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2015-10-15 公開
事業計画発表会200回記念シンポジウム
パネルディスカッション「大学発ベンチャーの展望」

㈱東京大学エッジキャピタル
代表取締役社長 郷治 友孝 氏
1996年東京大学法学部卒業後、通商産業省(現・経済産業省)入省。『投資事業有限責任組合契約に関する法律』(投資事業有限責任組合法。1998年成立)の起草等に携わる。2004年4月UTEC共同創業、2006年2月代表取締役社長・マネージングパートナー就任。2003年スタンフォード大学経営学修士課程(MBA)修了。

日本ベンチャーキャピタル㈱
代表取締役社長 奥原 主一 氏
1992年東京大学工学部産業機械工学科卒業。1994年東京大学工学系研究科情報機械工学修了後、アンダーセンコンサルティング(現・アクセンチュア)入社。大手メーカーにて最先端の技術コンサルティングに関与。1998年日本ベンチャーキャピタル㈱入社。2008年取締役投資部長就任。2009年4月代表取締役就任。

バイオ・サイト・キャピタル㈱
取締役 福田 伸生 氏
1984年上智大学大学院法学研究科修了後、日本合同ファイナンス㈱(現・㈱ジャフコ)入社。1991年福岡支店長、1995年英国現地法人社長を経て、2003年よりライフサイエンス投資の責任者として同社のバイオ投資のほとんどに関わってきた。2007年同社第三投資本部長。2010年6月当社入社、同年9月取締役就任。

ウエルインベストメント㈱
代表取締役社長 瀧口 匡 氏
1986年野村證券入社。1997年ウインドマーク投資顧問㈱専務取締役。2005年㈱アクセル・インベストメント代表取締役。2005年ウエルインベストメント㈱代表取締役(現任)。2007年ウエル・アセット・マネジメント㈱取締役(現任)。早稲田大学アントレプレヌール研究会理事。早稲田大学学術博士(国際経営専攻)。

―本日は大学発ベンチャー支援に実績のあるVCトップ4名の方と松田修一先生と共に、イノベーションの担い手として存在感を増している大学発ベンチャーの展望について考えたいと思います。まずは東大エッジキャピタル(UTEC)の郷治社長から自己紹介ください。

郷治:2004年4月に東京大学の承認する「技術移転関連事業者」として設立され、運営するVCファンドは3本(計約300億円)で、累計投資先67社に対してエグジットはIPOが9社、M&A売却が8社です。東大産学連携本部によると、東大発ベンチャーに投資したVCは40社にも上るそうです。一方で私どももオープンなVCとして、東大発ベンチャーだけでなく、東大とシナジーのある他大学発ベンチャー企業にも投資しています。

―日本ベンチャーキャピタル(NVCC)奥原社長は、関西産学連携の経験豊富な独立系VCです。
奥原:1996年2月に各分野で成功をおさめている事業家やベンチャー支援に熱意を持つ大手企業などが結集して設立されたアーリーステージ支援型VCです。ファンド総額は830億円でIPO実績は132社です。関西産学連携として、阪大、京大、同志社大学との連携ファンドや、今年は「けいはんなATRファンド」を設立しています。

―バイオ・サイト・キャピタルの福田取締役は10年以上のライフサイエンス投資経験があります。
福田:2002年12月に設立された当社は、バイオテクノロジー・ライフサイエンス分野において大学の研究成果を基に起業したベンチャー企業への投資を行なっています。大阪府茨木市と沖縄県うるま市において生化学実験のできるラボ施設を運営しており、特に地方のスタートアップベンチャーの事業支援に力を入れています。

―ウエルインベストメント瀧口社長は大学発スタートアップ企業への投資に注力しています。
瀧口:1998年6月に早稲田大学アントレプレヌール研究会(WERU)を発祥として、早稲田大学をはじめ他の大学・独立行政法人が有する「知」の事業化に積極的に取り組むために設立されました。20社のIPO実績がありますが、最近はグローバルに発展する可能性のあるディスラプティブな技術やイノベーティブなビジネスモデルを有するアーリーステージ企業に投資しハンズ・オンで支援を行っています

