の強化が課題になります。

■ 来年4月に新工場を完成予定ですが、今後の収益見通しを教えてください

当初はTSS社の朝日工場で、承認申請に必要な治験等を実施し必要な認証を取得する予定でした。 しかし生体由来材料である羊膜は、ワクチン製造工場と同じレベルのクリーン度や細菌対策が求められます。約5億円の建設費用は、自己資金でそれに対応する予定ですが、非臨床試験や海外進出のための費用の一部は、日本医療研究開発機構(AMED)の医工連携事業として採択されています。国内では、生体由来材料であるために、治験を必要とする承認レベルとなり、認可まで数年間かかりますが、アメリカでは基本的には届出品目となっているために、より早く販売が可能です。アメリカで販売されている類似品の価格は4cm2で11-12万円です。

■ 羊膜の調達面での課題はありますか

今利用している羊膜は医療廃棄物として出産後に捨てられているものです。倫理的には母体の一部を提供していただくため、妊婦から同意書をとって出産後に提供していただくドナーシステムが必要です。数量は現在提供してくれている病院数で当面は十分確保できますが、今後の拡大のためには、そのネットワークをさらに広げる必要があります。

電子部品を事業領域とするTSS社がなぜ医療機器事業を始めたのですか

親会社のTSS社はコネクター産業に属しており景気に大きく左右されます。ビジネスの観点からすると医療機器は景気変動による影響が少なく、経営安定化のために、ずっと進出したいと自分は考えていました。2012年に電子血圧計を開発し、医療機器製造販売業許可を取得しました。それを持っている中小企業は少なく、結果的に富山県新世紀産業機構から乾燥羊膜の事業のお話をいただいたのがきっかけです。自分自身は2004年に㈱TSSへ入社しましたが、それまではスキー関係の国際スポーツイベント運営事業を行っていました。後継者として入社しましたが、父親が創業した会社である以上、自分の価値観を浸透させた企業にすることはとても時間と信念が必要です。㈱TSSは、将来IPOできる水準に達する会社であると思っており、回路設計とメカ設計の両方をコア技術とした、世界で活躍する日本のものづくり会社を目指す一方で、㈱アムノスは、品質の考え方や、製造技術などの一部を共有するものの、独自での事業展開を目指しています。

■ 今後の事業展開をどのようにお考えですか

この乾燥羊膜を世の中に出し、より多くの人々に使っていただくことが我々の社会的責任であると考えています。事業リスクの少ないやり方としては、まずはアメリカで事業展開し、その資金を日本に投資することになるでしょう。しかし日本でも事業展開のスピードを上げるために外部から資金調達や経営人材取り入れを検討していたいと考えています。

※「THE INDEPENDENTS」2016年10月号 - p4-5より

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