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ソーシャルキャピタルの新潮流

2010-10-01 公開
ソーシャルインパクト・リサーチ
代表 熊沢 拓

ソーシャルインパクト・リサーチ
代表 熊沢 拓 氏

慶応大学院(KBS)卒。ベンチャーキャピタル畑が長いが、現在は、ソーシャルメディアポリシー、コーズマーケティング、社会起業支援などに注力。ソーシャルインパクトを最大化する手法を研究中。

【blog】 http://secondarymarketplace.blogspot.com/
【Twitter】 http://twitter.com/kumataku1

ソーシャルキャピタルの新潮流 第3回

信頼資本財団の試み 信頼が貨幣的価値に転換する

信頼資本財団が面白い試みをしている。熊野理事長の考え方はラディカルで刺激的だ。ソーシャルの本質を理解する上で役立つ面が多く含まれている。

信頼資本財団は、社会的企業に対して無担保・無利子で300万円を上限に融資する。その際に、融資を受ける人は「信頼責任制」といって自分の知り合い3人を財団に紹介する。この人たちは融資を返済する法律的な義務は負わない。あくまで、「信頼できる人の輪作り」と「信頼の可視化」を目的としたものなのである。また、融資を受ける人は知恵の提供を義務づけられ、データーベース化され原則公開される。

数値化も言語化もできない無形の信頼という価値資本が、有形の貨幣価値を 生み出すもとになるというのが考え方のベースにある。

融資期間は25ヶ月。信頼が貨幣価値に転換していく期間としては短かすぎる嫌いはある。また、初期投資を必要とするビジネスにも融資なのでそぐわない面もある。しかしながら、社会的企業への融資の第一歩の試みとしては 評価できよう。

信頼が貨幣価値を生み出すベースという考え方。日本経済という貨幣価値の転換物が不調に陥っていることは、逆にみると、日本の様々な信頼関係がうまく機能していない、傷ついていることを意味している。会社と従業員の信頼関係、投資家と会社の信頼関係、会社とその取引先の信頼関係など様々である。

日本経済(貨幣的価値を高める)が再生するには目に見えない信頼というネットワークをもう一度結び直す必要があるのだろう。逆説的だが、信頼は利己的行動ではなく利他的な行動によって生み出されるということがヒントとなろう。

【訂正】タイトルの財団名に誤植がございましたので訂正致しました。関係者の方ならびに読者の皆様に深くお詫び申し上げます(2010年10月12日)

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