-それでは次に具体的事例を踏まえながら大学発ベンチャーの展望を議論させてください。
瀧口:大学発ベンチャー或いはVCにとって「経営人材の育成」という大きな問題点を解決する新しいフェーズに入っています。文部科学省大学発新産業創出プログラム(START)のケースでは、2014年に「前十字靭帯再生手術に用いる動物由来無細胞化腱の事業化」を早稲田大学理工学術院の岩﨑清隆教授と取り組んでいます。岩﨑教授は2006年にスーパー・テクノロジー・オフィサー(STO)育成プログラムを受け、2007年には早稲田大学ビジネスプランコンテストで優勝しています。事業化に必要な技術調査や特許マネジメントなどは経験してきましたが、理系の教員が経営を学ぶ機会を増やす事が必要だと思います。
松田:大学の教員にとっては論文発表が最大のインセンティブです。そこから知財をビジネス化するにはさらに時間がかかります。知財は社会貢献のためにあるという大学全体での意識改革が必要です。

福田:大学発ベンチャーに求められるものは汎用性の高い「プラットフォームテクノロジー」と「非連続な技術革新(ブレークスルー)」と捉えています。応用・改良・製品開発はパートナー大企業の領域です。私どものSTARTプロジェクトでは、脳に薬を届けるDDS技術や体液を採取しない完全ドライな血糖値測定器の開発に現在取り組んでいます。「経営者の確保」の事例では、同じくSTARTを通じて昨年、沖縄科学技術大学院大学(OIST)発ベンチャー第1号として設立した沖縄プロテイントモグラフィー㈱の亀井社長は当時60歳での創業でした。スカウトされるのではなく自ら起業して下さいとの申し出に最初は戸惑われたようですが、人生の区切りという事で沖縄に移住して起業されました。60歳は十分若いと感じました。
松田:京大山中教授のiPS細胞に代表されるように大学発ベンチャーには革新的なバイオ・ヘルスケア関連ベンチャーが多く、国も医療費を抑制するために積極的に支援しています。事業内容も創薬、診断薬、医療機器など多様性に富みますが、今後は短期に成果の出る支援型ビジネスよりも創薬自体や医療機器など直接治療型ビジネスが伸びる可能性が高い。ベンチャー支援機関やVCもどこを選択し育てるかがポイントになります。

奥原:「けいはんなATRファンド」の第一号案件である㈱テレノイド計画は「マツコロイド」を生んだ石黒浩教授が最高技術顧問を務めるプロジェクトです。私どもは会社化から設立資金の供給、社長の選任まで全面的なバックアップを行いました。遠隔操作型アンドロイド「テレノイド」は、高齢者と認知症患者を対象とするコミュニケーションをするための新しいデバイスです。事業化で最も苦戦した経営者探しの中で出会ったのが、こころみ社の神山社長でした。神山社長は2013年にこころみ社を創業したベンチャー起業家で、高齢者支援のためのコミュニケーション・サービスを提供すべく、電話を通じたサービスに事業機会を見出しその拡大に取り組む中、石黒浩教授の考えるテレノイドの将来像に賛同し新会社の代表取締役に就任するに至りました。
松田:NVCCは日本を代表する企業及び財界人が出資者です。ベンチャーは一人では成功できません。キャピタリストが見つけたベンチャー案件を企業との組み合わせによって大成功するオープン・イノベーションモデルは、実は本来のVCに求められる重要な機能です。

郷治:ペプチドリーム社(マ:4587)は、東大の菅裕明教授が特殊ペプチドによる創薬プラットフォーム技術を発明した時から私どものほう支援し、投資した会社です。弊社から、菅教授に、SRL社出身の窪田社長をご紹介しました。窪田社長は研究開発を売上で賄うビジネスモデルを作り、バイオベンチャー企業には珍しく設立5年で黒字化を達成しました。また、同社は、欧米企業と交渉を担当するアメリカ人CTOを擁するとともに、経営企画担当の役員も入れてバランスのよい経営チーム作りをできたのが成功の要因です。このほか、中国の検索大手であるBaidu社へエグジットしたpopIn社も、様々な人の出会いが生んだ成功事例です。創業者の程涛氏は中国人留学生であったので、当初は、同級生の日本人学生に社長になってもらい、UTECのインキュベーション施設で起業してもらいました。その後、ヤフーに事業売却した経験がある現フリークアウト社社長の本田氏に経営参画してもらうことで、事業モデルを確立できました。大学発ベンチャーは、技術だけがいいから成功できるというものではありません。
松田:30歳前後でMBA資格取得してベンチャー企業に入って起業するというキャリアプランが日本でも増えればベンチャー成功事例も増えるでしょう。人材のファインディングのため、チームビルディングのためには欧米の強力な大学OBコミュニティが参考になります。

―本日は参考になる事例をご紹介いただき、ありがとうございました。

2015年9月16日事業計画発表会200回記念シンポジウム パネルディスカッション@大隈小講堂にて

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【2020年2月号】


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