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2016-02-05 公開

<西澤 昭夫 略歴>
1982年日本合同ファイナンス(現・ジャフコ)入社、企画部長、NJI取締役などを歴任。1993年敬和学園大学人文学部国際文化学科助教授に就任。1997年東北大学大学院経済学研究科教授(ベンチャー企業政策担当)。2013年東洋大学経営学部教授。東北大学名誉教授。2016年1月日本ベンチャー学会会長就任。特定非営利活動法人インデペンデンツクラブ理事就任。

<特別インタビュー> 日本ベンチャー学会 会長 西澤 昭夫 氏

大学発ベンチャーと地域Eco-system構築による 地域経済再生が最重要テーマです


日本ベンチャー学会(JASVE)会長選任おめでとうございます。ベンチャー業界に入られて30年以上経ちますがベンチャー業界の現況をどう見ていますか。

最新のGEM Reportによれば、ベンチャー創業に関して、アメリカの独り勝ち、そのアメリカでは、新規創業のホットスポットがシリコンバレーから全米各地に拡散しています。優れた研究成果を持つResearchlUniversityがEntrepreneurial Universityに変貌するとともに、産学官連携のもと地域Eco-systemを構築して、その成果を競い合い、数多くの創業(=簇業)・成長(=IPO)・集積(=クラスター)により、ハイテク産業が形成され、地域経済が再生されています。日本でも、こうしたアメリカの独り勝ちを再現すべく、1990年代末、産学連携、VCファンド改革やIPO市場整備、日本版SBIRの創設など、USモデルを導入・実施してきました。にもかかわらず、成果が十分上がったとは言えません。今こそ地域経済再生とイノベーション創出を担うベンチャー企業を育成する必要があります。

地方創生においてベンチャー企業が貢献できる分野は何でしょうか。

デジタル、バイオ、ナノなど、新しいジェネリックテクノロジーの出現によって、ハイテク産業の形成だけでなく、既存産業の高度化も可能になっています。日本の大学もこうした新しい技術分野において世界と戦える技術を生み出し、地域で活用することが求められています。その担い手はベンチャー企業です。ただ、ベンチャー企業は、技術リスクと事業リスクという、二重の創業リスクを負うことから、不確実性が高く、市場メカニズムでは創業が難しい、特殊な新規創業企業です。最近、注目されているF・ナイトは、こうした不確実性に挑戦して、利益を得る人材をアントレプレナーと規定しています。ただ、不確実性の挑戦をアントレプレナーにだけ依存していても、成功しません。ジェネリックテクノロジーの実用化には、「企業家としての国家」の役割が重視され始めています。その意味では、産学官が緊密なネットワークを形成する地域Eco-systemが重要になります。市場メカニズムを代替するEco-systemの新たな理論モデルが求められています。

Entrepreneurial Universityとはどのような特徴を持つ大学ですか。

「第二次大学革命」を経て、研究成果の活用に関し「公開・共有・非営利」と「守秘・専有・営利」という、相反する原理を持ち、それを複眼的思考をもって的確にマネージすることが求められた大学です。ただ、残念ながら今の日本の大学は「守秘・専有・営利」に過剰反応しており、利益相反やキャンパスを物理的に区分するなど、相反する原理のマネージメントを意識的に行っている大学は少なく、結果として研究費を巡る不祥事が生じています。こんな状態では、ベンチャー企業創業はおろか、産学官連携すらできず、大学に混乱と不祥事をもたらしかねません。こうした大学の在り方に対し、新たな視点を提示し、ベンチャー企業創業の基盤整備を図ること、これもJASVEの役割だと考えています。

USモデルは日本にはそぐわないという意見もありますが。

地域のベンチャー企業支援より、東京などの大都市をより強くすべきという、「グローバルシティ論」もあります。日本では、地域の成功事例が無く、旗色が悪かったのですが、「鶴岡の奇蹟」が出現したことによって、状況は変わったと言えるのではないでしょうか。地域主導の「ブレない一貫性をもって」Eco-systemを構築すれば、USモデルは有効だということです。今後は、類似の条件を持つ日本全国の地域において、「奇蹟」(=空間経済学の論理に逆らい、ブラウンフィールドから新産業を形成し、地域経済を再生する)の再現と拡散を図っていきたい。JASVEの研究者や実務家と協力して、新たな課題に果敢に挑戦し、成果を出す、そんな「思考する学会」「行動する学会」を目指したい。ぜひ、ご支援・ご協力をお願い致します。

※「THE INDEPENDENTS」2016年2月号 - p21より

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<コラム>
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